「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第11回】 運用の良し悪しはプロセスとルール、そして基本のチェック作業で決まる!!

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

もう6月!
 
月日が流れるのが早すぎです(泣) 
 
バタバタしてるうちに、今年も半分が過ぎてしまいました。 景気のように天気もすっきりせず、憂鬱な梅雨の季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 梅雨が明けた頃には元気な夏空と共に景気も勢いを回復してくれたらと祈るばかりです。
 
システムは取り決められた機能要件に基づいて作られたAPLによって機能を提供してるように、運用でも多くのルールによって作業が遂行されてる。 
システムとの違いはそれをソフトやAPLで行うか人手で行うかであり、システムは作られた通りに機能するが運用はルールという人の曖昧さの下で作業が進められるため そこにミスを発生させる多くの要因が隠されている。 
ルールは破られるものであり、全ての人がシステムのように動くものでもなく、その上でシステムと同じ品質を運用も求められてる過酷な業務であるが、そうは言ってもハードやソフトでは成しえない運用作業のほとんどを人手で行わざるを得ない現実がある以上、取り決めやチェック作業をどれだけきちんと行え、それらを後世にきちんと継承しているかが運用の良し悪しを決定する鍵だとも言える。
 
さて、前回までスケジュール管理、運行・監視管理、入・出庫管理と一サイクルが終わり、今回からは障害管理、貸し出し管理、デリバリー管理のまとめに入ります。
少しでも何かのヒントになればいいのですが、特に苦情も寄せられていないようなので(笑)この感じで進めさせていただきますが、ご意見・要望・質問などがありましたら遠慮なくご連絡ください。
 

運用管理体系

掲載資料1
 

障害管理

掲載資料2
 
掲載資料3
 

障害管理のワンポイント

    □ ①出来上がったシステムは完全だとは思うな
    □ ②発生しやすい障害事象は運用が一番知ってる
    □ ③障害が運用のチェック作業を増加させる
    □ ④発生都度運用対処が増加しない対策を
    □ ⑤起きた事象より開発規定や運用設計、あるいは引継ぎチェックポイントに活かせ
    □ ⑥オペレータの確認・判断・介入要件をなくせ
    □ ⑦障害だけに囚われず、関連する他の管理も合せて考える

貸し出し管理

掲載資料4

掲載資料5

 

貸し出し管理のワンポイント

    □ ①外部からの媒体持ち込み、外部への持ち出し禁止(本番運用は別)
    □ ②本番環境データは使用禁止
    □ ③本番環境と開発・試験環境とは繋がない
    □ ④単独行動しない(牽制)
    □ ⑤起きた事象より開発規定や運用設計、あるいは引継ぎチェックポイントに活かせ
    □ ⑥オペレータの確認・判断・介入要件をなくせ
    □ ⑦障害だけに囚われず、関連する他の管理も合せて考える

デリバリ管理

掲載資料6

 

掲載資料7

連載一覧

コメント

筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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