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品川海外システム運用研究会 第6回 Green Computingが導く技術革新
2011年1月26日 19:55

「コンピューター(IT)のグリーン化」は、我々のビジネスにとって、単なる環境への配慮だけではなく、コスト削減という意味でも低リスクで取り組める方法である。近年のビジネストレンドとして大きく成長してきた分野だ。

以下は、ガートナー社によって発表された、今後注目すべき10の戦略的ITテクノロジーである。

1.クラウドコンピューティング

2.新たな高度分析ツール

3.クライアントの仮想化

4.ITのグリーン化

5.データセンターの再構築

6.ソーシャルコンピューティング

7.アクティビティモニタリング

8.フラッシュメモリ

9.可用性のための仮想化

10.モバイル

 

Green ITGreen Computing と呼ばれ、日本でもすっかり定着しつつある「コンピューター(IT)のグリーン化」は、2007年頃よりベンダー主導で進められてきた。過性のブームでは終わらずに、今なお注目され、戦略的テクノロジーに名を連ねている。

前述の10のテクノロジーのなかでも以下のキーワードについては、Green Computingとも深く関わって語られることが多いのではないだろうか。

 

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングは、プロバイダーがさまざまなITの能力そのものを利用者へ提供するというコンピューティング・モデルである。クラウド・リソースを利用することでITソリューションのコストが不要になることはないが、各ITコストの配分を変え、その削減が可能になる。

クライアントの仮想化

仮想化は、クライアント・コンピューティングのアプリケーションと機能をパッケージ化する新たな環境をもたらす。その結果、PCハードウェア・プラットフォームの選択、最終的にはOSの選択も、以前ほど重要ではなくなってきた。今後は、多様性に対応する管理とセキュリティのプランへのアプローチを全体像として定義していく必要がある。

データセンターの再構築

従来のデータセンター構築は、自社が保有するものから1520年先を予測して見積もり、構築するというものであったが、近年新たに構築されているデータセンターは、57年程度先の短いスパンで必要とされる完全な電力供給とUPS (無停電電源装置) によるバックアップ、水冷・空冷システムを併せて運用するポッド設計によって構築されている。その結果、ほとんどの企業のIT支出において大きな部分を占める運用コストを削減することで、その分の資金をITや社内の他部門のプロジェクトや投資対象へ回すことが可能になる。

可用性のための仮想化

ここ数年間、戦略的テクノロジーのトップに入り続けている仮想化だが、可用性を維持する為の仮想化、例えば「ライブ移行」が注目されている。このテクノロジーの鍵は、共通のメカニズムを使いながら必要に応じて迅速に設定変更できるところにある。そのため、これまでの高価な高信頼性ハードウェアも活かしながら高可用性に対応できることになる。つまり、コスト削減や複雑性の軽減、ニーズの変化に合わせた即応性の強化に繋がる。

 

それでは、テクノロジーの先端を行く各企業はこれらの最先端技術とGreen Computingとをどう位置づけて取り組んでいるのか見ていきたい。

 

RedHatのGreen Computing

間もなくのリリースを控えたRed Hat Enterprise Linux 6 では、数々のGreen IT に特化した機能を最も電源効率の良い環境を生み出すべく提供している。消費電力を減らす設計、パワーマネジメントの強化や仮想化とクラウドコンピューティングを見据えた改良である。

MicrosoftのGreen IT

早くからGreen ITをうたってきたMicrosoftは、Windows2008Windows7のリリースから更にGreen ITに力を入れてきている。OSのパワーマネジメントやHyper-Vといった仮想化技術、データセンター運用の効率化などが挙げられる。

HPのGreen Business

HP社はITインフラからコンサル、PCやプリンターの製造まで幅広く提供する企業であるが、それゆえにハード面からソフト面までもGreen ITの分野を牽引してきたといっても過言ではない。

まず2010年の目標として、HPの運用および製品の双方において温室効果ガスを2005年度よりも25%削減することを掲げている。

PCやモニター、サーバー、プリンターにおいての電力効率化、パッキングへの配慮やリサイクル・リユースが行われている。PC、プリンターにおいてはカーボンフットプリント(*)計算ができるようになっており、一般消費者へのCO2削減の「見える化」を提供している。データセンターサービスにおいても省電力化やまた、これらのポリシーは代理店に対しても適用され、管理が徹底されている。

 

代表的な3つの企業での取組みを挙げてきたが、やはりHP社はホームページにおいてもGreen Businessへの取組みを示すページが多く、CO2削減に対するコミットメントやポリシーが明確に打ち出されている。

また、3社やその他の企業で多く見られるのが、データセンターの効率化、仮想化技術、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアによる省電力化、電力管理の技術が適用されていることであろう。

データセンターの再構築、仮想化技術、パワーマネジメントの分野は、Green IT
という観点からも今後注目のテクノロジーといえる。

 

(*) カーボンフットプリントとは・・・二酸化炭素(CO2)を可視化するため、企業が自社製品に温室効果ガス排出量を表示する制度。

 

参考:

HP Eco
Solutions
HP社のエコ・ソリューション)

http://www.hp.com/hpinfo/environment/index.html

Gartner(ガートナー社発表「10の戦略的テクノロジーについて」)

http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1210613

Red Hat
Enterprise Linux 6: Green Computing Features
RedHat News より)

http://press.redhat.com/2010/05/25/red-hat-expands-green-computing-features-in-red-hat-enterprise-linux-6/

Microsoft
Environment

http://www.microsoft.com/environment/default.aspx

品川海外システム運用研究会
品川港南口桟橋ちかく。 頑張れば東京湾を見渡せる、とある会社の会議室で、東京湾の向こうに広がる太平洋と世界に思いを馳せ、海外のビジネス市場でどのようなITシステムがトレンドとなっては廃れていくのか、またそれらを支える技術はどんなもので、私たちの生活やビジネス環境はどう変わっていくのかを、海外システムに興味を持つ営業やマーケティング、技術者が集まり、夜な夜な熱い論議を交わします。 たまにはビールを片手に。 その論議を経たレポートを、海外システム通信としてシステム管理者の会ポータルサイトで公開! 海外に出張しているシステム管理者の方が、「現地ではこうだよ。」なんてコメントしてくれたらいいなと期待しつつ、皆様にお届けいたします。
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