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システム管理者のためのBookCafe Vol 104 恐れのない組織
2022年3月1日 13:00

 

本書の主題は「心理的安全性」です。私は一年ほど前までこの概念を知りませんでした。
「心理的安全性」を初めて知ったのは会社の研修でのことでした。組織をまとめる立場において「心理的安全性」の確保が重要であると学びました。
研修後、「心理的安全性」という概念をより深く理解してみたいと考えたため、「心理的安全性」の提唱者であるエイミー・C・エドモンドソンさんが著した本書を読みました。

 

内容紹介

 

恐れのない組織

エイミー・C・エドモンドソン 著
野津智子 訳
村瀬俊朗 解説
 

『チームが機能するとはどういうことか』の著者であり、2011年以来、経営思想家ランキング「Thinkers50」に選出され続けている、エイミー・C・エドモンドソン教授最新刊!

 

Googleの研究で注目を集める心理的安全性。
このコンセプトの生みの親であるハーバード大教授が、 ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、 対人関係の不安がいかに組織を蝕むか、 そして、それを乗り越えた組織のあり方を描く。

 

英治出版株式会社 紹介文抜粋)

 

 

Miho’s Review

 

 会社の研修で初めて「心理的安全性」の文字を見た際、「心の安全とは何なのか?」と疑問に思いました。目に見えない事象と関係しているため具体的なイメージを想像しづらかったのです。研修では「心理的安全性を確保し、メンバーが話しやすい雰囲気を作りましょう」という文脈で使われていました。

 

 本書を読み、「心理的安全性がある状態」とは「対人関係におけるリスクへの恐れが最小限に抑えられた状態」であると理解しました。ここでの「リスク」とは、例えば恥をかくこと、自身の評価を下げられること、相手の機嫌を損ねることなどです。「心理的安全性がない状態」では何かのアクションをすることとリスクへの恐れを天秤にかけた結果としてアクションが抑えられることがままありますが、「心理的安全性」があればその天秤がアクションする方に傾きやすくなるのですね。

 

 本書の豊富な実例が、「心理的安全性」が組織にとってどれほど重要であるかを理解する助けになりました。例えばテネリフェの惨事と呼ばれる航空事故は良くない例として挙げられており、機長と副操縦士のやり取りにおいて心理的安全性が確保されていれば事故を免れただろうと思いました。本書にて紹介されている良い例と良くない例の両方に3.11の際の原発に関するエピソードもあり、日本においても心理的安全性の概念が有用であることが分かります。実例を見ると組織におけるすべての成功や失敗には「心理的安全性」の有無が深く関わるのだと思わずにはいられませんでした。

 

 さらに、「心理的安全性」は「あればよいがなくてもいいもの」ではなく、むしろ「ないとリスクを伴うもの」と理解しました。組織を「心理的安全性」が低い状態にしておくことはリスクです。例えば、爆発物を取り扱う組織の一員が保管庫のわずかな異変に気付いたとして、それを上長へ知らせるかどうかの判断は前述の天秤をもって行われるからです。「心理的安全性」があれば報告が上がっていたものが、なければ報告がなされずに事故につながるリスクがでてきます。

 

 爆発のような物理的な事故が起こらない業種においても、「心理的安全性」が低い状態であればなんらかの不利益が発生するリスクは十分に考えられます。例えばIT業界においてはシステムエラーの兆候が見過ごされたりしないでしょうか?

 

 また、著者は「心理的安全性」を「リーダーシップによる行動などにより作られる組織の風土」としていますが、一方で組織のメンバー一人一人が形成に関与できることも説明しています。私も、家族や仕事などそれぞれの場において「心理的安全性」の形成へ貢献したいです。

 

 

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