アステリア株式会社 様

 

アステリア株式会社、 熊本R&Dセンターでは、社員同士の感謝の気持ちを伝え、コミュニケーションを活性化する活動の一環として、独自開発の社内ポイントシステム「Chrono Point」を開発し、社内で運用しています。

 

組織紹介

1998年に設立されたアステリア株式会社は、コンピュータやデバイスをつなぐソフトウェアおよびサービスを開発・販売するIT企業です。システム間のデータ連携を実現する「ASTERIA Warp」や、ノーコードのモバイルアプリ作成ツール「Platio」、データの統合・一元管理を実現する「Gravio」、モバイルでのドキュメント共有を行う「Handbook X」など、「つなぐ」をテーマとした業務用ソフトウェアを提供し、企業や自治体のDX推進に貢献しています。

写真(左から) 
研究開発本部 熊本研究開発部 部長 中山様、同部 松島様

自社開発の社内ポイントシステム「Chrono Point」の開発と運用

 

―活動実施の背景を教えてください

当社では早くからBlockchain技術の可能性に着目しており、熊本R&Dセンターにおいて独自実装のプライベートBlockchainの研究開発を行い、その可用性実証のため社内利用での活用を模索していました。折しもコロナ禍で、リアルでの交流が制限され、テレワークでの執務が主となったため、社内のリモートコミュニケーションを活性化する様々な施策を実施した時期でした。そのため、プライベートBlockchainを用いた社内ポイントの仕組みを造り、社内で感謝のメッセージに価値を付加するという案が浮上しました。

早速、社内ポイントの仕組みChrono Pointと、ポイントを感謝のメッセージとともに送受信するための専用のスマートフォンアプリを開発しました。ところが、社内でお披露目した際に、感謝のメッセージを送るためにわざわざアプリを起ち上げるのは面倒、と最初の反応は芳しくありませんでした。

そこで、Chrono PointにAPIを追加することにより、すでに社内で利用されている様々なツールと連携してChrono Pointの獲得・送受信ができるようにしました。そして、ビジネスチャットツール「Slack」、バーチャルオフィスの「oVice」、自社製品のモバイルアプリ作成ツール「Platio」とChrono Pointが連携出来るようにしました。

「Slack」については、当時、導入から約2年が経過していましたが、パブリックな投稿の伸び悩みや部署や個人による利用頻度の偏りと言った課題も見えていました。そこで、特に「Slack」とChrono Pointを密に連携させ、どうしたら投稿を増やせるか、また、感謝の気持ちや「読んだよ」ということを示すリアクションを増やせるかと言った課題に取り組み、「Slack」上のコミュニケーションを活性化させることを目標としました。

 

―どのような活動ですか?

Chrono Pointでは、チャットに投稿をしたり、投稿に対して「感謝」や「ありがとう」といったリアクションをつけたりした場合にポイントを付与します。そのポイントを貯めることで、ギフトへの交換ができたり、特に感謝したい相手にメッセージとともにたくさんのポイントを送れるサンクスカードを利用したりすることができます。


Chrono Pointの運用を開始して1年経過した頃、「Slack」での投稿・リアクションの数は増加し、一定の成功はみられましたが、一方で、積極性や活用度にユーザーによるばらつきがあるという課題も見えてきました。そこで、社員の積極的なChrono Point活用を促進しつつ、積極的な人も消極的な人もそれなりにメリットを享受できるような仕組みとしてゲーミフィケーションの要素を導入しました。

その1つが「AP(アクションポイント)」とレベルアップの仕組みです。投稿やリアクションなどを実行すると、ゲームの経験値のような「AP」がたまります。ユーザーはたまったAPを使って、ポイントを獲得する能力をレベルアップさせることにより、一度にもらえるポイントの数を増やすことが出来ます。レベルアップに必要なAPはレベルが高くなるほど量が多くなります。これにより消極的なライトユーザでも比較的すぐにレベルアップ出来るし、積極的なヘヴィユーザはより長くやり込んでもらう、ということを意図しています。



このように様々なスタンスの社員が楽しみながら参加できるようにすることが、自発性を後押しできると考えています。ゲーミフィケーションの導入後、サンクスカードの送信者数、ギフトの交換者数に増加がみられ、Chrono Point活用に対する全社的な積極性が向上しました。

社内での情報共有は、意識して取り組まないとなかなか進まない部分もありますが、社内ポイントシステム・コミュニケーションツール・ゲーミフィケーションを組み合わせることにより、日頃のコミュニケーションの活性化はもちろん、社員同士の感謝の気持ちを表現するという取り組みが自然と行えるようになりました。Chrono Pointの運用で、社員同士の相互理解はもちろん、心理的安全性の確保や各社員の積極的なアクションにつながっています。

 

―今後はどのような活動を計画されていますか?

年度末に行ったChrono Pointの利用に関するアンケートの結果を踏まえ、要望のある機能を追加していきたいです。また、ゲーミフィケーション的な要素については、ユーザーが慣れてくることは飽きてしまうことにも繋がりやすいので、管理画面からの簡単なパラメータ変更により、ユーザー体験にバリエーションを加えられるような機能も追加したいです。

 

―最後にメッセージをお願いします。

社員間のコミュニケーションが活性化し、感謝の気持ちを表現する活動が広がることにより、それを促進するシステムを開発・運用している部門・担当者へも感謝が返ってきてモチベーションも向上します。このような好循環も、サービスを構築し日々改善していくサービスマネジメントによりもたらされる価値の1つであると思います。

 

アステリア株式会社様、情報提供ありがとうございました。

システム管理者の会では、ITシステムを支える方々に感謝の気持ちを伝えたり、活躍を表彰して功労を明らかにしたりする活動を、引き続き募集しています。