システム管理者のためのBookCafe

Vol.66 正攻法の業務改革

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Ami’s Review

今回のBookCafeでは、「業務改革」についてケーススタディ形式で正攻法を紹介している本書をご紹介します。

業務改革と言うと、トップダウンや社長直下プロジェクトといった全社的な業務改革をイメージされるかと思います。本書もそれを主軸に置いてさまざまなケーススタディを紹介していますが、全社でなくとも部門やチームなど、もっと小さいところから始められる業務改革に役立つ情報が満載です。

特にITが企業活動全体で欠かすことができない昨今、システム管理者をはじめとするITに携わる方々に一度は手に取って読んでいただきたい一冊です。

内容紹介

正攻法の業務改革

大川原文明・冨樫勝彦 共著

これまで業務改革を手掛けても、見かけ倒しに終わったり、新たな基幹システムを入れただけで終わってしまった経験はないでしょうか?

それは目先の改善だけにとらわれてしまい、問題の根本原因に着目する視点が欠けていたからです。著者が提唱する「正攻法の業務改革」は問題の根本原因を利益を生み出す「金脈」ととらえます。金脈を掘り起こすための考え方、人員の配置、人の動かし方など、3ヵ月で結果を出す業務改革の手順を提案します。

正攻法の業務改革は日本の企業にありがちな「縦割りの組織に横串を刺す」画期的なマネジメント手法です。

現代書林 紹介文抜粋)

Ami’s Review

本書はそのタイトル通り、「正攻法」を紹介しています。よくある「〇〇するためのXつの方法」といった即効性のありそうな仕事術やテクニックを紹介している類いの本ではありません。仕事をする上でそんなことは当たり前、と思われるような王道、正攻法を改めて紹介し、それこそが最終的には手戻りを少なくし、結果的に業務改善のショートカットとなると説いています。なぜなら、当たり前と思うようなことでも、縦割り組織の弊害から起きる個別最適化や社員の意識といったさまざまな障害が立ちはだかり、実際はできていないことが多いからです。

中でも、業務改革を進める上で気をつけなければならないこととして、「業務改革=業務システムの刷新」と早急に事を進めてしまい失敗するケースが多いということです。これは特にIT部門が主導で進める業務改革に多いようで、システム刷新に進む前にまずそのシステムで実行している業務のプロセスをしっかりと把握し、システムの改善ではなく、そもそもプロセスの方に改善できるところはないのかを十分に確認した上で、業務を改善するためにシステムを刷新新することが重要です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ちょっと振り返ってみてください。ただ、目の前にある業務、依頼された業務をそのままシステム化していませんか?

上記のように、全社的な業務改革の担当者でなくても、IT部門やシステム管理者にとって日頃の業務の進め方に役立つ内容も多く、自身のちょっとした業務からチームや部門内のうまくいっていない業務の改革に取り組むための意識の持ち方や仕事の進め方へのヒントがたくさんちりばめられています。

ページ構成も1つのケーススタディが2ページの見開きで完結しているため、すきま時間に読みやすくなっています。通勤時間のお供にいかがでしょうか?

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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