システム管理者のためのBookCafe

Vol.31 センスは知識からはじまる

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
EMI’s Review
“センス”という言葉はビジネスでもプライベートでもよく使用されます。
デザインなどの美的感覚や感性について表現されることが多いですが、日々仕事をしていると、新しくユニークなアイディアを求められたことはどなたにも一度はあるかと思います。
常に進化を遂げてきたIT業界の裏にも、新技術のアイディアを生み出した人々の”センス”が大きく関わってきているのではないでしょうか?
今回はそんな”センス”について書かれた一冊をご紹介します。

 

内容紹介

「センスは知識からはじまる」
水野 学/筆
 
“センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。それは、さまざまな知識を蓄積することにより「物事を最適化する能力」であり、誰もが等しく持っている。
今、最も求められているスキルである”センス”を磨くために必要な手法を、話題のクリエイティブディレクターが説く!
(朝日新聞出版紹介文抜粋)

 

EMI’s Review

センスのよさとは

「センスのよさとは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。」と筆者は定義しています。

この数値化できないという部分が、多くの人がセンスは特別な人だけに備わっているものと誤解する原因かもしれません。

センスを良くするには、あらゆる物事の「普通」という感覚を大切にするべき、とのことです。「良いもの」と「悪いもの」の間の「一番真ん中」である「普通」を理解してこそ、センスの良いものを生み出すことができるからだとか。

また、この「普通」を知る唯一の方法が知識を得ること。センスとは知識の集積です。0(ゼロ)から何かを作るのではなく、過去に既にあるものを知識として蓄え、知識と知識を組み合わせて、「ありそうでなかったもの」を作り出していくことがセンスを磨く鍵となります。

 

効率よく知識を増やす三つのコツ

知識を増やしていく際は三段階のアプローチを意識すると良いとのことです。


①王道から解いていく

王道のものとは、「定番」「一番いいとされている」「ロングセラー」などと言い換えられます。王道のものは既に最適化されているので、王道を知ることでそのジャンルの最適化のプロセスを学ぶことができます。

王道を知ると同時に、数多の情報の中から、王道を探し出す過程でそのジャンルの知識を収集することもまた重要なことだと言えます。

②今、流行しているものを知る

逆に、今流行っているものを知ることも重要です。一過性のものではありますが、知識の幅が一気に広がっていきます。ただ、「流行っているもの」=「センスがよいもの」ではないことは大前提として理解する必要があります。

③「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

最後は自分なりの情報に精製するため、①と②で得た知識を自分なりの情報に精査するために、共通点や同じルールが他にないかを探してみることも重要です。

しかし、上記のアプローチで知識を集めるといってもただ収集すれば良いというわけではありません。センスの最大の敵は思い込みであり、これをベースとした情報を集めてもセンスは良くなりません。まずは、思い込みを捨てて客観的に情報を集めることがセンスを磨くことに繋がるのだそうです。

 

題名にひかれ、思わず手にとってみましたが、「センスがない」と諦めていた自分に、センスは知識によって磨かれるものだという本書を読み、勇気づけられました。

センスとは生まれながらにして備わった才能で特別な人だけ持っているものではなく、方法を知り、やるべきことをやり、時間をかければ、誰にでも手に入るものなのですね。

是非、本書を手にとり、ビジネスに活かして頂ければと思います。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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