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システム管理者のためのBookCafe Vol 90 カスタマーサクセスとは何か 日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
2020年12月9日 10:00

 近年、売り切りモデルが廃り始め、サブスクリプションモデルに移行しつつある。
例えばAmazonPrime、Netflix、Sportify等多くがサブスクリプションモデルである。
弊社の製品でもサブスクリプションモデルへの移行をし始めています。

 しかし、私は「サブスクリプションモデルに移行さえすれば利益が上がる」という考えに兼ねてから疑念を抱いていました。そんなとき、上司の薦めから本書を手に取りました。

内容紹介

カスタマーサクセスとは何か
日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」

弘子ラザヴィ著

 本書は
・カスタマーサクセスとは何か?
・そしてそれがなぜ大事なのか?
を中心にカスタマーサクセスの本質と目的を理解し納得することを目的としています。

 デジタル時代に強い競争力を持つ事業の真の理由はどこにあるのか?形だけのサブスクリプションモデルでなく、顧客の成功を届けるモデル(リテンションモデル)をかつてのモノ売り切りモデルと比較しながら丁寧に説明する、ビジネスに携わる人必見の1冊です。

 本書の構成は以下の全3章で構成されている。
1章、時代背景を考慮したカスタマーサクセスの「必然性(Why)」
2章、リテンションモデルの鍵カスタマーサクセスの「本質(What)」
3章、カスタマーサクセスを世界から見た日本の現状と日本での事例

英治出版

Takunori’s Review

 私は現在システムエンジニアとして働いていて、どのようなサービスが顧客に利用してもらえるのか、使いやすいUI・UXを実装することを意識して働いています。
本書ではリテンションモデルの定義を挙げており、その中でもシステムエンジニアが特に注視しなければいけないことは「利用者が自分にとってうれしい成果を得られるなら自分の個人データをプロバイダーが取得することを許す」という点です。
かつてのモノ売り切りモデルでは顧客の利用状況を把握するには、顧客から直接ヒアリングするしかなかったが、リテンションモデルでは顧客がいつ、どのように、どれくらい利用したかというデータを取得し解析することでサービスの改善に役立てられます。
そのため利用状況を獲得するコストを削減でき、より開発にリソースを割くことができるようになります。
また、クラウド上のサービスのためそれを即座にバージョンアップすることが可能になります。
システムエンジニアは今後、データを取得・解析し設計するというフェーズをしていかないと生き残れない世界になっていくのではないかと感じます。

 また、本書を読み一番驚いたことは、「成功を届けられない相手に売らない覚悟と仕組みを持つ」という点です。
多くの人が仕事をしていく中で、たとえ成功を届けられなさそうな相手でも自社の製品を売り、成果を出すことに終始してしまう。
しかし、本書ではそれを真っ向から否定しています。
本書によるとリテンションモデルの新規顧客の獲得コストは、売り上げ1$あたり1.32$とマイナスである。
そのため企業は成功を届けられないような新規顧客を獲得するより、本当の成功を届けられる顧客にのみターゲットを絞り、そして解約を減らす努力をしなければいけません。
さらに言えば買い増しを促すことがどんどん収益アップにつながるということになります。
もし、皆さまの中で新しくサブスクリプションモデルを展開しようとしている方がいらっしゃるなら、新規顧客を獲得することに終始することでなく、既存顧客に成功を届けられるよう工夫しサービスを改善していくことに重点を置くべきだと考えます。

 現在の高度消費社会は<物語>が商品ごと、人ごとに多様に分化した社会です。
そうした社会では消費に関わる動機形成が不透明になります。
このような複雑な社会で多くの顧客を獲得し、成功を届けるのは難易度が高くなります。
本書はそんな時代背景を考慮して、ただのサブスクリプションサービスで終わるのではなく、顧客に成功を届けるリテンションモデルの重要性を説いた1冊です。

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