VRするんで定時に帰ります。

第3回 VRコンテンツを作ってみよう!はじめての方にオススメの制作方法!

概要

VR開発のプロデューサーとしての失敗談も含めた経験を伝えます。

こんにちは、株式会社シーエスレポーターズの三上です。
全3回にわたる私のコラムも今回が最終回ということで、VRコンテンツ制作を実際にはじめようという皆さまへ、制作の参考になりそうな情報をまとめてお送りします。
VRコンテンツ制作をはじめる前に、よくあるVRコンテンツを2つに分類し、それぞれの特徴や適応範囲などを説明します。
一つは「映像系VRコンテンツ」、もう一つは「3DCG系VRコンテンツ」です。

目次
映像系VRコンテンツとは?
3DCG系VRコンテンツとは?
映像系VRの制作方法
3DCG系VRの制作方法

映像系VRコンテンツとは?

いわゆる360度動画と言われる、動画や写真などを360度の全天球や180度の半天球で撮影したVRコンテンツです。RICOHさんのTHETAやSamsungさんのGear360などの専用機材を使用して360度撮影を行います。専用機材以外でもアクションカメラGoProや一眼レフカメラをリグと呼ばれる接合部品を使って複数台組み合わせて撮影することも可能です。複数台組み合わせた場合はスティッキングと呼ばれる映像のつなぎ目を補正する作業が必要となるので、手間とテクニックが必要となります。はじめての方はGear360など、専用機材を使うのが良いのではないでしょうか。
RICOH THETA 紹介ページ
https://theta360.com/ja/
Samsung Gear360紹介ページ
http://www.samsung.com/jp/consumer/mobilephone/gear/gear/SM-C200NZWAXJP
映像系VRのメリットやデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・Gear360など専用機材で誰でも簡単に撮影することができる
・撮影したものをYouTubeやFacebookなどに簡単にVR用として公開することができる
<デメリット>
・360度見渡すことができるが、自由にVR空間を移動することができない
※移動する場合は、Googleストリートビューのような移動方法など場面を切り替える手法となります。
ちなみに、Lytro Immergeのように実写の中を移動できる手法が今後登場する可能性はあります。
Lytro Immerge
http://www.moguravr.com/lytro-immerge-vr/

使用用途は、不動産の物件紹介、アーティストのライブ、旅行風景など「実際に存在するもの」が向いています。ゲーム以外のVRの多くは、映像系VRに分類されます。

 

3DCG系VRコンテンツとは?

ゲームに代表される3DCGを使ったVRコンテンツです。3DCGキャラクターや背景はオートデスクさんの3DCGソフト、Mayaや3dsMAXで制作させることが多いです。それら3DCG素材をUnityやUNREAL ENGINEなどのゲームエンジンを使ってVR化します。OculusやHTC Viveでゲーム性の高いVRコンテンツはだいたい3DCG系のVRコンテンツとなります。
Maya
http://www.autodesk.co.jp/products/maya/overview
3dsMAX
http://www.autodesk.co.jp/products/3ds-max/overview

Unity
http://japan.unity3d.com/

UNREAL ENGINE
https://www.unrealengine.com/ja/vr-page

3DCG系VRのメリットやデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・VR機器の性能を最大限生かしたインタラクションのあるVRコンテンツを制作できる
<デメリット>
・学習コストや開発コストが高額

使用用途はゲームの他、建設中の新築物件紹介やタイムトラベルなど、「実写で撮影ができないもの」に向いています。
皆さまのビジネスにおいて、取り組みたい方向性はどちらでしょうか?方向性が決まったところで、それぞれの制作方法をご紹介します。いろんな方法があるとは思いますが、「これが一番簡単かな?」っという内容をお届けします。

 

映像系VRの制作方法

【STEP1】Gear360を購入!
現状の360度カメラの中では、価格と機能のバランスがとてもよいのでオススメです。GALAXYスマートフォンやPCがあれば遠隔操作も可能です。目線で撮影できるように、併せて三脚も用意するとよいでしょう。
オススメの三脚
http://amzn.asia/cQa8FT4

【STEP2】撮影
撮影のコツをいくつかご紹介します。
(1) 目線と同じ高さで撮ると没入感アップ!
(2) 内観を撮る場合は部屋の真ん中ではなく部屋の隅から撮るのもあり!
(3) 移動しながらの撮影は酔いやすい映像になるので注意が必要!
(4) ただ撮るのではなくユーザーが「誰の立場の視点でみているのか」の背景が重要!
(5) 映像のつなぎ目(180度と180度の間)となる場所に重要なものが映らないようにする!
今年は、3Dで立体視が可能な映像を簡単に撮影できるカメラが多数登場しそうな気配です。3D360度撮影の場合は、演者さんが近寄ってくる撮り方がオススメです。

