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組織横断で取り組むIT資産運用プロセス構築 ~クラウド・仮想化環境の全体最適化、ガバナンスの獲得~ 第33回:DX時代は IT運用部門こそがセンターポジションだ!
2021年11月18日 11:00

今年も気が付けば残すところ僅か、あっという間の一年が過ぎようとしています。オリンピックの頃のコロナ感染者の増加が、運よくウィルスのDNAコピーの失敗から日本国内の感染者数が圧倒的に減少したのは日本人の日頃の行いが報われたのでは、と考えてしまうのは私だけでしょうか。奇跡とも思われる事態は発生するのだなぁ、と他国ではいまだに猛威を振るうコロナが、また国内にも発生するかもしれないと理解しつつも、暫くの間は少し心休まる人も増えてほしいな、と思う今日この頃です。コロナ禍での日本に起こった奇跡とは裏腹にITの現場、特に運用現場ではコロナ禍でリモート対応のニーズや、それに伴うセキュリティ対策などで大忙しの人も増えたのでは… あるいは、運用現場は相変わらず次から次へと発生するトラブルに対応する消火活動に追われる日々を送っているのでしょうか。今回は、クラウド化、DX、ポストコロナなどデジタルビジネスにおけるITとIT運用の重要性についてお話しし、日々苦労している運用者へ少しだけエールをお送りします。

選択肢が増え、俊敏性、柔軟性が要求され、
ますます複雑化するIT環境はガバナンスコントロールが最重要課題となる

コロナ禍において要求されるリモートへの対応や、非対面処理の要求への対応など、ITへの期待はますます高くなり、スピードや俊敏な対応性、柔軟性が求められ続けている。柔軟性や俊敏性はITのテクノロジー的には複雑化の一途をたどり、ユーザーに対しての複雑性隠ぺいのためにサービス化(クラウド化)はますます加速している。そんな中で、IT運用の現場では理解されているが、経営レベルでは理解されていない事実がある。
この数十年という間、IT環境は開発を上流、運用を下流として、なんとか下流で帳尻を合わせろ、という無理難題に運用部門の人たちが気合と根性で対応するという精神論まるだし、「巨人の星」さながらのドラマが展開してきた。あたかも優秀な開発者はやり放題で、それを支援するために運用者がどぶさらいをするのが当たり前であるかのようにだ。
しかし、テクノロジーが発展し再利用やアジャイル開発などでスター選手の開発者や天才はいらない時代がやってくる。開発自体がどんどん減少し、コンテキストベースの開発は皆無、自社の特別な要件に特化した部分や、あるいはインターフェースぐらいしか変化の必要はない。ところが、新しいサービスのリリースなどは既存のサービスの組み合わせなど、運用レベルで新サービスのリリースに近いことまでできるようになる。しかも、社内のリソースではなく、既存のサービスの組み合わせにインターフェースに少し手を加えるぐらいでだ。複雑化したIT環境や利用可能なサービス(クラウドサービスなど)を正確に把握し、これらの組み合わせをテクノロジーや使用許諾レベルでの構成状態を把握し、契約条件などにおいてユーザーへ提供するSLAや整合性を担保できるのは誰か?
ITサービスライフサイクルの中心で、組織横断的なステークホルダーをまとめ、経営企画/IT企画とともにすべてのIT資産をコントロールし、ライフサイクルという還流の中で上流と下流を結び、ITサービスの品質のコントロールをつかさどるのはIT運用部門の優秀な人材のほか誰もいない。
もちろん、これらの要件からIT運用部門に求められるケイパビリティや要求はより一層高くなる。その一方で、ITの品質をコントロールするセンターポジションとしてITコストの80%以上を占めると言われている運用こそが次世代のIT優位性を組織に獲得する、という理解がされる日がくるだろう。

「とりあえず費用をかけずに、人手でできるところは社内のリソースでやっておけ…」- 労働集約的。IT部門のIT化が最も遅れている。

「ITベンダーを呼んで、やらせられることはやらせろ…」- 丸投げ。コンプライアンス、ガバナンスのコントロールできるのか?

「自動化ツールはコストが高すぎるだろ。後ろ向きな費用なんだからコストを抑えろ…」- 安物買いの銭失い。井の中の蛙がグローバル市場で戦えるのか?

「なんでいい人材がIT部門にはこないんだ?」- 若い人はブラックな職場は好まない。

・・・果たしてこのような事態を経営はどれだけ本当に理解していない、のだろうか?
もちろん、臭いものには蓋、見て見ぬふり、など「あと数年で引退するから静かに終わらせてくれよ…」という気持ちは理解できるが、負の遺産をいつまで我々は黙認すべきだろうか。

