- 目次
- 2025年の漢字は「熊」
- 2025年の漢字について
- カスペルスキーとグリーンベア
- 世界と日本で異なるセキュリティソフト
- パンダロスとパンダなソフト
- 「PostPet」を知っていますか?
- 2026年にクマ騒動は終息するか
2025年の漢字は「熊」
昨年、毎年末恒例の流行語大賞や2025年の漢字が発表されました。流行語大賞は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」、昨年の漢字は「熊」です。流行語大賞トップ10には、「エッホエッホ」「ミャクミャク」のように画像やキャラとセットの流行語があることが今風です。そして、昨年の漢字である「熊」(*1)。流行語大賞にランクインした「緊急銃猟/クマ被害」、そして「パンダ返還からのパンダロス」などしかありませんが、「熊/クマ」をテーマに語りたいと思います。
2025年の漢字について
毎年選ばれている「今年の漢字」(*2)ですが、最も選ばれている漢字は「金」になります。オリンピックイヤーには「金メダルラッシュ」を理由にほぼ毎回選ばれているようです。
歴代の「今年の漢字」
2025年: 熊(クマの出没、パンダの返還など)
2024年: 金(大谷選手・オリパラでの活躍、物価高、闇バイト問題など)
2023年: 税(増税議論、増える観光客、物価高など)
2022年: 戦(ロシアのウクライナ侵攻、円安、スポーツでの「戦い」など)
2021年: 金(東京オリンピック・パラリンピックでの金メダルラッシュなど)
2020年: 密(コロナ禍での「3密」など)
2019年: 令(令和への改元)
2018年: 災(西日本豪雨、北海道地震など)
2016年: 金(リオ五輪での金メダル、ポケモンGOなど)
カスペルスキーとグリーンベア
クマといえば、IT業界でいえばセキュリティソフトのカスペルスキー社のグリーンベアです。
カスペルスキー社については、第拾八夜 ロシアのウクライナ侵攻で悩む管理者の夜でも紹介いたしました。
カスペルスキー社は、ロシアに本社を持つ有名なサイバーセキュリティ製品とサービスセキュリティの提供会社ですが、2024年6月に米国商務省が米国内での販売・供給を禁止しました。これは、米国政府が同社製品は国家安全保障に「許容できないリスク」をもたらすと判断したためです。日本国内では、個人利用を含め現時点(2025年12月時点)で法的な使用禁止措置はありませんが、一部の大手企業はリスクを考慮し、カスペルスキー製品の利用停止や取引中止を検討・実施しているようです。
管理者A「カスペルスキー、まだ使っている」
管理者B「切り替えたいんだけど、Defenderにすると運用負荷が…」
管理者A「米国で禁止されたし、変えるしかないのは分かるんだが」
管理者B「確かに。ポリシー設定やログ管理が増えるし、EDR機能(*3)もちゃんと使うなら教育計画も立てないと」
管理者A「そっちでは教育って、どのレベルまでやる?現場担当者に基本操作だけ教えるのか、インシデント対応まで踏み込むのか」
管理者B「最低限、アラートの見方と隔離対応は必須だな。あと、誤検知の扱いも」
管理者A「誤検知! 毎回それで騒ぐヤツが多いんだ。となるとヘルプデスクとの連携も必要か」
管理者AB「(あー、またお金がかかる。ただでさえ成果を出せと無理難題を言われているのに)はぁ」
機能としては一級品なのですが、政治的/地政学的に使用に対してアラームがあがり、苦戦しているようです。とは言っても別製品は別製品で導入は面倒なのです。
【参考】カスペルスキー社
(https://www.kaspersky.co.jp/)
世界と日本で異なるセキュリティソフト
カスペルスキー繋がりで、セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)について説明します。セキュリティソフトは、ウイルスやマルウェア、フィッシング詐欺などからPCやスマホを守るソフトウェアです。代表的な会社は、ノートン、トレンドマイクロ、カスペルスキー、マカフィー、ソースネクスト(ZEROシリーズ)などが有名です。
世界のシェア(消費者向けセキュリティソフト)
| 順位 | 社名 | シェア率 |
| 1位 | ノートン (NortonLifeLock/Symantec) | 約13.16% |
| 2位 | アバスト (Avast) | 約12.69% |
| 3位 | ESET | 約11.45% |
上記の図表は個人向けなのですが、法人企業ではMicrosoftがトップシェア(Microsoft Defender for Businessなど)であり、また日本市場ではトレンドマイクロ(ウイルスバスター)が長年トップシェアを維持しています。このグローバルな世の中で、日本でのみシェアを広げている製品を使っていいのかどうかの判断は、消費者に任せます。日本独自のウィルスに強いらしいのですが、よくわかりません。
パンダロスとパンダなソフト
パンダの中国返還も、昨年の漢字「熊」に影響を与えたのですが、2025年12月20-21日の朝日新聞の調査(図表54-3)によりますと、パンダの再来訪に対する政府のアクションは必要なし、との回答が多いようです。パンダの実物を見ないと満足しない昭和時代から、ネット経由で閲覧すればOKの令和世代へのシフトなのでしょうか。
また、パンダといえばパンダセキュリティ(Panda Security)という会社もあります。スペイン発祥のセキュリティソフトウェア企業で、アンチウイルスソフト「Panda Dome」や、企業向けのクラウドベースセキュリティソリューション(EDR、暗号化、パッチ管理など)を提供しています。PCへの負荷が少ないクラウド型技術(コレクティブインテリジェンス)が特徴で、ウイルス検出・防御、VPN、パスワード管理、ペアレンタルコントロールなど多機能で、高い評価を受けています。
【参考】パンダセキュリティ社
(https://www.pandasecurity.com/)
「PostPet」を知っていますか?
