アウトソーシングのポイント

第3回 ITシステム運用のアウトソーシングを検討、実施する上でのヒアリング項目、確認項目

概要

ITシステム運用のアウトソーシングを検討、実施する上での課題、確認事項、留意点、そして実施したユーザ企業で問題となっている点等の情報を掲載いたします。

目次
アウトソーシングを実施する際に整理が必要な ヒアリング項目、確認項目

 

今回は、「アウトソーシングを実施するときのチェックポイント」実践編の第2回として、基幹業務を外部にアウトソーシング委託する際に、発注者側、受注者側が業務内容や運用状況を共有化するために整理が必要となる「ヒアリング項目、確認項目」についてテンプレートを提供いたします。

この作業を実施することにより

受注者側が作成する「アウトソーシング受託時の見積もり」資料の精度向上
発注者側がアウトソーシング実施前に行う「業務棚卸、整理」内容の明確化
受注者側、発注者側双方が業務内容を把握した正確な引継ぎの実施
アウトソーシング実施後に行う「業務カイゼン」実施のための基礎情報の収集
等の効果が期待されます。
正確なヒアリングとそれに対応する資料の提供が、アウトソーシング初期の混乱をふせぎ、目的とする効果の早期実現に結びつきます。

 

アウトソーシングを実施する際に整理が必要な ヒアリング項目、確認項目

 

[1]ヒアリング項目、確認項目を表1に示します。

項目は、大きく4項目にわかれます。

  • アウトソーシングの目的、範囲
  • 現行システム構成
  • 現行運用体制
  • 業務運用内容

この内容は、基本的な情報で、受注者であるアウトソーサーによっては、より詳細なヒアリング項目を設定している場合があります。逆に、この内容を網羅したヒアリングが実施されない場合は、発注者側は、受注者であるアウトソーサーに対して、追加ヒアリングを要求する必要があります。

また、ヒアリングを受ける発注者側は、要求された資料の整理(資料がない場合は作成も)が必要となります。多くのケースでは、発注者側の現状整理が不十分で、多量の資料作成業務が発生しています。
アウトソーシングを検討する前に、このテンプレートを利用し事前に業務整理することをお勧めします。
整理事項が多岐にわたり、長い期間がかかると判断された場合は、アウトソーシング実施時期の見直しをはかる必要が生じる可能性もあります。

いずれにしても、日頃からの運用状況の整理が重要です。整理の方法、項目については、当サイトの「運用ゲンジン」のコーナーに詳細情報が掲載されていますので、参考にしていただければと存じます。

目的、範囲

現行システム構成

現行運用体制

業務運用内容



[2]ヒアリング実施後の整理

受注者であるアウトソーサーは、上記表1の項目と独自に補足すべき事項を整理し、最適なアウトソーシング受け入れ計画(機器、設備、体制、運用手順等)を作成します。
その後、発注者側との内容合意をはかり、いよいよアウトソーシングの移行作業が開始されます。

今回、提供した情報をさらにブレークダウンした情報が必要な場合は、シスドック担当までお問い合わせください。

次回(7月下旬予定)は、実践編の第3回として、

実施後に発生する諸問題と解決事例
を掲載いたします。

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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ

運用プロフェッショナルサービスグループ

佐藤陽一

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