システム管理者のためのBookCafe

Vol.145 快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Satoshi’s Review

皆さんは、普段、十分に睡眠をとれているでしょうか。
「しっかり寝たはずなのに昼間に眠くなる」「睡眠時間そのものが足りない」「休みの日につい寝だめしてしまう」――睡眠の悩みは人それぞれです。
そもそも、いまの睡眠に問題があると自覚していない方もいるかもしれません。何となく体調が冴えないのを年齢のせいだと考えている場合でも、実は睡眠が影響している可能性があります。
一方で、睡眠について調べても情報が多すぎて、何が正しいのか判断しづらいのが現状です。そこで、現代の睡眠に関する最新の研究知見が、わかりやすく整理された本書を手に取りました。

内容紹介

快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本
柳沢 正史(監修)
 

睡眠不足からくるパフォーマンス低下やメンタル疲労……etc.その悪影響は想像以上です。睡眠の不思議から、睡眠負債を解消する方法、ぐっすり眠るための環境の整え方まで、睡眠研究の第一人者による最新の睡眠科学がわかる一冊。

朝日新聞出版 紹介ページ)

 

Satoshi’s Review

深夜リリース、障害対応、時差のあるチーム連携――ITの現場では睡眠が削られがちです。しかし睡眠不足は単なる“気合い”で乗り切れる問題ではありません。
日中のパフォーマンスは確実に落ち、判断の遅れやケアレスミスが増えます。さらに認知機能の低下は感情制御にも影響し、自己中心的な意思決定や対人関係の摩擦を招きます。睡眠不足の影響は健康だけではなく、日本国内で年間約15兆円規模の経済損失とも推計されており、「寝ないこと」はコストそのものと言えます。

一方で、十分な睡眠は記憶力や創造力を向上させ、肉体的な回復まで支えます。学習効率、コード品質、レビュー精度、インシデント発生時の冷静さ――どれも“よく寝た脳”のほうが強い。
にもかかわらず「ショートスリーパーに訓練でなれる」という誤解は根強いですが、必要な睡眠量は基本的に先天的に決まっています。無理に短縮すると睡眠不足を自覚できないまま日々のパフォーマンスが下がっていきます。

本書では、こうした基礎知識を図解で分かりやすく説明し、実践しやすい手順で紹介しています。自分に最適な睡眠時間の見つけ方や、質の良い睡眠の定義、質を高める具体策まで、すぐ試せる取り組みが載っています。

睡眠は人間にとって“基盤インフラ”です。不安定な基盤上でアプリ最適化をしても上限は伸びません。まずは(1)起床時刻を固定する、(2)夕方以降のカフェインを控える、(3)就寝前1時間は強い光と情報刺激を避ける――この三点から始めてください。

睡眠は生活の基本であり、忙しいからこそ戦略的に質を上げることが、個人の成果とチーム、生産性、ひいては社会全体の利益につながります。
最近「疲れやすい」「若いころより調子が出ない」と感じるなら、その原因は睡眠かもしれません。先送りせず、今日から一つでも実装してみてください。まずは本書を手に取り、自分の睡眠を“基盤インフラ”として整えるところから始めましょう。

連載一覧

コメント

筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

この本を読んだことがある方、読まれた方のご感想もお待ちしております!(⇒ぜひ、コメント欄にコメントをお寄せください☆)

バックナンバー