クマでピンク、そしてメールを運ぶものと言えば、PostPetです。1997年に人気を博した、ピンクのクマがメールを運ぶというコンセプトのメールソフトとそのキャラクターです。
【参考】So-netのPostPet
(https://www.so-net.ne.jp/postpet/)
PostPetはSonetで提供していたサービスで、単なるメールソフトではなく、パソコンの中にペット(クマ、カメなど)を飼い、お世話をしたり、ペット同士で交流させたりする育成・コミュニケーション要素が特徴で、電子メールの普及にとても貢献しました。
主な機能としては「メール配信機能」「ペット育成機能」などがありましたが、既にサービスは終了しています。でも、1990年代にすでに愛玩メールソフトがあったとは、さすが世界のSonyです。
このPostPetは現在のUI/UXにも通じるポイントがあります。
1.単なるメールソフトではなく、「ペットを飼う」という体験を提供
2.ペットの育成や報酬、成長というゲーミング要素
3.飼い主同士で、SNSのような交流が可能
4.メール送信という機能を、「クマが手紙を運ぶ」というメタファーで理解させる
5.ピンクのクマというインパクトのあるキャラクター
他にもあると思いますが、UXデザインの見本ともいえるのではないでしょうか。
2026年にクマ騒動は終息するか
今回は、「熊」や「パンダ」のネタをいろいろ書き綴ってみましたが、いかがでしたでしょうか。1月には鈴木福が闇バイトとなってヒグマとバトルする「ヒグマ!!」が公開されますし、もしかしたら「がんばれベアーズ」(*4)や映画「ted」(*5)がリメイクされるかもしれません。
【参考】映画ヒグマ!!の公式HP
(https://higuma-movie.jp/)
では良き眠りを(合掌)。
「聖人? 俺はただの気弱な平和主義者(パシフィスタ)だ」by バーソロミュー・くま(ONE PIECE)
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- 商標について
*1 昨年の漢字第一位「熊」は23,346票を集め、第二位「米」の差は180票だったそうです。三位は「高」四位以下「脈」「万」「変」「博」。
*2 今年の漢字は、その年の世相を表す漢字一文字を原則として12月12日の「漢字の日」午後2時に、京都府京都市東山区の清水寺で発表することになっています。1995年「震」から始まり、1999年は「末」、2003年「虎」などがあります。
*3 EDR(Endpoint Detection and Response)機能とは、PCやサーバーなどのエンドポイント端末を常時監視し、マルウェア感染やサイバー攻撃の兆候を検出(Detection)し、管理者が対応(Response)できるように支援するセキュリティ機能。アンチウィルスとの違いは、脅威の検出・防止だけでなく、脅威発覚時の隔離や調査なども行えることに特徴があります。
*4 「がんばれ!ベアーズ」は、1976年に公開されたテイタム・オニール主演の映画やドラマ(ドラマ版では、キャスト一新)。1978年の「がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-」は日本が舞台で「オールスター家族対抗歌合戦」「vsアントニオ猪木」などあったらしいです。
*5 「ted」は2012年のアメリカ映画。日本では2013年1月18日にR15+指定で字幕版と日本語吹き替え版が公開。
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筆者紹介
大手IT会社に所属するPM兼SE兼何でも屋。趣味で執筆も行う。
代表作は「空想プロジェクトマネジメント読本」(技術評論社、2005年)、「ニッポンエンジニア転職図鑑』(幻冬舎メディアコンサルティング、2009年)など。2019年発売した「IT業界の病理学」(技術評論社)は2019年11月にAmazonでカテゴリー別ランキング3部門1位、総合150位まで獲得した迷書。




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