システム管理者の育児休暇_パパ編

第4回 育休中の心境変化あれこれ

概要

企業のシステムを支えるだけが仕事ではありません。
今や家庭内でも大活躍!
システム管理者であり2児の父でもある30代男性の2度目の育児休暇をレポートします。

 

目次
はじめに
育児について
学びについて
遊びについて
おわりに

はじめに

前回のコラムでは「育児の負荷を公平にすること」、「リスキリング(学び直し)によるスキルアップ」、「遊び時間の確保」が実現できたことについて書きました。
今回は前回と同じテーマですが、感情面にフォーカスして書いていきたいと思います。いつもよりほんの少しだけシス管要素強めになっています。笑

 

育児について

出産直後、子どもの呼吸状態が良好でなかったためNICU(新生児集中治療室)に入ったと連絡を受けました。初めて会った我が子は保育器の中でたくさんのチューブやケーブルに繋がれた状態で、かわいいなどと感じる余裕はありませんでした。コロナ禍の最中だったこともあり面会は出産直後の30分だけで、その後は退院まで面会不可でした。

妻子が退院するまでの1週間はしばらくないであろう1人生活を満喫しようと思い、毎日のように友達と遊んでいました。このとき、親としての自覚は皆無でした。笑

そして迎えた退院の日。私の育児の始まりです。ミルク、着替え、おむつ替え、お風呂、寝かしつけなどを楽しくはやっていましたが、なんとなく作業としてこなしているだけで親になった実感はほとんどなかったです。

自分が親になったのだと本当に感じ始めたのは生後2ヶ月のころです。子どもがうつぶせで寝た状態から顔だけを持ち上げられるようになったのを見たとき、不覚にも涙が流れました。呼吸不全でNICUへ入ったと聞いたときから「大丈夫かな?本当にちゃんと成長していくのかな?」とずっと不安でしたが、たくましく育っている姿を見て不安が払拭できた安堵の涙でした。ほっとしたのと同時に親としてしっかりしていこうという自覚が芽生えました。

その後も寝返り、ずりばい、はいはい、初めての離乳食など順調に成長していく様子を近くで見ることができて、子どもへの愛が深まりました。子どもの方も常に近くにいてくれる両親を信頼していったことと思います。

もし自分が育休をとっていなかったら子どもの成長をじっくりと見守ることは難しく、親としての実感も希薄なままであっただろうなと思います。両親がしっかりと育児に関わることは親としての自覚を強くしたり、親子の絆を深めたりする上でとても効果的だと感じました。

 

学びについて

TOEICやPython試験の勉強だけではなく、ITを使った生活の効率化という実践的な学びにも取り組みました。自分のITスキルや経験を日常で活かしたことはあまりなかったですが、やってみると楽しくてハマっていきました。

最初のきっかけは、義父のノートパソコンの動作が遅くて困っているという話でした。とりあえずHDDをSSDに換装してみたところ、「動作が速くなって嬉しい!」と、思いの外感激してもらえました。この成功で気をよくした私は義実家のIT機器に次々と手を加えるようになりました。

古いルーターを新しいものに取り替え、メッシュWi-Fiを構築して家中に電波が届くように調整したり、玄関のインターホンをGoogleのものに交換して外出先でもスマホで訪問者に対応できるようにしたり、クラウド型の防犯カメラを設置したり、駐車場の照明をスマホやスマートスピーカーで操作できるようにしたりと、生活の利便性をどんどん向上させました。

そのようなことをSNSに投稿していると、地域の人から「壊れたパソコンのデータ救出を手伝ってほしい」と頼まれたり、ウイルスに感染したPCの相談を受けるようになったりと頼られるようになり嬉しかったです。すべて無料で対応していたので赤字でしたが。笑

ITを駆使して誰かの力になれているときが最高に楽しくて、シス管という仕事は自分にとっての天職なのだなということに気づくことができました。また、本業以外でもITを使って人の役に立ちたいという気持ちが大きくなり、副業としてITコンサルタント業を始めることに決めました。

もし自分が育休を取っていなかったら、このような貴重な体験は得られなかったでしょう。少し不思議な感じもしますが、育休という仕事とは対照的な時間に自分が本当にやりたいと思える仕事に気づくことができました。

 

遊びについて

育休中、義実家で生活をしていました。初めて経験する自然豊かな田舎は、全てが新鮮でワクワクしました。前回のコラムで述べたように、最初は一人で遊び過ぎてしまいましたが、その後は軌道修正して、家の中で楽しむ遊びや家族全員で楽しめる遊びに切り替えました。

散歩ができる月齢になってからは毎日のように近所を散策していました。高齢化が進んだ地域なので小さい赤ちゃんが珍しく、近所の人たちによく声をかけてもらいました。畑で育てている野菜や果物をいただくことも多く、田舎ならではのあたたかさに触れられてとても楽しく過ごせました。

そしてちょっとしたお出かけができる月齢になってからは、公園で遊んだり、近くのお店でランチをいただいたりしていました。田舎のお店はどこも敷地が広くて、混雑もしていないので子連れでも気兼ねなく利用できて良かったです。

もし自分が育休を取っていなかったら、これほど充実した時間や貴重な経験は得られなかったと思います。自分の価値観も大きく変わりました。以前は一人での自由な遊びが好きでしたが、家族との時間や地元の人々との交流が新しい喜びとなりました。この育休期間は、温かい思い出で満ちあふれ、私の人生において大切な宝物となりました。

 

おわりに

育休を取ったことで自分自身がいい方向に成長できて本当に良かったということを伝えたかったのですが、最後のパートでは少しだけ田舎生活の素晴らしさを語る方向に逸れてしまったような気もします。育休も田舎生活もどちらも素晴らしいものなのでそれで良しと言うことにします。笑
次回は半年の育休を経て仕事に復帰してみるとどうだったかについて書いていきたいと思います。

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筆者紹介

UK
新卒から10年以上シス管として働く30代のパパ。
1年間の育休を取得して2人の息子と楽しく過ごす日々。
男性の長期育休について情報発信し、取得を応援できればと考えている。

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