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ITIL®を活用した情報システム部門の働き方改革 第2回:日本の文化から見る「働き方改革」のポイント
2018年9月6日 14:30

「働き方改革」において、まず、何から取り組めば良いの?とお困りの方も多いのではないでしょうか。今回は、日本の文化である「おもてなし」から見た、「働き方改革」のポイントをご紹介してまいります。

日本の文化「おもてなし」

皆さんは、この夏休みをどのようにお過ごしになったでしょうか。

私は、勝浦へ旅行に行きました。
海へ近くて安いホテルというコンセプトで宿を取ったのですが、素晴らしい対応に驚きです。

・周辺のお食事処マップがある
・お食事処を決めると、電話で席の空き状況を確認し、予約してくれる
・コーヒーやジュースが飲み放題
・海に入ったあと、水着が洗濯できて、乾かせる
・ベッドメークは実施することが前提であり、不要だったら連絡がほしいというスタンス
など

勝浦の海を満喫するために必要なことは全てそろっていました。
特にメニューなどがあるわけでもなく、最高の品質が、当たり前のように準備されています。
これが日本の文化である「おもてなし」なんですね。

「おもてなし」がサービスを低コスト高品質にしている

「おもてなし」という単語はよく聞くけれど、そもそも「おもてなし」とは何でしょうか。

調べたところ、以下のような説明がありました。
「おもてなし」=対価を求めず、どうしたら満足していただけるか考え、行動する

なるほど!日本人は、常に顧客視点でサービスの品質を追求し、行動を続けることが暗黙知化しているということなんですね!!勝浦のホテルが低コストなのにも関わらず、高品質であったこともうなずけます。
しかしながら、高品質なサービスが、メニューにも無く、自然に提供されているとも取れますので、少々もったいない気もします・・・

ITサービスと「おもてなし」

皆さんが提供しているITサービスと「おもてなし」について考えてみましょう。

おそらく、契約当初のITサービスは、顧客ニーズ(※1)に合致したサービスを、それらにかかるコストをベースに算出した対価で提供されていたのではないでしょうか。
※1 ITIL®では、「サービスレベル要件(SLR)」と定義されています。
ITサービスに対する顧客の要件、サービス提供者と合意するサービスレベルのもととなるものです。

しかしながら、現在はいかがでしょう。
日本の文化である「おもてなし」により、サービスを提供する中で、当初設計していたよりも、高品質なサービスを提供しているのではないでしょうか。「おもてなし」によって生み出されたサービスは、顧客ニーズを追求したものであり、価値が高いものと言えます。

筆者は、この「おもてなし」によって生み出されたサービスを可視化することが、「働き方改革」の第一歩であると考えます。

「働き方改革」の準備、「おもてなし」の可視化

前項でも少し触れましたが、筆者は、現状のITサービスを以下と捉えています。
「現状のITサービス」 = 「はじめに設計したITサービス」 + 「おもてなし」

「働き方改革」の前提として、現在提供しているサービス品質の低下は許されません。
まず初めに、皆さんが提供しているITサービスを可視化し、サービス品質に影響が出ないよう、取り組みのポイントを定める必要があります。

「働き方改革」の取り組みポイント

皆さんが提供しているITサービスを明らかにした後、「作業(定型的な業務)」と「仕事(価値を創出する業務)」の二種類へ業務を仕分けてみましょう。

この二つがまさに「働き方改革」のポイントとなります。
・「作業」:
定型的な業務を自動化することで、リソースを「仕事」へ転換することができる。
さらには、低コストで顧客へITサービスを提供できるようになる。
・「仕事」:
さらなる「おもてなし」を作り込むことにより、より価値の高いサービスを提供することができる。           
例えば、改善計画(※2)を立案し、レポートとして報告するなど
※2 ITIL®では、「サービス改善計画(SIP)」と定義されています。
全てのサービスとプロセスの改善の管理、計画立案および実施のもととなります。

上記のような取り組みによって、
サービス提供における工数を抑えつつ(ITサービス財務管理)
より高度なサービスレベルを顧客へ提供することができる(サービスレベル管理)
と筆者は考えます。

 

以上で第2回のコラムは終わります。ご参考になりましたでしょうか。

次回は、最も多くの方に知られているであろうプロセス、インシデント管理について書く予定です。

 
ITSM/ITIL
ITIL®を活用した情報システム部門の働き方改革
デジタルトランスフォーメーション、AI、RPA、IoTなどに取り組む企業が増えており、同時にIT人材の需要は増え続けています。しかしながら、肝心なIT人材が増えているかというとそうではなく、人手不足に陥っている企業は少なくありません。 身を粉にして働くことも時には必要ですが、私はバランスが重要ではないかと思います。 昨今、世間で話題の「働き方改革」というキーワードがありますが、一番必要なのは、まさにITに関わる方々なのではないでしょうか。この連載では、『ITIL®を活用したIT人材の「働き方改革」』のテーマに対し、筆者の独断と偏見で追究していきたいと思います。
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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ
DX推進部 デジタルサービス推進グループ
黒澤 亮祐

ITサービスマネジメントのフレームワーク「ITIL®」を活用した業務改革のコンサルタント。

「ITIL®」と業務改革手法を活用し、IT部門や製造業における組織横断でのITサービス提供・管理プロセスの全体最適化、ツール共通化などの支援実績あり。
その他、新入社員向けシステム運用研修や運用の業務改革(BPR)セミナー、要件ヒアリングセミナー、ISO20000を活用した幹部候補生の育成など幅広い講師やファシリテーターを担当。

開発担当、運用担当、サプライヤなど、多くのステークホルダーの利害関係を一致させ、事業貢献に向けて業務改革支援に携わっている。

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