DVA合格体験記

第2回 DVA合格体験記(最終回)

概要

この試験は、数多いAWS認定資格のなかで、デベロッパー(開発)の役割を担う個人を対象としている試験です。本試験の概要・特色・傾向だけでなく、複数の受験者の体験をまとめて記事としました。
また、読者の方で自分も受験体験/合格体験を公開したいという方がいらっしゃる場合ご連絡ください。全部書ければ可ですが、文章が書けない場合でもライターによるサポート有対応ができます。薄謝ありです。せっかくの唯一レアな受験体験をたくさんの人に共有しましょう。AWSに拘らず、マニアックな語学検定やなんちゃってセキュリティな検定でも問題ありません。ご自身の受験体験/合格体験、体験記をこちらのコラムで公開したい方募集中!
応募、お問い合わせは下記までお願い致します。

システム管理者の会 事務局
sysadmingrp@unirita.co.jp

目次
前回まで
受験者のプロフィール
勉強時間
受験者が使用した学習コンテンツ
サンプル問題から、いろいろ考察
受験者からの一言/助言
最後に

試験の概要

第1回では、DVAのAWS認定試験での位置づけ、試験範囲、試験の傾向や受験難易度などを説明しました。今回は、実際に受験し合格した受験者のデータや経験などを基にした内容になります。さらに、サンプル問題をいくつか使用して、こっそりと覚えたほうが良い項目などもピックアップします。

 

受験者のプロフィール

まずは、今回のコラムの基とした受験者/合格体験記の対象者のプロフィールです。

 性別  年齢  AWS経験  受験時期  Ver
 男  20代  –   2022/下期  DVA-C01
 男  30代  無  2016年3月(不合格),
 2016年5月(合格)
 DVA-C01

 

勉強時間

学習時間はしっかり数えたものではありませんが、目安として記載します。

   学習時間  学習期間
 A  30時間  2週間
 B  40時間  1回目 4日
     2回目 1週間

 

さすがにアソシエイト資格であり、2回受験の方もいます。学習時間がやや少ないのは別のAWS受験済ということがあるかもしれません。

 

受験者が使用した学習コンテンツ

まずは、Amazonが提供する試験対策コンテンツなどです。以下にDVA関連のガイドやサンプル問題、無料のトレーニングツールやウェビナーが揃っています。
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-developer-associate/

「Developing on AWS」という有償のセミナー(3日間)
https://aws.amazon.com/jp/training/classroom/developing-on-aws/


そして、昔ながらの試験対策本です。

ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト (アソシエイト試験ポケットスタディ)

ポケットスタディ AWS認定デベロッパーアソシエイト [DVA-C02]対応

上記の本は、受験者が使用した試験対策本です。他にも以下があります。

徹底攻略AWS認定デベロッパー – アソシエイト教科書&問題集 第2版 [DVA-C02]対応

 

サンプル問題から、いろいろ考察

以下にAWS DVA-C02のサンプル問題を提示します。元ネタは以下のサイトになります。
https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/docs-dev-associate/AWS-Certified-Developer-Associate_Sample-Questions.pdf

[8]デベロッパーは、Amazon API Gatewayを使用するウェブアプリケーションを構築しています。デベロッパーは、開発 (dev) ワークロードと本番 (prod) ワークロード用に異なる環境を維持したいと考えています。この APIは、dev用1つと prod 用1つの2つのエイリアスを持つAWS Lambda関数によってサポートされます。デベロッパーは、最低限の構成でこれらの環境をどのように維持できますか。

A)環境ごとにREST APIを作成する。APIをLambda関数の対応するdevおよびprodエイリアスと統合する。APIをそれぞれのステージにデプロイする。ステージURLを使用してAPIにアクセスする。
B)REST APIを1つ作成する。エイリアスの代わりにステージ変数を使用して、APIをLambda関数と統合する。APIをdevとprodの2つの異なるステージにデプロイする。値として異なるエイリアスを持つステージ変数を各ステージに作成する。異なるステージURLを使用して APIにアクセスする。
C)REST APIを1つ作成する。APIをLambda関数のdevエイリアスと統合する。APIをdev環境にデプロイする。CanaryがLambda prodエイリアスと統合されるprod環境のCanaryリリースデプロイを設定する。
D) REST API を1つ作成する。APIをLambda関数のprodエイリアスと統合する。APIをprod環境にデプロイする。CanaryがLambda devエイリアスと統合される、dev環境のCanaryリリースデプロイを設定する。

