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最近「サブスクリプション」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、既存の定額・月額サービスとの違いがよく分かりません。
帯には「急成長をとげる継続課金(リカーリング)ビジネスの全貌と導入ガイド。」とあり、全貌が分かるならきっと疑問も解けそうなので、読んでみました。
消費者の関心が「所有」から「利用」へと変化するなかで、サブスクリプション(継続課金)・モデルに移行した企業が急成長をとげている。アドビ、ネットフリックス、コマツ、フェンダー、ニューヨークタイムズ…はなぜ成功しているのか。どうすればこのモデルに移行できるのか。Zuoraの創業者兼CEОが初めて明かす。
(ダイヤモンド社 紹介文抜粋)
私が利用しているサブスクリプションモデルのサービスには、音楽ストリーミングサービスや動画配信サービス、チャットサービスのような、スマートフォンひとつでいつでもどこでも利用できるものがあります。また、自転車レンタルサービスも通勤に利用しています。
本書では、様々な分野におけるサブスクリプションモデルの事例紹介があります。上記に出した例以外にも、空の旅や車などの移動のサブスクリプション、出版・メディアのサブスクリプションなどの事例があります。日本にないサービスの事例もあって興味深いです。なお、事例によって内容の分かりやすさの差が大きいため、興味がある事例は自分で調べ直したほうがいいかもしれません。私がアメリカ事情を知らないために分からないのか、単に内容が分かりにくいのか判別できませんが、少なくとも文章量はかなりまちまちです。
著者は『サブスクリプション化できないものはない』とし、『製品が提供するサービスのレベルについて契約すればよい』と言います。ユーザの関心は「所有」から「利用」へ移行しており、企業も「モノを売る」のではなく「サービス・体験を提供」せよと言うのです。すでにサブスクリプションモデルのサービスを提供している企業も、新しい企業もあれば、従来のモノを販売している企業がサブスクリプションモデルに移行している事例もあります。
本書の中では、著者が定義する「サブスクリプションとは」の明快な答えは書いてありません。「監訳者のあとがき」にはあるのですが、監訳者の定義であって著者ではないため、著者の定義とイコールとはいいにくいと考えます。私なりに読み取ったのは「ただ定額で使えるサービスというだけではただ売るだけ、サブスクリプションとは呼べない。ユーザとの関係を築き、長期的に関係を継続することでサブスクリプションモデルのサービスと言える」ということのようです。本書の言葉でいうと、『製品中心から顧客中心』あたりでしょうか。
顧客は体験を得、企業は何を体験したか・いつ体験したかなどのデータを得て次へつなげ、長期的に関係をつなげることで成り立つビジネスモデルのようです。
ユーザを知るためのデータ取得・分析について、もっと知りたくなったので、次はデータ分析についての本も探してみたいと思います。
本書自体の話ですが、アルファベットとカタカナが乱立する文章かつ縦書きのため読みにくいです。電子書籍を利用してみましたが、横書きに変換できればなおいいと感じました。
“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
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