ついこの前、大阪関西万博が始まったと思ったら、気づけばすでに閉幕。時が過ぎるのが本当にあっという間です。
DXというキーワードが騒がれ、「2025年の崖」という言葉のまさに「崖」っぷちの年もあと2か月ほどで終わりを告げようとしています。
企業内でDXを推進されているDXリーダー人材のみなさまにとっても、何かしら成果を出さないといけないということで、孤軍奮闘されている人も多いのではないでしょうか?
そんな先行きが不透明な状況で行き詰まっている際は、ぜひ社外へ一歩飛び出し、外の空気(AIR)を思いっきり吸い込んでみましょう~
特に、展示会やカンファレンスへの参加がお勧めです!
1.思いもよらない気づきが得られる
私は、EdgeTech+ WEST(主催:一般社団法人組込みシステム技術協会)という展示会のカンファレンス委員を9年ほど担当していることもありますが、予定が合う限りは、社外の展示会やカンファレンスに参加するようにしています。社内にいても、得られる情報は限られており、自分たちが取り組んでいること以外の革新的なものを、ある日突然自らで閃くということはそうそうありません。
2020年のコロナ流行以降は、このような展示会やカンファレンスなどもオンライン化は進んでいますが、何かしら得られる情報がリアル開催とは異なっており、限定的だと感じています。ネットを調べるにしろ、オンラインでセミナーを受講するにしろ、自らが必要と思っている範疇でのみピンポイントで知り得ることが多いという実感です。一方、リアル会場に足を運んでみると、展示会場内の展示物や、周りで会話している言葉が勝手に目や耳に飛び込んできます。
20年以上前ですが、毎年1月にラスベガスで開催されるCESに参加する機会がありました。そのとき、参考出展として、冷蔵庫にOSを搭載し、扉にモニターをつけたものが展示されていました。とってもインパクトが強かったのですが、なぜ、冷蔵庫にコンピュータをくっつけないといけないんだろうと考えるきっかけとなり、後にIoTなどのテクノロジーにつながっていくということを知り、より深く取り組むことにつながりました。
1/100か、1/1000かはわからないけど、自らが思いもよらない方向から気づきが得られるという体験が得られることもあり、私自身、まさに展示会に参加する醍醐味であり、楽しみでもあります。
2.アイデアの宝庫
展示会やカンファレンスに参加すると、展示ブースを見て回るのも面白いですが、なんといってもセミナー受講を目的で参加される人も多いと思います。最近では、無料ですべてのセミナーを聴講できることが多く、参加前にどの順番で受講するか検討すること自体が楽しみであったりします。現実、60分や90分などの短時間で、最新動向や事例を知ることができ、とても効率的です。現在、行き詰まっているテーマに近いセミナーを見つけることができれば、解決のための貴重なアイデアが得られることでしょう。
一例として、私が担当していますEdgeTech+ WESTでは、大阪開催ということもあり、みなさん本音ベースでワイワイ賑やかに進行する「ヒートアップセッション」というセッション枠があります。毎年、この枠の一枠でパネルディスカッションを実施しています。今年は7/24に開催され、当コラムの執筆陣4名(近森さん、辻野さん、山口さん、大石さん)に登壇いただき、『プロ集団が語る!「IoT/DX/AI」の現在は、こんな感じ!』というタイトルで90分間のセミナーを開催しました。登壇いただいたみなさんからは以下のようなことをお話しいただきました。
・トランスフォーメーションはデジタルとマインドの進化系である(近森さん)
・中小企業におけるDXの取組みと新たな課題(辻野さん)
・生成AIはIoT・DXの重要性を再認識させる(山口さん)
・日本発の次世代AI検索エンジンFelo AIの紹介と生成デモ(大石さん)
毎年のことですが、90分という時間ではすべてを語りつくせないという状況ではありましたが、聴講いただいたみなさんにはいくつかのアイデアはお持ち帰りいただけたものと(勝手ながら)思っています。
ちなみに、今年度は全体で18個のセッションをEdgeTech+ WESTで開催しましたが、集客が多いセッションベスト3は、すべて「生成AI」を扱ったセミナーで、4位・5位も「AI」についてのセミナーでした。
また、私どものパネルディスカッションセッションもタイトルに「IoT/DX/AI」というキーワードを入れましたが、当日の聴講者の1~2割がDX、8割強がAIについて期待しているとの回答で、IoTは皆無でした。
予想していたことではありますが、AIに関する興味に一極集中している現実を目の当たりにしました。
3.サーチからリサーチへ
ここまでお伝えしましたとおり、展示会やカンファレンスに参加することで、気づきやアイデアをたくさん得ることができます。ただ、情報を得ただけで終わってしまうと、ネットで検索(サーチ)したという状態と同じです。得たことを社内に展開する方法を考えたり、より深くリサーチしてトライしたりすることが重要と考えます。先に記述したCESの例は、まさにリサーチを後で実施してIoTなるものを知るきっかけになりました。
なお、私が得意とする資格取得の分野でも、あらためて生成AIに関する資格をリサーチしてみると、2025年に以下の資格試験がスタートしています。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
・Generative AI Leader (主催:Google)
https://cloud.google.com/learn/certification/generative-ai-leader?hl=ja
・AWS Certified Generative AI Developer – Professional (主催:AWS)
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-generative-ai-developer-professional/
・Prompt Engineering Professional (主催:日本プロンプトエンジニアリング協会)
https://prompt.or.jp/pep
DXのコラムでありながら、オンラインよりリアルの展示会やカンファレンスに参加しようという内容となりましたが、決してオンラインは不要という意味ではございませんので、悪しからず。。。
オンラインとリアルをうまく融合させて、「気づき(Awareness)」、「アイデア(Idea)」を収穫し、それをもとに「リサーチ(Research)」を徹底し、より深い探求を実践しましょう~
そのために、ちょっと外に出て、DXを加速させる空気(AIR)を吸収しませんか?
【おまけ】
これから開催されるDX関連の展示会・カンファレンスをいくつか記載しておきます。
・EdgeTech+ 2025 (主催:組込みシステム技術協会) https://www.jasa.or.jp/expo/
2025/11/19~21 : パシフィコ横浜
・Japan DX Week (主催:RX Japan) https://www.japan-it.jp/hub/ja-jp/about/dxweek.html
2025/10/22~24 : 幕張メッセ
2025/11/19~21 : インテックス大阪
2026/02/25~27 : ポートメッセなごや
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筆者紹介
1994年大阪府立工業高等専門学校電気工学科卒業。社内業務システムの開発、運用、IT系講習会の講師としてこれまで従事。
現在は、ETロボコン関西・北陸地区事務局局長、IoT検定ユーザー試験開発WGメンバー、EdgeTech+ WESTカンファレンス委員として、初級組込み技術者の教育支援を行う傍ら、 自らも資格取得を精力的に行い、2025年10月現在、資格試験通算591勝を達成。これからも、コツコツ「一生勉強」の精神で突き進んでいく。


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