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品川海外システム運用研究会 第4回 SaaS型ビジネスモデルと課金システムについて
2010年12月14日 19:55


アプリケーションもミドルウェアも、使った分だけ払う時代がやってきました。

SaaSが盛んに叫ばれるようになり、今まで一括販売だったハードウェア/ソフトウェアの契約形態は、サブスクリプション(定期購読)型課金モデル(”pay-as-you-go model/ pay-per-use model“)へと変わっています。

各種ソフトウェアやハードウェアベンダーは、SaaS型ビジネスモデルへの転換を求められています。ベンダーにとってみると、初回契約を取りやすくなり、長期的に安定収入は得られるなどのメリットもありますが、利用し易い反面解約リスクを伴う先行投資型のモデルケースになることも懸念されます。

 

インドではIT企業がSaaS型ビジネスを次々と開始

20105月に掲載された記事で、インドで2番目に大きいITコンサルティングサービス会社であるInfosysは、製品販売ベースの料金体制を脱し、利用時間や利用量によるまたは成果報酬型の課金モデルの料金体制への変換に乗り出したことを発表しました。

CEOであるSenapathy Kris Gopalakrishnanによると、ここ半年の間にも既に十数の会社がこういった課金モデル型を採用し始めているとのことです。競合企業であるTata Consultancy Services (TCS) 社や Wipro社でも似たビジネスモデルを採用し、利用コストを下げたいユーザへの売り上げを伸ばしているようです。

課金モデル型のビジネスモデルでは、利用企業が少ないうち、ベンダーは初期投資が多く痛手を負いますが、利用社数が増えてくると少しずつ売り上げを伸ばしていくことができます。 

その際はプラットフォームは他社とシェアすることが大事だとGopalakrishnanは言います。クラウドの特性を活かし、他社とプラットフォームをシェアして初めて、自社サービスの利益率を保つことができるということなのでしょう。

アドビ社も、画像や写真の編集ツールであるPhotoshopの利用ユーザ向けに、利用時間に応じて課金を行うサービスをインドで始めました。これを通じて、今までのライセンス体系では購入できなかった新興国での利用を伸ばすことが期待されます。

 

インドのSaaSビジネス企業の急成長

インドでは、SaaSのマーケットが急速な成長を見せています。

アプリケーションの世代を超えて、一気にSaaS世代へと突入しようとしており、Wipro, Infosys, Tatas といった、インドの大きなIT企業を中心にSaaS関連のサービスを提供し始めています。

関連記事からも、インドの急成長ぶりが伺えます。

インドはアジア太平洋のSaaS市場で最速の成長をしており、2007年にUSD $27,000,000 に達していたインドのSaaS市場は、2010年にはCAGR(年平均成長率)77パーセントのUSD $165,000,000 に達すると言われている。

インドは、最先端のテクノロジーを取り込むことで成長を加速させており、そういった背景から、アドビ社がソフトウェアの課金利用サービスを、インドで始めたこともうなずけます。

 

課金モデルは利用者の幅を広げる

SaaSによる課金モデルの魅力のひとつは、インドの例のように、資金が少なく大規模な投資ができない新興国の中小企業や一般ユーザもサービスが利用できるようになることです。

同様に、新規投資が壁となって、ASP/SaaSの新事業に踏み出せない企業にとっても、低コスト・短納期での市場参入ができるようになるなど、サービス提供企業がターゲットを拡大するのに大変有効と言えます。

ソフトウェアの使用形態が「所有型」から「利用型」へと変化するにあたり、その他に検討しなければならない点として、

①対面販売からWebマーケティングへの販売方法の転換

②保守やサポートの電話・メールによるリモート対応

③トライアル環境の提供

④ユーザ企業のセルフ導入を推進 

などが考えられています。

抜本的なビジネスモデルの転換を必要とされるため、各ソフトウェアベンダーは対応を求められることになるでしょう。

 

参考:

インドでのアドビの課金モデル:

http://timesofindia.indiatimes.com/tech/news/software-services/Adobes-pay-per-use-model-in-India/articleshow/6053533.cms

Infosys Technologies Limited のホームページ:

http://www.infosys.com

Infosys が課金モデルのITサービスに対し大きな賭けに出た:

http://www.theoutsourceblog.com/2010/03/infosys-bets-big-on-pay-per-use-model/

SaaSでインドはアプリケーション世代を飛び越えた:

http://www.informationweek.in/Cloud_Computing/10-07-14/With_SaaS_India_has_the_opportunity_to_skip_a_generation_of_applications.aspx

品川海外システム運用研究会
品川港南口桟橋ちかく。 頑張れば東京湾を見渡せる、とある会社の会議室で、東京湾の向こうに広がる太平洋と世界に思いを馳せ、海外のビジネス市場でどのようなITシステムがトレンドとなっては廃れていくのか、またそれらを支える技術はどんなもので、私たちの生活やビジネス環境はどう変わっていくのかを、海外システムに興味を持つ営業やマーケティング、技術者が集まり、夜な夜な熱い論議を交わします。 たまにはビールを片手に。 その論議を経たレポートを、海外システム通信としてシステム管理者の会ポータルサイトで公開! 海外に出張しているシステム管理者の方が、「現地ではこうだよ。」なんてコメントしてくれたらいいなと期待しつつ、皆様にお届けいたします。
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