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現場で役立つ文書作成のポイント 第9回 社内企画書の書き方、テクニック
2007年03月07日 11:41

社内企画書の書き方、テクニック

今回は、実践編第2弾として、「社内企画書の書き方、テクニック」をとりあげます。社内でなにか新しい業務を開始する際や、今までと違った業務アプローチを実施する際には、多くの場合企画書を作成し、社内のコンセンサスを得ることを実施します。自分の企画を他の人に正しく理解してもらうためのテクニックをご紹介します。

企画書の基本要素
企画書の基本要素として必要な項目としては、

      1. 企画の背景(何故企画を立てるか)
      2. 提案の内容(何の企画か、商品開発企画か販売促進企画か)
      3. 予算(その企画にはいくら使えるのか)
        があげられます。
        さらに、企画のスタートとは、企画書の提案を求めるための企画内容の説明を受けたとき、あるいは、企画を立てる前の準備が整ったときの時点になりますが、上記の項目のような前提条件を明確にしないと、企画作業を進めることは困難になります。
        その他の要素として、

      4. 企画の狙い(依頼者は何を求めているのか、どんな効果を期待しているのか
      5. 実行予定期間、地域(その企画はいつ、どこで行うか)
        が企画書作成の前提として必要な情報になります。
        そのためには、企画を開始する時から、担当する課題についての事前の知識を得ることが重要になります。その後に、企画課題についての情報収集、情報分析を行います。その結果、企画書を作成するに際して「考えられる」ことや、「思った」ことなどの仮説をたて、その後資料を作成することになります。 
        自分の企画を通すためにも、何のための企画か、その「目的」と、企画による「効果」の2点を、明確に示すことが重要です。

企画書のタイトル
企画書には、タイトルは必要です。タイトルは内容の概要をあらわすものですが、その文字数はあまり多くない方が記憶づけを容易にします。もし、いい足りなければ、さらにサブタイトルをつけるようにして理解を助けるようにします。
タイトルとサブタイトルの関係は、新聞や週刊誌の例のように、タイトルはやや抽象的に、あるいは、叙情詩的な純粋な感情に訴えるもの、そしてサブタイトルはやや解説調的に、というのが一般的です。 また、企画書のフロントページは、タイトルを挿入した部分を独立させて表紙を作る場合と、とくに表紙を作らないで本文の上欄などにやや大きめの文字でタイトルを記入して前面の代わりにする場合があります。

企画の環境
これは、企画立案のために収集した情報やその情報の分析内容を、紹介する項目です。
企画書に結論だけを記入すると、何故そうした結論が導き出されたのか、企画書の読み手には内容の仕組みが理解できなくなります。グループ別の特質を明らかにする必要があります。
読み手の中には、どうしてその結論が必要なのかを理解できる人もいるかも知れませんが、多くの読み手は、その導入プロセスが欠落すると理解できなくなります。 

企画のコンセプト
コンセプトは、文字通り解釈すれば「概念」ですが、企画書作成の場合には、「企画の内容を読み手に良く理解して貰えるよう、シンプルで明晰な言葉遣いによって、全体像を表現する」と強い共感を得られます。 ですから、コンセプト文をタイトルとして表紙に記載したりします。
「あれっ、コンセプトを言い表す文章と企画書のタイトルとはよく似ている!」と気がつかれる方もいると思います。タイトルは企画書の、全体像を表現しており、しかも、コンセプトは企画の構成を意味します。当然、両者は似てきています。

企画の目的
企画の目的は、その企画が何を目的にしたものなのかを明らかにする項目内容です。問題点を解決することが企画の目的になります。企画の目的は、現状を把握した企画の背景が企画を必要とする状況であるとして、位置づけられたときにはじめて設定されます。
ただ、その状況をいくつもの項目に羅列するだけではなく、企画背景や企画の必要状況が理解され、企画を実施すると目標とする利点を得ることが出来るとわかるような、期待のもてる文章にまとめることも大切です。
そして、それらを解決して得られるものが、新しい未来像である目標になります。 さらに、目的が複数にまたがるような場合、それを統一できるようなタイトルを一本化にすると良いと思います。タイトルやサブタイトルを面倒がる人もいるかも知れませんが、読みやすく、しかも理解を容易にするための努力は惜しむべきではありません。 