TwoEyes VR 360
https://www.digimonostation.jp/0000084533/

【STEP3】YouTubeやFacebookにアップ
YouTubeの360度動画アップロード方法
https://support.google.com/youtube/answer/6178631?hl=ja
Facebookの360度動画アップロード方法
https://www.facebook.com/help/828417127257368

【STEP4】VRゴーグルで視聴
YouTubeのVRコンテンツ視聴方法
https://support.google.com/youtube/answer/6239930?hl=ja
FacebookのVRコンテンツ視聴方法
https://www.facebook.com/help/1484407385200471?helpref=related

※現状ではFacebookのVRコンテンツをVRゴーグルから視聴する場合は、Oculus社のサービスを利用しなければならないようです。

いかがでしょうか?とても簡単ですね。プロモーション目的で配布する場合はYouTubeでよいと思います。ただし、YouTubeでは現状の回線速度ですと高解像度での配信が難しく、それほど綺麗に見えないかと思います。もっと綺麗に表示したい場合や、課金モデルにしたい場合は独自のVRビューワーのアプリを開発しましょう。

 

 

3DCG系VRの制作方法

3DCG系コンテンツの作成方法は、非常に複雑で多岐にわたるためステップで紹介するととても長い話になってしまいます。申し訳ありませんが、非常によくまとまっているブログ記事がありますのでこちらをご紹介いたします。
リクルート住まいカンパニーさんのテックブログより
https://tech.recruit-sumai.co.jp/unity-cardboard-demo-android/

このように表示させる3DCGを作ったり、プログラムを書いたりとなかなか大変です。特にライセンスフリーで使えるキャラクターの3DCGはなかなか無いので、当社で用意しました。こちらは無料でご利用いただけますので、ぜひ制作にお役立てください!

商用利用無料の3DCGキャラクター、高崎柚乃(たかさき ゆの)
https://gugenka.jp/original/yuno-3d.php

3DCG系は参入障壁が高いですが、今後発展が予想されるARやMRにおいても活用度が高まる可能性がありますので、ぜひこちらもチャレンジしてみてください。

このように弊社ではVRに関連するさまざまなサービスを提供しています。もちろんARやMRもサービス提供しています。ご相談やお困りのことがございましたら、何なりとご連絡ください。

・当社の公式サイト
http://www.cs-reporters.com/

・私のチームのWebサイト(アニメ系のVRソフト開発をしています)
https://gugenka.jp/

・私のFacebook(お気軽に申請してください)
https://www.facebook.com/masafumi.mikami

・私のTwitter(お気軽にフォローしてください)
https://twitter.com/mikami_cs

それでは、これからも素敵なVRライフをお過ごしくださいませ。
私はこれからも VRを世の中に推進するプロデューサーとして、メディア出演やイベント、展示会などいろいろな場所に出没(参加)します。
どこかでお目にかかる機会がございましたら、ぜひお気軽にお声がけください。

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筆者紹介

株式会社シーエスレポーターズ
専務取締役 三上昌史
映画、アニメ、ゲーム、音楽などのデジタルプロモーションを手掛ける株式会社シーエスレポーターズの専務取締役で、 VR事業のプロデューサー。
2004年からVR事業に取り組み、VR関連で受賞やメディア出演など第一線で活躍している。
映像系、3DCG系、スマートフォンで楽しむカジュアルなVRからPCを使ったハイエンドなものまで手がけている。

こんにちは!本連載を担当させていただきますシーエスレポータズの三上です。 映画や飲みに行くくらい、VRやAR、MRが浸透する世の中になるのか!? をテーマにしたコラムです。2016年は「VR元年」と呼ばれ、予想以上の盛り上がりを見せましたね。ゲームやエンタメ業界をはじめ、ビジネスや医療、研究機関などさまざまな分野で大きな注目を集めています。とはいえまだまだ「VR」市場は始まったばかり。VRでなにができるのか。どうなるのか。儲かるのか!? 私も試行錯誤ではありますが、VR開発のプロデューサーとしての失敗談も含めた経験を書き綴り、皆さんのビジネスに応用するヒントになれば嬉しいかぎりです。

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