ここでいうゲームとはもちろんテレビゲームやPSPのことではなく、ビジネスのことです。
著者はネスレの代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏。
主力商品であるキットカットや、ネスカフェの販売方法に関して、既存のルール(ビジネスモデル、習慣)を変えることにより売上げを拡大させてきた人物です。
本のなかで高岡氏はルールを変えるには強力なリーダーシップが必要であることを強調しています。高岡氏が考えるリーダーシップとは指示をするのでなく、「自分でやってみせること」。根回しも相談も必要ない、「とにかくやってみること」なのです。
実際、キットカットの受験キャンペーンやネスカフェのアンバサダー制度も成功するかしないかは誰も分からなかった。ただ行動に移した、それだけなのです。
*勿論、事前のマーケティング情報から行動の方向性を導き出したのは本に書いてある通りです。
現状に対して変化の必要性を感じている人物こそがリーダーになるべきです。しかし、先にも書いた通り、変化には責任が伴う。
責任を伴うことは、個人にとっては現在の立場をゆるがすリスクを背負うことを意味します。
少し視点を変えてみましょう。誰が最もリーダーに相応しい立場にいるのでしょうか?
本のなかで高岡氏は「間接部門もゲームのルールを変えられる」と述べています。
間接部門にもマーケティングの発想を取り入れ、1つのサービス提供企業として考えるべきだという主張、つまりはコストセンターからプロフィットセンターへの移行です。
経理部であれば、損益計算書を見てコストの無駄を見つけだすコンサルティングサービスを提供し、人事部であれば、各ブランド毎(キットカット、ネスカフェ等)に要求される能力を持つ人材を送る人材育成/提供サービスします。
間接部門を利益追求組織にルール変更することで、他の事業部門、営業部門にコスト意識が生まれます。
間接部門のなかでも特にリーダシップを発揮しやすい立場にいるのは、事業部門とのしがらみがなく、全業務を網羅しているIT部門ではないでしょうか?
業務理解が前提にはなりますが、ITを使って売上げに貢献することも出来るし、業務改善もできる。あとは高岡氏のようにやるか、やらないかです。
「ITが止まればビジネスも止まる」
ビジネスを動かすのはIT部門なのです。
ゲームのルールを変えたいと思っている社員、メンバーのリーダーとして、まずは、IT部門が自らの「ゲームのルールを変えろ」。
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