システム管理に携わる人たちが語る。様々な話題満載のコラムをお届けします。
新しいビジネスモデルが登場すると、他の産業にまで影響が及ぶことがあります。例えばインターネットの登場により、ユーザーが読みたいニュースをオンデマンドで読めるようになったことで、紙面の販売とそこに載せる広告収入で収益を得ていた新聞業界は打撃を受けています。
新しいビジネスモデルの登場で影響を受けるのは組織だけではありません。組織と同様に実は、個人も周りの環境や経済の変化から影響を受けています。例えば、クラウドサービスが今後ますます普及すれば、インフラの構築や運用担当者の業務は変化する可能性が高いでしょう。
自分の価値は何なのか、何ができるのか?変化に対応し、キャリアをマネジメントするためには、一度自分の棚卸しをすることが大切です。本日ご紹介する『ビジネスモデルYOU』は、そんなシステム管理者の皆様にお勧めしたい一冊です。
内容紹介
「ビジネスモデルYOU」
著/ティム・クラーク、アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、訳/神田昌典
「あなた自身をビジネスモデル化」するキャリアガイドの新定番。人生を変える1ページメソッド。
自分の棚卸しの出発点として、まずは今の仕事における顧客は誰なのかを考えてみましょう。顧客とは、価値を受け取り、その対価としてお金を支払ってくれる人のことです。
例えば、組織の経営者や上司は、給与を支払うのを承認する立場の人たちであり、皆さんの収入に直接的な影響力を持つ顧客です。一方、直接お金を支払ってくれるわけではないかもしれませんが、皆さんの仕事によって価値を受け取っている職場の同僚も顧客に入るでしょう。皆さんの仕事がどう評価されるかは、特定の同僚のためにどれだけ役に立てたかで判断されるからです。加えて、会社の商品やサービスを購入し、利用してくれる人たちも顧客に入るでしょう。
2.与える価値は何か
客が誰なのかを洗い出したら、次に与える価値について考えてみましょう。顧客のどんなニーズを満たすことで役に立っているかは、自身のキャリアを考える上で最も重要なコンセプトです。
ここで注意したいのは、今行っている業務の視点に陥らないことです。例えば、「ネットワーク管理を提供している」「ヘルプデスクを提供している」というのは、顧客に価値を提供するための手段であって、与える価値そのものではありません。
ヘルプデスクによって顧客に与える価値は、顧客の問い合わせをさばくことなのか、それともITを活用した業務改善のアドバイスを提供することなのか。このように、顧客のどんなニーズを満たすために、どのような価値を提供しているのかを考えることは、仕事の価値の本質を理解する上で非常に役立ちます。自分は十分に価値を提供できているだろうか、より価値を高めるために何をすればいいだろうか、ぜひ考えてみてください。
3.ビジネスキャンバスを描いてみる
上記を棚卸しする上でお勧めなのが、本書で紹介されている「ビジネスモデル・キャンバス」を実際に描いてみることです。紙とペンと付箋紙を使って、張り出してみましょう。また、自分だけで考えるのではなく、周りの人からも意見をもらいながら進めると、より多くの気づきが得られます。部門やグループ単位の研修で取り組んでみるのも、おもしろいと思いますよ。
“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。
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