システム管理者のためのBookCafe

Vol.140 読解力は最強の知性である

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
K’s Review

仕事でもプライベートでも、情報の量が圧倒的に多くなったと感じています。SNS、メール、資料、会議の議事録…。すべてに目を通す時間も気力も限られている中で、「結局、何が大事なのか?」を素早く見極める力が求められるようになってきました。そんなとき、「読解力こそが最強の知性である」というタイトルに惹かれて、この本を読み始めました。

内容紹介

 
読解力は最強の知性である
山口拓朗(著)
 
読解力は、私たちの仕事や生活を含む人生を支えているOS(基盤システム)のようなものなのです。
では、どうすれば読解力を高められるのか?
それは、読解力が高い人の頭の中を可視化し、ノウハウ化することです。
そして本書の目的は、そのノウハウをあなたの頭の中にインストールすること。
本書を読み、実践することで、読解力は飛躍的に高まり、驚くほどの能力を発揮できるようになり、人生は劇的に好転することでしょう。
SBクリエイティブ 紹介ページ)

 

K’s Review

「読解力は学生時代に学ぶもの」と思っていた自分にとって、本書は大きな気づきを与えてくれる一冊でした。情報があふれるこの時代において、本当に必要なのは、“早く、正確に、本質を見抜く力”。つまり、読解力こそが、現代人にとって最も実践的な知性であるというのが本書の主張です。

出口先生は、文章をただ「読む」のではなく、「構造でとらえる」ことの大切さを繰り返し説いています。具体的には、「主張→理由→具体例」といった論理構造を意識することで、どんな文章でも核心を素早く掴めるようになります。

特に印象に残ったのは、“文章を読む”という行為は、単に文字を追うことではなく、筆者の意図や立場、前提にまで思いを巡らせる「思考」の訓練であるという点です。読解力が高まることで、思考力、判断力、さらにはコミュニケーション力まで底上げされていく――まさに「知性を鍛える読書」が体感できました。

また、ビジネスシーンでの応用にも強く、実際のニュース記事や資料を使った実践パートも多く含まれているので、読んで終わりではなく、明日から使える技術として定着させやすい構成になっています。読みやすくテンポも良いため、普段あまり本を読まない方にもおすすめできます。

この本を読んでから、「文章を読むこと=情報を受け取ること」ではなく、「構造を見抜き、意味を整理すること」だという認識が強まりました。文章を読む際には、「この主張の根拠は?」「なぜこの順番で述べているのか?」といった視点を持つようになり、内容の本質により早くたどり着ける感覚が得られました。それは、読解力が単なる読み取りの力ではなく、読解力とは、ただ読む力ではなく、物事を筋道立てて考えたり、内容を正しく理解したりするための土台になる力なのだと、改めて気づかされました。

総じて、この本は「読むこと」に対する意識を根本から変えてくれる一冊でした。読む力が変わると、考える力も、伝える力も変わる。そしてそれは、日常や仕事を前向きに変えていく力になります。読解力に少しでも不安を感じている方や、情報に振り回されがちな方には、ぜひ手に取っていただきたいと思います。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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