システム運用を語る、ITILの活用

第1回 なぜ今ITILか?

概要

ITシステム運用のベストプラクティスとされ、今話題の「ITIL」について、お客様の現状や取り組み、事例などを踏まえ、その活用のための各種情報をご提供します。

ITシステム運用に注目が集まる昨今、ITIL(IT Infrastructure Library)というキーワードを抜きにして運用を語ることはできません。ITIL自体は1980年代後半に英国で誕生したフレームワークであり、改版を繰り返しながら現在に至っています。日本では、ITILに基づくITサービスマネジメントという考え方を広めることを目的とした非営利法人(NPO) 、ITサービスマネジメントフォーラム(it SMF)の日本法人が2003年に設立され、メディアやベンダ各社が取り上げはじめたことから、急速に知名度が上がりました。現在、日本では3冊のITIL書籍が翻訳され、販売されています。

ITILはシステム運用における「ベストプラクティス」とされています。ベストプラクティスとは、今までにITサービスマネジメントを実現するために実施された各種プロセスにおいて、「最もうまくいった手法」を集め、体系的に整理したものといえます。実際に、私どもがお客様と「運用改善のプロジェクト」を推進していく中で、問題の洗い出しから、分析、解決へのアプローチを行なっていくと、ITILに記述されているプロセスに重なることも多々あります。このことからもITILの書籍はITシステム運用に関する各プロセスを非常にうまくまとめたものであるといえます。

ITILの各書籍に目を通された皆様はどのような感想を持たれたでしょうか。ITILに記述されている各プロセスは「既に自社内で実施している」、「参考になる」、「こんな細かいことはできない」といった感想もあるかと思います。詳細な部分においては、ITILに記述されている内容と、実際のITシステム運用の乖離も考えられます。

私どもは、ITILはITシステム運用の教科書ではなく、あくまで参考書としてとらえることが重要と考えています。世間一般で言われているような「ITILの導入」ではなく、「ITILを活用」することこそが、本来の目的である「ITシステム運用改善」、「ITサービス品質の継続的な向上」実現への近道であるといえるのではないでしょうか。ITILの活用においては、あくまでも現状のITシステム運用を「基本」とし、運用改善を行なう際に、問題があると考えられるプロセスをITILと比較、評価し、分析から改善する際に、ITILを活用する。このような活動が重要だと考えています。

ITILは、ISO9000シリーズやISMSなどに代表される、マネージメントシステムのひとつとして捉えることができます。マネージメントシステムにおいては、その要求事項に合致したプロセスを実施していることを第三者が証明する、第三者認証制度と切り離すことはできません。ITILの今後の展開として、ITサービスマネジメントの第三者認証規格として存在する「BS15000」規格を取得することが考えられます。さらに、早ければ年明けにも国際標準規格ISO 20000として整備されることが予定されています。これは認証された企業(部門)のITシステム運用(ITサービス)が第三者に認められることを意味し、ビジネス的にも大きなアドバンテージを持つことになります。また、最近の話題である日本版SOX法への対応においてもITILの活用が有効であるといった紹介もなされています。

このように、ITシステム運用を取り巻く流れとは、ITILをひとつのスタンダードとして動きはじめています。
今後、お客様のITILを活用した運用改善プロジェクトのへ取り組みや、第3者認証制度などの動向などを掲載していきたいと考えております。ご期待ください。

BS15000:British Standard 15000 ITサービスマネジメントのおける英国の第三者認証規格
ITILはOGCの登録商標です。

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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ 

運用コンサルテイングチーム 藤原達哉

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