「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第15回】 引継ぎや伝承のためにも、取り決め事項は言葉や記憶ではなく、きちんと記録で残せ!

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

もう九月?
 気付いたら夏も終わり、今年もあと三ヶ月ちょっとになってしまいました。 ちょっと前まではあれほどの猛暑だったのが一転して急な涼しい秋に変わり、一時期よりは体は楽なんですが、 地球の気候が大きく変化してるのを身にしみて感じる今日この頃です。 
 
 さて、前回までの障害管理、貸し出し管理、デリバリ管理が終わり、今回からは新しくドキュメント管理、データ保管・管理、実績管理のまとめに入ります。 
 

運用管理体系

掲載資料1
 

ドキュメント管理

掲載資料2
掲載資料3
 

ドキュメント管理のワンポイント

    □ ドキュメント管理は苦手や先送りされることが多いが、一番先に手掛けること
    □ 運用はどれだけドキュメントがしっかり維持・メンテナンスされてるかが鍵
    □ コピーなどで同じドキュメントがあちらこちらにあるのではなく、ワンベストを
    □ すぐに修正できなくても、付箋や赤字訂正をしっかり
    □ ファイルするだけでなく、廃棄もしっかりと
    □ どこに資料があるか探しにくいドキュメントはいづれ使用されなくなる
    □ 作業したときに関連するドキュメントや修正するドキュメントが分かること

データ保管・管理

掲載資料4

掲載資料5

データ保管・管理のワンポイント

    □ 定期的棚卸で不要、不足媒体の早期発見
    □ 媒体は事故のもと。管理も多く、極力DASD化やオンライン化を
    □ 古い保管データは定期的にクリーニングやコピーして入れ替え
    □ 漏洩や紛失防止のためにも、入/出庫の管理を極力機械化(バーコード、ICタグ)
    □ 漏洩や紛失防止のためにも、入/出庫作業時での人の権限や行動、取り扱い、体制をしっかりと

実績管理

掲載資料6

掲載資料7

 

実績管理のワンポイント

    □ 運用情報は運用の大きな武器
    □ ただ運用情報を収集・蓄積しててもだめ
    □ 強い武器にするためにも、定期的に分析して情報を活かす
    □ 運用情報が今の運用状況を教えてくれる

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筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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