企画の内容
前項の目的を達成するための具体的な行動提案だけに、企画書のなかで最も重要な項目です。
企画の内容は、大別すると、全体構想と部分構想に分けられます。
また、部分構想では、企画の目的を果たしている内容を分類して説明しますが、企画内容が複数である場合には、やはり全体のタイトルを付して、その後に企画内容に分けて記述した方がベターです。 
課題を解決している企画内容そのものに関する情報は、どのような企画を行っていくのか、具体的な施策・戦術などを表現する情報によって構成されます。
全体構想では、全体像をラフスケッチして、論理性に欠けたところや、構想の偏りをなくします。しかも、それらの前提条件を、ターゲットを中心に、課題と対比させてクリアーするように、部分をつめていきます。

企画の問題点
企画書は完璧なものではありません。ですから企画書には、現段階で考え得る問題点やその理由を記入しておきます。
企画課題などがもつバックグランドの変化には、技術的課題、あるいは、社会背景等があります。その前兆である消費者動向、あるいは、市場動向にも十分に注意します。 
その理由は、企画によっては、ある段階で付帯項目をあきらめて見切り発車する必要性も存在するためです。また、今の段階では問題にならなくても、実施段階になってから問題点が生じることもあるということが十分予測できます。

企画の効果
企画の効果とは、現段階での予測になります。プランナーとして、是非、企画の効果予測を内容に盛り込んで貰いたいものです。この場合の効果の表現は、目標などよりも更に具体的に提示します。 情報技術の発達した現在では、効果予測のシミュレーションなど、パソコン操作により容易に実験が出来ます。信頼性の高い企画を立てるにはシミュレーションツールは是非活用したいと考えます。

企画の予算
なぜこのような必要が生じるかについては、詳細項目で説明します。正確にいえば予算ではなく予算案でよいのです。それは、この段階では確定予算ではなく、あくまで検討のための資料の一つであるからです。ただし、出来るだけ項目別に区分けして記述する必要があります。企画の予算は、もちろん正確な数字が出ればそれにこしたことはありませんが、現段階で分かる範囲の推計でかまいません。

日程(スケジュール)
その具体的な内容については、詳細項目で詳述します。この場合もまた、あくまで予測になります。
ただし、単純に作業区分ごとの所用日時を予測するだけではなく、それぞれの作業の関わりを考慮して日程を予測する必要があります。

企画書の基本構成
企画書の基本構成は一般的なフォームとして、

序論......企画の前提条件となる課題の確認および企画の方向性等を示す
本論......内容の説明と具体的な提案
結論......企画のメリットならびに実施の必要性を説く
この企画の基本構成は3つに分け全体構想の概要を考えます。

【企画書作成のヒント】

ビジュアル要素を加えた企画書
文章による表現に頼るのではなく、グラフやフローチャート、写真などビジュアル系要素を用いて説明するスタイルです。このようなフォームを採り入れることができると、企画のプロが書いた企画書に劣らない出来映えと言えるかもしれません。
しかし、ビジュアル表現とは意外に紙面のスペースをとります。そこで、ビジュアル化することで十分に意図を伝えるものにするには、文字による表現を割愛するなどの工夫が必要になります。

企画書は出来るだけ短い方がいい
企画書は出来るだけ短く――これが原則です。よく初心者の犯すミスとして、情報収集の際にキヤッチした業界情報などを、くどくどと企画書に書くことがあります。長文を要する場合においては、その企画書全体を要約したページを設けることも必要です。
基本的に企画書は簡潔であれば簡潔であるほど理解しやすいという長所があります。

タイトルと表紙の書き方
タイトルと表紙は、企画の顔です。表紙によって企画書の印象が決まりますから、作成には十分注意します。 
その場合、チェックポイントが二つあります。タイトルの文章表現と表紙のレイアウトです。 
タイトルの文章表現には、大別して二つの方法があります。

