日本を支えるシステム管理者の君へ -国分 沼倉 正-

第2回 もはや縁の下の力持ちではない- 「モノ言うシステム管理者」を目指して

概要

日本を支えるシステム管理者の方へ、システム管理者の会推進委員より熱いメッセージを送るリレーコラムです。

国分から推進委員として今年から活動しています沼倉です。
当社は、食品とお酒を取り扱っている「問屋」です。
「問屋」という商売は生活者である皆さんとは直接接点があるわけではないので、どのような会社か伝わりにくいのですが、簡単に言うとメーカ様から商品を仕入れ、小売店様に販売をしている会社です。
当社は創業からまもなく300年を迎えます。
ここまで商売を続けられたのは、ひとえに「信用」を守ってきたからだと思います。この信用があるから、今まで商売を続けることができたのだと思いました。信用は、裏切らない、期待されたことにこたえることだと思います。

 

ところで、我々情報システム部門において「信用」を考えますと、まさに「情報システムを使いたいときに使える」この一言につきると思います。この当たり前のことを支えているのが、システム管理者です。IT技術は日進月歩で進化していますが、最終的に動かすのはやはり人です。情報ステムはそこにあって当然、空気のようなものなので、それが停止したときのダメージは計り知れません。そのため、日々の業務を正常に稼動させるため、システム管理者は非常な努力を求められます。しかも、ひとたび障害が発生すれば、最優先して回復作業に取り掛からなくてはならず、さらにユーザからの鬼のような問い合わせ対応にもきちんと応じることが求められます。
このように非常にきつい業務ですが、ここにはおおきな情報が集まることも忘れてはなりません。
日々蓄積される情報、それはシステムのリリース、障害、ユーザからの問い合わせなどです。これらの情報はシステムの品質を高めるための重要な肥やしとなります。
我々システム管理者の仕事はこれらの情報を発信し、さらに分析整理し、必要と判断したものに関しては開発部門・利用者部門に対してきちんと伝えることが重要な仕事となります。
そのため、「モノ言うシステム管理者」を目指さなくてはなりません。
現在ではデータの収集・分析・見える化の為の手法として「ITIL」という便利な手法も確立され、すでに多くの企業で導入がすすんでいます。
これらの新しいツールを使って、集めた膨大な情報を分析することで、システムの品質があがり運用も安定することで結果、利用者の満足度向上とシステム管理者の安息につながります。
システム管理者は、縁の下の力持ちではなく、システムの品質向上の一躍を担っているアドバイザーであることを自負し、今日から「モノ言うシステム管理者」として取り組んでください。

 

国分株式会社 情報システム部 兼 営業推進部副部長 沼倉 正

 

 

2022年5月吉日

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筆者紹介

沼倉 正(ぬまくら まさし)
国分株式会社 情報システム部 兼 営業推進部副部長
ホストコンピュータのインフラ環境整備を経て、現在はITインフラ・運用ならびに営業系システムの企画開発を担当。
国内で乗ったことのない鉄道はあと数線のみという鉄道好きで、どんなに忙しくても、月に1度の鉄分補給はかかさないようにしています。

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