- 目次
- 内容紹介
- K’s Review
内容紹介
ブラッド・ストーン(著)、井口 耕二(訳)、滑川 海彦(解説)
■アマゾン創業者ジェフ・ベゾス、奇才経営者の実像に迫る物語
インターネットに大きく賭け、買い物や読書の習慣を大きく変えてしまった
アマゾン創業者、ジェフ・ベゾス。本書は、その奇才の生い立ちから現在までを
詳細に追った物語である。
宇宙に憧れた聡明な少年が、ウォールストリートの金融会社をへて、
シアトルで創業。当初はベゾス夫婦とエンジニアのたった3人でアマゾンを始めた。
そこからベゾスの快進撃は始まる。
時に部下を叱りつけ、ありえない目標を掲げ、けたたましく笑う。
そうして小売りの巨人ウォルマート、大手書店のバーンズ&ノーブルなどとの
真っ向勝負に立ち向かってきた。ベゾスのビジョンは、「世界一の書店サイト」には
とどまらない。「どんなものでも買えるお店(エブリシング・ストア)を作る」という壮大な
野望に向けて、冷徹ともいえる方法で突き進んでいく。
■急成長したアマゾンの手法がわかる!
ジェフ・ベゾスとアマゾンの経営手法は独特だ。10年以上先を見据えて、必要とあれば赤字もまったくいとわない。買収したい会社があれば、相手の体力が尽きるまで価格競争を仕掛けて追い込む。投資家から批判されても、巨大な物流システムやクラウド「AWS」、電子書籍「キンドル」などの新規事業には、巨額の投資を続ける。電子書籍の普及に向けて、出版社には言わずに卸値を下回る1冊9ドル99セントで電子書籍を売りまくる。数字と情熱を重要視する合理的で冷徹な手法を解説している。
■ベテラン記者がベゾスの許可を得て記した最高のノンフィクション
著者は、ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙、ビジネスウィーク誌でジェフ・ベゾスやアマゾンの記事を書いていたベテラン記者。ジェフ・ベゾス自身はマスコミ嫌いで有名だが、長年の著者の実績から、本書に関しては、ジェフ・ベゾス自身がアマゾン幹部や親族や友人への取材を許可した。著者は本書のために、300回以上も関係者に取材。ベゾス自身が40年以上音信不通だった実の父も探し当てて話を聞いた
K’s Review
読んでいくと、その成長のスピード感に圧倒されます。社是でも「早くでかくなる」ということを念頭に1996年に入るころにはアマゾンの売上は月に30%から40%も伸びるようになっていました。成長速度はすさまじく、計画は役に立たないし、社員も当時のことをよく思い出せないほどだということです。
その中でも特にジェフ・ベゾスの言葉や行動は、考え方もよく読み取れ、ここまで顧客中心のトップを見たのは初めてかもしれません。ベゾスの言葉やAmazonとしての強み、チャレンジ精神などについて、以下の様な言葉、内容が特に記憶に残っています。
・「ものを売って儲けているんじゃない。買い物についてお客が判断するのを助けることで儲けているんだ。」
・勤めていた会社から引き留めを受けた際に「インターネットという、世界を変える原動力になると思ったものに身を投じなかった場合、あのときやっておけばよかったと心から後悔する可能性がある。」
・Amazonの中で浸透しているリーダーシップ14カ条には、「倹約─顧客にとって意味のないお金は使わないようにする。倹約からは、臨機応変、自立、工夫が生まれる」と書かれている。
ジェフ・ベゾスの考え方や言葉から物事の本質を考えさせられるという部分が、この本を読んだ大きなポイントではないかと考えています。その考え方の結果、現状誰もが利用しているAmazonというサービスプラットフォームが出来上がったと考えると、「確かに」とうなずける部分もありますし、自身の業務に対するスタンスなどにおいても見習うべき点が多くあると感じました。
最後に、この本はジェフ・ベゾスがAmazonを大きくしていく物語になっているので、特に新しく部署やサービスを立ち上げるフェーズにある方や、新たなビジネスを始めようとしている方におすすめの本となっています。
連載一覧
筆者紹介

●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。
この本を読んだことがある方、読まれた方のご感想もお待ちしております!(⇒ぜひ、コメント欄にコメントをお寄せください☆)
コメント
投稿にはログインしてください