システム管理者のためのBookCafe

Vol.120 え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Kosuke’s Review

ライトノベルではありますが、独特なタイトルとシステムエンジニアをテーマにした内容に惹かれて読んでみました。

 

内容紹介

 

 

え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

下城米雪 著
 

社内システムをワンオペしていた佐藤愛は、社長交代を機に解雇予告を受ける。退職後、ファミレスでひとり悲しみに暮れていた愛は、幼馴染の鈴木健太と再会する。そして健太は彼女を自らのスタートアップに招待した。相手の心に寄り添うために始めた事業、その名も「真のプログラマ塾」。佐藤愛の熱く、時に破天荒な講義で受講生たちは、少しだけ前を向く。ストレス社会で頑張る全ての人たちへ。明日がちょっとだけ笑顔になれるお話です。

PASH! ブックス 紹介ページ)

 

Kosuke’s Review

社内でコスプレしながら働いている超凄腕のシステムエンジニアの女性が主人公の勧善懲悪系の本作品、少しブラックな企業に務めており、突然の解雇を言い渡される所から始まります。社内システム全てを一元管理できる魔法のシステムを開発し一人で運用しているというスーパーSEなのに、新社長がSEを軽んじており、首にされる。そこから幼馴染の男性と再会し、彼が企業した会社に務めていく中で評価されていくという、現代を舞台にした内容になっております。社内政治やシステムエンジニアの不当な扱いなど、リアルに書かれており引き込まれる作品でした。小説内で一人あたりの月の工数の話や、プログラミングを覚えるための基本についてなどが出てくるとは…

もちろんシステムエンジニアに詳しくない方でも問題なく読める作品となっており、主人公である女性のぶっ飛んだ発言や行動力には惹かれるものがあり、新しい職場でのお客様へ寄り添った事業による心温まる内容にはとてもほっこりしました。
小説内の描写として、主人公視点だけでなく、お客様視点や元の職場の社員視点などがあり、相手がどう思っていてどうなっていったのかが、物語を読み進めていく中で判明していくため、次の展開が気になってスラスラと読むことができておすすめです。
タイトル的にはITを題材とした作品と感じる部分が多いかと思いますが、現代社会に疲れ切った様子の登場人物たちが、主人公たちと関わっていくことでどんな選択をするか、どういう風に変わっていくかに重きを置いているため、働く大人たちがテーマと言って良いかもしれません。

IT業界に携わっている方や、自動化について関わりのある方はぜひとも読んでみていただきたい作品です。内容に「あー分かる」と思われる部分があること間違いないですし、IT業界に詳しくない方も、システムエンジニアや社内システムを運用している方々がどんな苦労をして社内のシステムを支えているのかを知る事ができる良い機会になると思います。

この小説のもととなった作品はネット小説として無料で投稿されていたもので、今でも
読むことができます。また、本作品の試し読みもありますのでぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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