システム管理者のためのBookCafe

Vol.106 マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Kizo’s Review

 社会人になり、メールでのやり取りや文章作成する場面が増えたので、改めて勉強したいと思いこの本を購入しました。購入した時期はコロナ禍以前だったのですが、今ではチャットツールを使用したコミュニケーションが常識となり、この本の内容は文章を書く心構えとして、とても役立っているなと感じています。

 

内容紹介

マジ文章書けないんだけど

前田 安正 著

「マジ文章書けないんだけど……」

「えっー! マジ、マジ? それ相当ヤバいよ」

就職活動をひかえた大学生すずは、エントリーシートが書けずに悩んでいた。

そんな時に、文章の達人である謎のおじさんと出会い、文章の書き方を基本から学ぶことに……

  • ・文と文章の違いとは?
  • ・一つの文には、一つの要素
  • ・「だが」と「ので」はできるだけ使わない
  • ・受動態を使って、客観的な表現に
  • ・過去の話でも現在形をまぜると「ライブ感」が生まれる
  • ・「状況」「変化」「行動」、人間の思考に沿って文章を組み立てる
  • ・Whyを使って話を広げる

 

次第にすずは、謎のおじさんが文章の書き方だけを教えたいわけではなく、文章を書くことの本質を伝えてくれていることに気づいていく…

メール、手紙、ES、報告書、企画書…
あらゆる文章に共通する「書くことの本質」とは一体??

大和書房 紹介文抜粋)

 

Kizo’s Review

 そもそも私自身、学生の頃からあまり国語は得意ではありませんでした。作文の課題などもあまり好きではなく、「どうやって文字数を稼ぐか」程度しか意識していませんでした。
 本書は就活生がエントリーシートを作成するも内容が薄く、読み手にうまくアピールできず困っているシーンから始まります。一般的な自己啓発本と違い、会話ベースの文章で具体例も交えつつ文章を書くためのイロハを紹介しています。サクサクと読みやすく、図解や挿絵でわかりやすく説明しているので、あっという間に読了できます。読み終える頃には、文章を書き始める時の意識が変わり、これでもう「ちょっとこの文章何を伝えたいのかわからない」なんて言われることもなくなるのではないでしょうか。

 本書では、全部で4つのステップに分けて「人に伝わる文章の書き方」を教えてくれます。
 ステップ1では、「そもそも文章を書く前に何を心がけるべきなのか」や、「”は”と”が”の違いや使い分け」など超基本的な部分の説明です。国語の授業でも教えてもらえない、普段意識せず使っている言葉の違いを教えてくれます。”は”と”が”の違いについて読んだ時は、自分が普段どれだけ意識せずに言葉を使っていたのかに衝撃を受けました。

 ステップ2では、「”これ”、”それ”、”あれ”、”どれ”などの”こそあど言葉”の使い方」、「句読点の位置の違いによるニュアンスの違い」、「能動態と受動態を使いこなすコツ」など文章の構造を考えるためには必須となる知識の紹介があります。文章の基本的なお作法について教えてくれます。小学生の時に習ったかもしれませんが、私はすっかり忘れていました。すべてロジカルにわかりやすく紹介してくれています。学生の頃にこの文章術を知っていたらもっと作文が好きになっていたかもしれなかったです。

 ステップ3では、「言葉の相性」や「”状況”、”行動”、”変化”を文章で伝えるコツ」「一つの文に一つの要素」など、人の思考を意識して相手に伝えるための文章術を紹介しています。ここまで読み進めれば文章を書くことの意識も大きく変わっていると思うので、読み手に伝わりやすい文章を作成できること間違いなしです。

 ステップ4では自分の思いを文章で相手に伝える時はどうすればいいのかについて書かれています。ステップ4をマスターすれば文章作成はプロ級です。

 文章でのやり取りが主になった今、改めて文章作成の基本から学び直すと新しい発見がたくさんあるので、おすすめです。

連載一覧

コメント

筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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