      • 「問題提起型」
      • 「解説型」
「問題提起型」とは「新店舗にはどんなニーズが期待できるか」のように、読み手に質問する形の類です。「解説型」のフォームはタイトルが「新店舗の目的はファミリーニーズの吸収」のように、企画書の内容を要約したものです。
どちらがよいのか、一概に言えません。ただ「問題提起型」の方には注意を惹きつける迫力があることは間違いありません。そこで、企画内容がアクティブであるときは「問題提起型」を、やや落ち着いた論調をもちいるときには「解説型」を、というように使い分けるのがモードをハッキリさせることになります。 
表紙は、ビジュアル化の傾向にあります。表紙は、必ずつけなければならないというものではありません。1シートの場合は、当然、短いものは省略される場合もあります。

      1. 文字だけで表現した場合
      2. その文字を罫線などで囲んでメリハリをつけた場合
      3. 企画内容に即した写真やイラストを入れた印象度合いを、強める場合などのケースがあります。
目次の書き方
目次などと軽く考えてはいけません。目次はいわば、情報工学で言う検索システムです。 
長い企画書には、目次が必要になります。 
たとえば、膨大な価値あるデータを収納したデータベースがあるとします。しかし、いかに内容量が膨大であっても、それだけでは何の価値もありません。必要な情報を簡単に取り出すための便利な検索システムが備わっていなければ、人間はそのデータベースを使用することが出来ないからです。コンピュータをいじったことのある人なら、身にしみて実感できるでしょう。 
企画書の場合も同じです。いかに内容がすぐれた企画書であっても、そのどこにどの様な情報が盛り込まれているのか検索の使用がなければ、価値がグンと減少します。
たとえば、プレゼンテーションの場で皆さん方がとても素晴らしい説明をしたとします。それに感心したクライアントなり上司が、一人になってからゆっくりその下りに目を通そうと思っても、どのページか分からないために探すのが面倒になってしまいます。 
これでは、説得の絶好の機会を逃してしまうことにつながります。また、技術者などの専門家は、企画書のなかに、自分の専門に関わる部分がどこか、分からないので目を通す意欲を減退させてしまいます。これもまた、絶好の機会を逃すことを意味します。 
もちろん短い企画書は、目次など不用です。しかし、長文の企画書の場合は、必ず目次をつけます。これを忘れないで下さい。
なお目次には、

      1. 単純な目次
      2. 企画書内容が全て分かるように配慮された目次
の2種が考えられますが、もちろん2.の方がより望ましいことはいうまでもありません。

目次作成の段階で構成を再考する
企画書の基本構成で説明してきたように、企画書の(企画そのものでなく)出来不出来は、その企画書の論理構造、つまり展開の手順に左右されることが多いのです。
ところが目次の作成は、この論理構造を箇条書きにして並べるのと同じことです。箇条書きにすれば、論理構造のみ誰や、同じ論理構造のインパクトの弱さなどが一目瞭然になります。 
そこで、たとえば、企画環境などよりコンセプトを前にもってきた方がつよいな――などと、この段階で展開手順の変更に気づくこともあると思います。その意味からも、目次の作成は、考える以上に気配りの必要な作業になります。

次回以降は、以下の内容を予定しています。

      1. 業務報告書の書き方、テクニック
      2. 詫び状の書き方、テクニック
      3. メールの書き方 テクニック
運用テクニック
現場で役立つ文書作成のポイント

現代人が社会生活を送るうえで(特にビジネス活動を実践する場面)、文書は「人と人とを繋ぐ重要なコミュニケーション手段」であり、時によっては、「意思決定手段」でもあります。
ビジネス文書を作成する際にも「文は人なり」と誤解し、自分の世界に埋没したような「文」を作成するケースが多々見受けられます。しかし、ビジネスの場面では、「文書」は上記のように重要な位置付けを担いますので、論理的に構成され、結論が明確に表記されたものを作成する必要があります。
当ページでは、社内現場で役立つ「文書作成」の基本をシリーズで掲載し、読者の皆さんが、ホンモノの文書作成力を身につけるポイントを提示いたします。

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佐藤陽一

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