経営層の理解を得るために我々は何度も挑戦してきた。そして何度も煮え湯を飲まされた。コストを抑えなければならないことは理解できる、だが、上流で無駄なコストを使って、下流でコストをかけずにどうにかしろと言われても、結局は、誰かが気合と、根性でどうにかするしかないのか…ということになる。もっと、上流で下流の運用管理も考えた上で設計や契約をしてくれたら、どれだけ運用管理がコントロールしやすいだろうか。(ITSM のライフサイクルマネジメントを考えれば当たり前のことだが、実際は・・・)
しかし、そのような我々の願いは「運用者の愚痴」ととらえられてきた過去がある。私はこの30年、必ず運用こそがITのセンターという重要なポジションになると考えてきた。それはITマネジメントに携わってきたからだけではない。自己修復や完全な垂直統合サービス化にたどり着くまでは複雑化は一層進む。複雑化したIT環境でスピードを出して起伏の激しい道のりを変化に対応して乗り切るには、コントロールが最も重要な能力になる。そのコントロールは運用者以外に誰が提供できるだろうか?
いずれは経営層もそれを理解するはずだが、それまでは我々は言い続けなければならない。
トランスフォーメーションは、文化革命を伴う。そして、IT運用現場の、その革命の主人公は我々運用者なのだから。

 

 

ベンダーマネージャの社内育成とアウトソーシング
グローバル市場では、特定のベンダーに特化したベンダーマネージャのアウトソーシングサービスやコンサルテーションなどが多数存在しています。特にOracle社の契約は複雑で、専門的知識が要求されますので、この分野の専門コンサルティング会社の増加が顕著です。しかし、サービスの品質はまちまちですので注意も必要です。

これらの課題を経営層に対して理解を促し、現場の取り組みを支援する組織としてベンダーマネジメントの啓蒙から教育、ベンダーマネージャ同士の横の繋がりをもって、より良いベンダーとの関係性を構築するためのパートナー戦略や、契約交渉力を身に着けるために「一般社団法人 日本ベンダーマネジメント協会」(https://www.vmaj.or.jp)が発足されました。
日本ベンダーマネジメント協会では「Oracleライセンスたな卸しサービス」などもグローバル市場のOracle専門コンサルティング会社との連携サービスなどをご紹介しています。自社のOracleライセンス契約の状態に不安がある方は、日本ベンダーマネジメント協会に問い合わせることをお勧めします。

日本ベンダーマネジメント協会では、ベンダーマネージャ育成や、新時代に求められるVMOの定義を可能とする「ソフトウェアライセンス契約管理講習:SLAM(Software License Agreement Management)」(https://www.vmaj.or.jp/archives/member)(Oracleライセンス契約管理オプションあり)を、 VMOやSLO管理ツールの運用アウトソーシングのためのRFP策定の定義の教育などを講習としても提供していますので、ご利用ください。

運用研究レポート
組織横断で取り組むIT資産運用プロセス構築 ~クラウド・仮想化環境の全体最適化、ガバナンスの獲得~
デジタル トランスフォーメーションへの期待が高まるなか、大手企業の IT部門への期待はますます高まっています。その期待に応えるためには今まで以上に IT環境のガバナンス、コントロール、セキュリティ対策などの成熟度が求められます。 ますます複雑化する ITインフラに対して、どうすれば成熟度を高めることができるのか? 欧米の大手組織では、その鍵は「全ての IT資産のコントロールである」として取り組みが進んでいます。 本シリーズでは、「IT資産運用プロセス」という組織全体で取り組むべき業務プロセスの設計やガバナンスの獲得により、「IT環境の全体最適化」を最終ゴールとして解説していきます。
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筆者紹介


武内 烈(たけうち たけし)
1964年生まれ。
一般社団法人
日本ベンダーマネジメント協会
代表理事
ITIL Expert、IAITAM認定講師


IT業界では主に外資系ソフトウェアメーカにおいて約25年間の経験を持つ。
技術的な専門分野は、ネットワークオペレーティングシステム、ハードウェアダイアグノスティック システム、ITマネジメントと幅広い。大手外資系IT企業ではプロダクトマーケティングスペシャリストとして、ITマネジメントの分野で、エンタープライズJavaサーバー(WebLogic、WebSphere)、SAP、Oracle、ESB(Enterprise Service Bus)などからWeb Serviceテクノロジーまでの管理製品を手掛ける。
IT 資産ライフサイクル管理プロセス実装のためのAMDB・CMDB 製品開発プロジェクト、データセンターのCMDB およびワークフローの実装プロジェクト、IT資産管理(クライアント環境) MSP のサービスプロセスの開発・実装プロジェクト(CMS/サービスデスクを含む)、ライセンス管理のためのSAMプロセスおよび自動化テクノロジー (CMS/サービスデスク)の設計・実装プロジェクトなど多数のプロジェクト経験を持つ。
IT資産管理のポリシー、プロセスを、どのように自動化テクノロジーに結び、ITサービス管理戦略やロードマップとの整合性を取りながらIT資産管理プログラムを実行性の高いものにしていくのかのコンサルティングを得意とし、大手組織におけるIT資産管理プロセスとサービス管理プロセスの統合プロセス設計、自動化設計、実装プロジェクト、IT資産管理プログラムの運用教育の実績多数。

 

【ホームページ】
一般社団法人
日本ベンダーマネジメント協会
www.vmaj.or.jp/

 

【情報】
Twitter@VMA_Japan
twitter.com/VMA_Japan

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