システム管理者のためのBookCafe

Vol.47 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
SATOSHI’s Review
このコラムをご覧の皆様はシステム管理者の方を含め、多忙な方が多いのではないでしょうか。海外と比較しても日本人は、残業が多いようです。そんな私も、残業が多く、上司に注意を受けます。そんな中、ふと手に取ったのがこの本です。

 

内容紹介

 
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
中島聡 著
今日も残業だ
仕事が終わらない
また先送りしてしまった
やりたいことが全然できない
もっと効率的な方法があるんじゃないか

そんなことで、日々悩んでいるみなさんに朗報です。
この本は、
「好きなことに思いっきり向き合う」
ための時間術の本です。

文響社 紹介文抜粋)

 

SATOSHI’s Review

著者の中島氏はプログラマー出身の方ですが、この本の中身は仕事のやり方に関するお話となっているため、ITに無関係の分野の方でも読みやすい内容となっています。
なかでも、元マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏のエピソードは、とても興味深かったです。
例えばマイクロソフトでは、会議は議論の場であり、資料は事前送付が原則となっているそうです。なぜそうなったかというと、多忙を極めるビル・ゲイツ氏が経営判断を迅速に行うための効率化の賜物だそうです。
皆様の中にも感じている方がいるかもしれませんが、日本では長時間の会議が多く、結論も先延ばしになるケースが多いです。
また、効率化の話の一例として、ビル・ゲイツ氏は専門の技術部員を雇っていたそうです。ソフトや製品に関する質問はビル・ゲイツ氏が直接担当者に聞くのではなく、技術部員の方を経由していたそうです。マイクロソフトといえど、社員全員が説明上手なわけではありません。そのなかで多忙なビル・ゲイツ氏が効率的に情報収集するには、要点をわかりやすく説明する技術部員の存在が必要となってくるのだそうです。

もう一つ、ビル・ゲイツ氏の性格を示す例として、”花の手配”を挙げています。
ビル・ゲイツ氏があなたに、パーティへの花の手配を依頼したとします。あなたは花屋に配達依頼をしましたが当日、配達業者が交通トラブルで届けられなかったとします。このような場合、ビル・ゲイツ氏はとても怒るというのです。
あなたに依頼されたのは、パーティへ花を準備することであり、花屋へ配達依頼をすることではないからです。日本でも”手段”と”目的”の話がよく出ますが、それをよく表している例ではないでしょうか。

この文化で仕事をされていたからかはわかりませんが、中島氏も”手段”と”目的”を意識されているようです。
なかでも、待ち合わせのエピソードが印象的でした。待ち合わせの5分前を目途に現地に到着するように、予定を立てる人が多いのではないでしょうか。この場合、電車遅延などが発生すると、遅刻してしまいます。中島氏の場合、30分前には近くのカフェでコーヒーを飲めるように予定を立てるのだそうです。

そんな本書の中で、私がこれから取り組みたいことは、プロトタイプ思考です。ドキュメントでもプログラムでも、必ず何かしらの指摘があり、直すことになります。であるならば、まずプロトタイプを作成して、大まかな流れと工数を把握し、提示する相手(上司、お客様)とのギャップを埋める作業を行う必要があるからです。
初めから100%を目指しても、必ずやり直しになるため60~80%で提出して完成度を高めるやり方です。中島氏もマイクロソフトや、その後の職場でもこのやり方をもとにしていたそうです。

より詳しいことを知りたい方は是非、本書を手に取ってみてください。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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