「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第13回】 管理することが多いのがいいわけではない!

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

憂鬱な梅雨も明け、しばらくは蒸し暑さとの格闘の日々が続きますが、この夏のプランは決まりましたか? 人それぞれ季節の好みがあるかと思いますが、気持ちが開放的になる夏の暑さが好きな方は既にウキウキされてるのではと思いますが、 当方も真夏に産まれ、小さい頃から湘南の海で育ったので夏が大好きです。 紫外線を浴びまくったせいでか色黒になり、それが運用ゲンジンと呼ばれる発祥で、時にハワイの空港の土産屋で見かけたとか、 マシン室に入るためのセキュリティールームの入退時に顔の認証装置がいつも反応してもらえず、入退出に苦労することもしばしば、 時に色黒も困ったもんです。 
 
さて、今回は障害管理、貸し出し管理、デリバリー管理シリーズでの管理ドキュメントと情報についてまとめてみましょう。 もちろんここでまとめたことが正しいわけでも全てでもありませんし、また、多ければいいわけでもありません。 
障害管理は運用の中でも一番プロセスやルール、取り決めなどが集ったもので、どれだけルールや取り決めがしっかりしてるかがそこでの運用状態を把握する尺度だと言っても過言ではない重要な管理事項です。 
 
ドキュメントや管理情報のことでは、取り合えずあればとか何に使用するかわからないけれど入れておこうとかいう言葉をよく耳にします。 余り使われないようなドキュメントや情報が多ければその分手間や労力もかかりますし、そのために別な管理が増えていたりすることもありますので、継承することも大切ですが、時代とともに管理も変化してきてるはずですので、目的や使用状態を再確認しながら見直してみることも時には必要だと思います。
 

運用管理体系

掲載資料1

障害管理

掲載資料2
掲載資料3
掲載資料4
 

障害管理のワンポイント

    □ ①発生した場合の基本的な役割と対応を基本とする
    □ ②発生したら過去の対応に習う(新たな方法は危険を伴う)
    □ ③監視フィルタは都度見直し
    □ ④発生~対処ではなく、再発防止や恒久対策に力を
    □ ⑤障害情報はDB化し、発生時での手順書や場合集に反映
    □ ⑥発生の分析で引継ぎや運用設計、標準化に活かし、品質向上に役立てる

貸し出し管理

掲載資料5

掲載資料6

掲載資料7

 

貸し出し管理のワンポイント

    □ ①基本的には外部からの持込、外部への持ち出しは不可⇒特別承認
    □ ②特別承認を受けたとしても、媒体などの監視は必要
    □ ③使用後の媒体は消去

デリバリ管理

掲載資料8

掲載資料9

掲載資料10

 

貸し出し管理のワンポイント

    □ ①受付から一時保管、処理済みから発送までの工程チェックと作業体制
    □ ②発送時での梱包ミス、誤発送の防止対応
         送付先、送付物の入れ間違え
    □ ③到着遅延、発送遅延時での確認と連絡
    □ ④到着遅延時での処理の取り決め
    □ ⑤発送後の到着確認(受領書、追跡確認)
    □ ⑥返却での媒体消去
    □ ⑦到着予定、発送予定に基づく作業量確認と段取り・体制の組み立て

連載一覧

コメント

筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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