REST APIという言葉、Lambda 関数、ステージ変数などのAWS用語が出てきます。エイリアスもわからない人にはわからない感覚かもしれません。RESTをRESETと読み間違うレベルですと、かなり危険です。
また、prod,dev,staなどはそれぞれ production environment(本番環境),development environment(開発環境),staging environment(ステージング環境)と意味する略称として使用することが多いので、覚えておくと楽です。

[7]デベロッパーが会社の既存のレコードストレージアプリケーションに Amazon ElastiCache for Memcachedを追加しようとしています。デベロッパーは、一般的なレコード処理パターンの分析に基づいて遅延読み込みを使用することにしました。遅延読み込みを正しく実装する擬似コードの例はどれですか。
A) record_value = db.query(“UPDATE Records SET Details = {1} WHERE ID == {0}”,record_key,record_value)
  cache.set (record_key, record_value)
B) record_value = cache.get(record_key)
     if (record_value == NULL)
     record_value = db.query(“SELECT Details FROM Records WHERE ID == {0}”,record_key)
     cache.set (record_key, record_value)
C) record_value = cache.get (record_key)
  db.query(“UPDATE Records SET Details = {1} WHERE ID == {0}”, record_key,record_value)
D) record_value = db.query(“SELECT Details FROM Records WHERE ID == {0}”,record_key)
     if (record_value != NULL)
     cache.set (record_key, record_value)

思いっきりソースコードの問題です。AWS以前に、SQL文やコードが読めないと無理でしょう。少なくとも”==”と”=”の違いあたりは知ってください。

2つの問題をピックアップしてみました。DVA試験を受験する前提として、各種のIT知識やコードの読解(記述できるかの有無ではない)が必要なことはわかると思います。また、サンプル問題だけでは試験範囲を全カバーしておりませんし、他の練習問題なども併用することは必須です。

 

受験者からの一言/助言

受験者から、いくつか感想というか受験する上での心構えを頂いております。

  • AWS公式で公開されているサンプル問題や模擬試験は受けておくと良い
  • 消去法で選択肢を絞ること、1つの問題に悩むより一通りすべて答えてから自信の無い問題に戻って熟考すること。
  • 問題も正解も公開されないので、覚えている限りの問題と回答をメモしておくこと。(再受験に役立つ)

全くもって同意です。一意選択は時間短縮に役に立ちますが、消去法でも問題ありません。さらに、再受験を考えて、問題と回答をメモするのは重要ですし、もっと簡易に出題されたキーワードや観点を心のメモに残すことは重要です。
注意:ピアソンVUEで受験する場合(=会場受験)、受験教室に持ち込めるものが限定され、メモ用のホワイトボードと黒ペンは貸与されますが、メモ自体を持ち帰ることはできません(2024/3時点)。

 

最後に

DVA試験は、前提となる知識はSAA試験よりも多いです。しかし、その前提知識を持っている受験生であれば合格へのハードルが低い試験かもしれません。逆にIT初心者/開発ノータッチなエンジニアにとっては、問題文や選択肢を読むだけでも大変です。さらに、開発の手順やCI/CD(Continuous Integration-継続的インテグレーション-/Continuous Delivery&Deployment-継続的デリバリ-&デプロイ)などの知識も必要です。
第1回で最初に説明し、「試験ガイド」にも明記されている通り、本試験は「AWSのコアサービス、使用、基本的な AWSアーキテクチャのベストプラクティスに関する知識と理解、および AWSを使用したクラウドベースのアプリケーションの開発、デプロイ、およびデバッグの習熟度を認定」する試験です。開発知識無しで挑むのは困難だといえます。もしチャレンジする場合は、開発の知識+AWSの全体知識+試験独自の知識の3つの知識を身に着けて対処しましょう。

 

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