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システム管理者のためのBookCafe Vol 98 再発見の発想法
2021年8月27日 12:00

 

 本書はSoftware Designの2ページ連載を書籍にまとめたものです。
著者の結城浩さんは、技術書を多く手がけており、それらの多くは非常に読みやすく、難しい話を理解する助けになると、多くの技術者から指示されています。
 本書を選んだきっかけは、「技術用語を通して日常生活に新しい発想を得る」というテーマに惹かれたからです。ビジネスの発想を日常生活に活用しようとする例や書籍は多いですが、技術の発想を活用するという切り口が斬新だと感じ、ぜひ読んでみたいと思いました。

 

内容紹介

再発見の発想法

結城 浩 著
 

 技術者は日常的に技術用語を使って考え、問題を解決しています。技術用語の中には、技術者が長年培ってきたアイディアやグッドプラクティス、それに問題解決のエッセンスが凝縮されています。
 たとえば、技術用語としての「バッファ」は、データを生産するプロセスと、データを使用するプロセスの間に置かれた緩衝領域を意味します。この技術用語の発想を日常生活に適用するなら、私たちが使っている「財布」はバッファとしての役割を持っていることがわかります。さらに、いったん蓄積させることで価値を生み出すプリペイドカードにもバッファの発想が生きていることがわかります。
 また、技術用語としての「ボトルネック」は、システム全体のパフォーマンスを決定するポイントを意味します。システム全体のパフォーマンスを上げるためには、やみくもに改善するのではなく最初にボトルネックを見つける必要があります。会社の承認プロセスで、特定の人物が意志決定のボトルネックになることはよくあります。いくら他のメンバーががんばっても、ボトルネックになっている人物の承認速度を上げなければ、全体のパフォーマンスは上がりません。

 

 本書で取り上げる技術用語はプログラミング全般、アルゴリズム、セキュリティ、マルチスレッドなど多岐にわたります。このような技術用語の意味を知り、それを用いた技術者の発想を日常生活に適用させることで、業務の改善や学業の効率化、創造力の育成などに生かすことができるでしょう。
 技術者の発想に関心をもっている学生から社会人、発想力や創造力を高めたいと思っているビジネスマン、組織をうまく動かしたいと思っているリーダーなど、現代を生きるすべての読者にとって最適の読み物です。

SBクリエイティブ 紹介文抜粋)

 

 

Akinori’s Review

 冒頭に示した通り、本書は、技術者の発想を日常生活に活かす方法などを紹介する本です。最初は「そんな事が本当に可能なのだろうか」と半信半疑でしたが、読み進んでいくうちに、日常生活に活かせるものがあるな、という程度には納得していきました。
 例えば、最近のニュースでよく耳にする「指数関数的爆発」について、家族に説明する時、契約書類に小さく書かれた文字などで「難読化」された記載が無いか、注意して確認するようになった、等です。日常生活に活かせる「技術用語」は確かに存在します。
 もっと活用を実感するまで読み込んでいないのかも知れませんが、一方で、本書の技術用語について明快に書かれた解説を読み進むうちに、自分のなかでこれまであまり本質を理解せずに使っていると気付かされた点もあります。例えば、「フェイルセーフ」という技術用語についてです。
 「フェイルセーフ」とは、システムが壊れる時には、安全側に倒れるような設計を指します。このフェイルセーフにおけるセーフ-安全とは、システムが壊れた時に、どういう状態であれば、被害を食い止めた状態と言えるのかを定義する事だと言えます。そして、それを決めるのは結構難しいのです。この安全を定義することこそが「フェイルセーフ」な設計の本質と言える部分ではないかと感じます。
 たしかに、安全側に倒すとき、システムがどのように振る舞えば、安全と言えるのかは、システムの特性や状況によって異なります。システム管理の現場では、システムの特色に合わせたフェイルセーフ設計によって、被害を確実に食い止める方法が、システム管理者の尽力によって日々検討されています。
 また日常生活で考えると、災害とはシステムが壊れた状態そのものであり、堤防が決壊したとき、過度な人流となったとき、安全な状態を維持する上での対策と手順とが決められていることが重要となります。システムにとってどの状態が安全なのかは、熟考してしっかり定義する必要があるわけです。
 安心・安全という言葉を使う時、安全とは、システムが壊れた場合に、妥当かつ合理的な対処手順が確立されている状態を指しています。そのためには、前提として安全な状態が明確に定義されていなければなりません。そして、システムの安全性を評価するには、対象のシステムにおける安全の定義とは何かを、評価者の目線からしっかり把握する必要があるということ。そんな新しい視点を本書から得る事ができました。

 

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筆者紹介

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