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システム管理者のためのBookCafe Vol 95 でたらめの科学 サイコロから量子コンピューターまで
2021年5月26日 10:00

 

量子コンピューターの本をECサイトで探していたら、この本のタイトル「でたらめの科学」が目に留まりました。「でたらめ」から、何か科学的なことを否定する本なのか?と思いました。電子書籍版の画像では、画像のような帯がなく、何について書いた本かわからなかったのですが、「乱数の規則性がない価値」にという言葉に興味がわき、読むことにしました。

 

内容紹介

でたらめの科学
サイコロから量子コンピューターまで

勝田 敏彦 著
 
「乱数」は、規則性がなく、まとめられない「でたらめ」さに真価がある。どれだけ完璧な「でたらめ」な乱数が作れるか、サイコロに始まりコンピューターを駆使しての研究が長年続けられてきた。その乱数は、プロ野球のサイン、核融合、人工衛星の設計など、ありとあらゆるところに応用されている。乱数の理論から応用、将来の展望まで幅広く取材した科学ルポ。
第1章 でたらめをつくる でたらめづくりの歩み/コラム疑似乱数と物理乱数/史上最速のサイコロ/「1+1=0」の異世界にて/円周率は乱数なのか/世界記録を目指した
第2章 でたらめをつくる 真実に迫るでたらめ/情報を守る乱数/乱数を売る・操る
第3章 でたらめの未来 1000兆個の乱数で/コラム準乱数/物理乱数の夢/進化する乱数 など

朝日新聞出版 紹介文抜粋)

 

 

Aki’s Review

コーヒーやビールの缶などのキャンペーンで、景品が当たる応募シールが貼ってあり、何点か集めるとその懸賞に応募できる商品が売られているのを見たことがある方も多いと思います。その応募シールには、何桁かの数字や英字が書いてあり、それをメーカーの応募サイトで入力するかQRコードを読むなどして、特定の点数を集めると応募できるシステムです。以前、何枚かをまとめて入力していた時、シールを並べてみて、この何桁かの数字や英字は、意味や規則的なものがあるのか、疑問に思ったことがありました。その答えがこの本でわかります。

 

仕事でプログラムは書きますが、業務システムで使用されるので、まず乱数を使うことはありません。冒頭にも書いたように目には留まったのですが、あまり関わりがないと思い最初はスルーしました。しかし、何かが引っ掛かり、まあ暗号化は関係なくもないかと思い読み始めました。
この本の第一章は、乱数について書かれています。乱数の歴史や考え方、作り方について書かれていて、最初はサイコロから始まります。乱数って言われると、さほど身近に感じませんが、サイコロって言われると急に身近に感じますね。
しかし、大学教授や研究者の研究についての調査が大半で、かなり学術的な内容が書いてありますので、やっぱり業務とはあまり関係ないかなと思い、買ったことを少し後悔し始めました。ですが、読み進めるうちに、なぜかはまっていました。
質がよい乱数とそうでもない乱数があり、規則性がない乱数がいい乱数です。入社当時、C言語を最初に勉強した際に、rand関数の説明で、疑似乱数を生成しますと書いてありました。なんで、疑似?と思ったことがありますが、その疑問はそのままでした。もちろん、この本にも疑似乱数について書いてあります。
乱数には、物理乱数と疑似乱数があり、前者は自然現象を利用したもので、後者はロジックで生成します。そのため、後者は再現性、周期性があるようなので、「疑似」なんですね。
コンピューターが発達した現在では、その疑似でも、その周期は2の19937乗-1だそうで、ゼロが6000個付く数字です。

 

二章では、乱数の使われ方などが書かれており、なるほどと思う内容が多くありました。よくニュースなどの内閣支持率の調査や、品質管理でのサンプリング調査で使われる、無作為抽出でも乱数が使われているそうです。野球のサインでも乱数表が使われていたことには、ちょっとびっくりしました。もちろん、暗号化技術で「鍵」の話も出てきます。
また、最初に書いた応募シールの数字についても、実際の印刷会社の人の話で、苦労の末に乱数をビジネスにしていった話などとても興味を持ちました。
最後の章で、ようやくこれからの乱数の話で、量子コンピューターが出てきます。どうしても、今のコンピューターでプログラムを書いている私には、0か1のbitの考え方から抜け出せず、量子コンピューターの0でも1でもあるという考え方は理解できませんでした。おそらく、この後に量子コンピューターの専門書を読む必要がありそうです。

 

この本は、乱数の本です。学術的な内容が多い本ですが、応募シールの数字に疑問を持ったことがある方や、アンケートの無作為抽出って?と疑問を思ったことがある方は、一度読んでいただきたい一冊と思います。

 

 

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