エンジニアの羅針盤 - 技術と実践の探求

第4回 入社4年目のエンジニアが「データベーススペシャリスト」に合格!9ヶ月間の学習法を公開します!

概要

この連載コラム「エンジニアの羅針盤 – 技術と実践の探求」では、変化の激しいIT業界において、エンジニアが日々の業務で直面する様々な課題や、より効率的かつ高品質な開発を実現するための知見を幅広く共有します。アジャイル開発やDevOpsといった開発手法から、データ基盤、セキュリティ、テスト、生産性向上まで、現場で培われた実践的なノウハウ、最新技術の活用事例、そしてキャリアパスまで、多岐にわたるテーマを深掘りしていきます。読者の皆様が自身の技術力を高め、より良い開発を実現するための一助となれば幸いです。

皆さん、こんにちは。

私は先般、データベーススペシャリスト試験(令和5年度秋期)に合格しました。せっかくなので、今回の合格体験記を皆さんにご紹介したいと思います。

これから受験される方や、IT系の資格に興味のある方の参考になれば幸いです。

目次
データベーススペシャリスト試験とは?
なぜこの試験に挑戦したのか?
9ヶ月間の学習プロセス
試験当日の様子
合格発表、そして結果は…
試験を終えての感想

データベーススペシャリスト試験とは?

IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の中でも、最高レベルに位置づけられる難関試験です。

IPAによると、この試験の対象者は「最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たす、データベースの専門家」とされています。

この試験は、以下の4つの試験で構成されています。

午前Ⅰ:IT全般の基礎知識(四肢択一式)

午前Ⅱ:データベースを中心とした専門知識(四肢択一式)

午後Ⅰ:実際の業務に近い記述式問題

午後Ⅱ:より高度な記述式問題

すべての試験で60点以上を獲得すると合格となります。

 

なぜこの試験に挑戦したのか?

主な動機は2つありました。

1.午前Ⅰ試験の免除: 前年度に応用情報技術者試験に合格していたため、高度区分の午前Ⅰ試験が免除される権利がありました。「使わないともったいない!」というのが一番の理由です。

2.実務に役立つ知識: 普段の業務でSQLやテーブル設計、パフォーマンスチューニングなど、データベースに関する業務に携わることが多いため、自分のスキルに自信を持ちたいと考えていました。

 

9ヶ月間の学習プロセス

長期的な視点で、少しずつ勉強を進める方針を立てました。平日にまとまった勉強時間を確保するのは難しかったため、休日に集中して取り組むことを中心に計画を立てました。

2月〜4月:基礎固めと午前Ⅱ対策
まず、過去問道場さんを活用し、午前Ⅱの対策から始めました。過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を掴み、基本的な知識を定着させました。午前Ⅱは過去問からの出題も多いため、この方法が非常に効果的でした。

また、並行して『徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書』を読み進め、試験範囲全体の知識を網羅的に学びました。この参考書はPDF版が無料でダウンロードできたため、iPadに読み込んで外出先でも手軽に学習できたのが大きなメリットでした。

5月〜7月:午後試験対策
参考書で一通りの知識を学んだ後は、記述式の午後試験対策に集中しました。長文問題は知識だけでは解けないと痛感したため、新たに『情報処理教科書 データベーススペシャリスト』を使って、解答のテクニックを徹底的に学びました。

この時期はモチベーションが下がってしまい、約1ヶ月間ほど勉強を中断してしまいました。

8月〜9月:過去問演習と最終調整
試験が近づき、午後Ⅰと午後Ⅱの過去問演習を開始しました。はじめは時間を気にせずじっくりと解き、慣れてきたら実際の試験時間に合わせて取り組むようにしました。

試験当日までに、約6年分の過去問に取り組みましたが、記述式問題は採点基準が曖昧なため、合格できるか不安な気持ちが大きかったです。

試験直前は、午後Ⅱの過去問道場をひたすら解き続けました。合格する人は、このサイトで「八段」(最高位から4番目)くらいまでやり込んでいることが多いようです。

 

試験当日の様子

午前Ⅱからの受験でした。午前中は比較的余裕がありましたが、午後Ⅰは時間が足りず、一部空欄のまま提出することになりました。午後Ⅱはなんとか時間内に終えましたが、あまり自信はありませんでした。

「今回はダメかもしれない」と思いながら帰宅しました。

 

合格発表、そして結果は…

合格発表は12月21日。結果は無事に合格でした。

午前Ⅰ: 免除

午前Ⅱ: 84点

午後Ⅰ: 76点

午後Ⅱ: 75点

予想よりも良い点数で、特に午後試験は合格ラインギリギリだと思っていたので、とても驚きました。
おそらく、最後まで諦めずに回答を埋めたことが良い結果に繋がったのだと思います。

 

試験を終えての感想

応用情報技術者試験よりも勉強も試験も格段に疲れました。午前Ⅰが免除でなければ、合格は難しかったかもしれません。

ただ、この試験を通して学んだ知識は、すぐに実務に活かせるわけではないものの、データベースに関する議論や提案を以前よりも自信を持ってできるようになりました。

今回合格したことで、高度試験の午前Ⅰ免除期間がまた2年間に延長されたので、次は試験時間が短縮された「情報処理安全確保支援士試験」にでも挑戦してみようかと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、これからデータベーススペシャリスト試験を目指す方々の一助になれば幸いです。

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