「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第16回】 苦手なドキュメント管理を克服することがいい運用への鍵!

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

世界同時不況の引き金となったリーマンから早一年。
世界中に多くの影響を与えましたが、その深い傷跡はまだ癒えることはなく、一年経った今では 我々庶民にその影響が到達し、暮れが近づいてる中で憂鬱な毎日ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? 
 
国内では変革を求める多くの声が民主党圧勝という形になり政権交代が行われましたが、 早く不況を乗り越え、一日でも早く明るく活気のある社会を築いてほしいと願うばかりです。 
 
さて、今回はドキュメント管理、データ保管管理、実績管理シリーズでの作業とプロセスについてまとめます。
 

運用管理体系

掲載資料1

ドキュメント管理

掲載資料2
掲載資料3

ドキュメント管理のワンポイント

    □ 一般ドキュメントと管理対象ドキュメントを明確に
    □ コピー配付の多用は避け、マスターのドキュメントはワンベストを
    □ 保守は都度が好ましいが、まとめて定期的に最新化する癖を(それまでの記録を付箋や赤ペンを活用)
    □ どんなことよりもドキュメントの最新化を優先
    □ みんなでではなく、きちんとドキュメント管理担当を設けて一元管理

データ保管・管理

掲載資料4

掲載資料5

 

データ保管・管理のワンポイント

    □ 関係担当者が多い分ミスが起こり易いため、各役割での作業を厳密に(漏洩、紛失)
    □ 各役割での作業は漏洩、紛失を防ぐためにも必ずダブル体制で確認が行えるように
    □ 媒体は漏洩や紛失の事故のもと。極力媒体は廃止の方向に
    □ 媒体の紛失を防ぐためにも、ICタグなどで武装
    □ 取り扱いや管理を効率化するためにもハンディーなどでシステム化

実績管理

掲載資料6

掲載資料7

 

実績管理のワンポイント

    □ 運用管理情報をどれだけ収集・蓄積・分析しているかで運用状況は大きく違う
    □ 運用管理情報をただ収集・蓄積してるだけではめくらで運用しているのと同じ
    □ 運用管理情報の数値から、システムの状態や人の作業と動き、負荷、手間隙、 
      大変さがイメージできることが大切 
    □ 取得可能な運用情報はできるだけ収集が先決
    □ 運用管理情報の分析では単に数値化だけでなく、アクションに結びつく機能を

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筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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