システム管理に携わる人たちが語る。様々な話題満載のコラムをお届けします。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、システム管理者の会では、 組織で定例的に感謝の気持ちを伝え、活躍を表彰している活動を取り上げて、情報発信を行うことで「感謝の気持ちを広める」活動を広げています。実は、著者の近藤様は今年度アワード活動を取材させていただいた企業様に所属しています。(https://www.sysadmingroup.jp/activities/jbs/)
運用をビジネスにされていて、システム管理者を大切にされているな、と感じていましたが、たまたま手に取ったこの本が日本ビジネスシステムズ様の方が執筆されていて、縁を感じずにはいられませんでした。
本を早速開くと、本文に入る前に「運用項目一覧サンプル」が折りたたんで入っており、ニンマリとしてしまいました。業務運用、基盤運用、運用管理それぞれの運用項目、作業名、作業概要、作業頻度、役割分担が表になっています。それぞれの解説が何章にあたるかも記載されています。この部分で、非常に実務に即した本である期待を持てました。
システム運用業界では、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)がフレームワークとして有名で、この業界の方であれば一読された方も多いと思います。非常に体系的にまとまっており、参考になります。そもそも運用として、何を管理すべきか、成功事例を活用することができます。ただ、より具体的な作業、実務は各社で落とし込む必要があります。本著はこの落とし込みに役立つ、実務的な視点で語られています。日々、システム管理に携わる担当者が、具体的に設計すべきことは何か、何の作業をすべきか、作成すべきドキュメントは何かを記載しています。もちろん、各社それぞれの業務があるので、これが全ての正解ではありません。しかし、ケーススタディーとして十分に機能する内容となっています。
「何のため、ゴールは何か」を常に問いかけています。単なるノウハウ集でない本著の価値を感じます。定型作業、ルーティン作業と言われがちですが、実は運用の世界は「どうすればもっと良くなるかを考え続けることが大切」(本著より)な創造性もある仕事だと再認識させられます。
利害関係者との調整、合意、そのための業務フローの可視化、ルール決め等々、運用の観点で書いていますが、実はすべてのビジネスパーソンが使える業務フロー設計のノウハウにもつながると気づかされます。
基礎から学びたいシステム管理者はもちろん、ビジネスを設計していく方にも気づきを与えてくれます。
“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。
この本を読んだことがある方、読まれた方のご感想もお待ちしております!(⇒ぜひ、コメント欄にコメントをお寄せください☆)
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