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現場で役立つ文書作成のポイント 第3回 文書構成方法
2006年11月08日 10:54

文書構成方法

今回は、ビジネス文書に求められる文書構成の方法について説明します。

文書を書き始める前に
ビジネス文書を書く場合、何よりも準備作業が肝心です。準備作業としては、次のものがあります。

      1. 読み手と文書の目的を明確にする
        まず、読み手が誰であるかを考えます。読み手の立場や知識のレベルで文書の構成が変わってきますので、読み手を明確にすると、その文書の用途・目的が明らかになり、文書の機能と役割をはっきりすることができます。
      2. 目標を明確にする
        書きやすく、読みやすい文書を書くためには、文書の目標と主張したい内容とを明確にすることです。決めた主題に基づき、あらかじめ書きたいことをまとめます。この作業によって文書の方向性がでてきます。方向性がはっきりすれば、おのずと読みやすい文書が作成されます。
      3. 主題を明確にする
        ビジネス文書は、随筆や小説などと違い、まず主題を明確にする必要があります。随筆や小説などの場合は、ぼんやりとしたモチーフがあれば、文章を書き、最後に主題をつける場合もあります。しかし、ビジネス文書の場合は、トップダウンで文書の構成を行う必要があることから、まずは、主題の決定を最初に実施する必要があります。

記述の順序
ビジネス文書は基本的に、「序論・> 本論 ・> 結論」の順番で書きます。また、報告書が主目的のビジネス文書では、結論の内容を先に書く方法(重点先行主義)もよく採用されます。時間のない人が読む場合には結論だけで十分な場合が多いからです。

序論
序論は、通常見出しとして「はじめに」とか「要約」、あるいは「序論」そのものが付けられるものです。これらを総括してここでは「序論」とします。
序論で書く内容は以下の通りです。

      • 問題提起
      • 関連する調査の紹介
      • 問題に対する解決方法、解決方法のアプローチ方法の紹介
この書き方と順番には一定のルールがあり、それは弁証法の論理構造を用いる方法です。
弁証法には、ヘーゲルやマルクスの弁証法がありますが、ここでは、ヘーゲルのものを簡単に紹介します。
ヘーゲルによって定式化された弁証法論理には、「定立」「反定立」「総合」の3段階があります。
「定立」はある判断を示します。「反定立」は定立と矛盾する判断を示します。「総合」は正反二つの判断を示します。この3段階を「正反合」と略称します。
序論を「正反合」の順で記述する具体例を以下に示します。

正:「ITユーザ満足度は重要な問題があって、これまで多くの調査がなされてきた」
(以下、関係調査の概要紹介)
反:「しかし、ベンダ・サービスに対するユーザ企業の満足度についてはほとんど調査がされていなかった」
(以下、関係する議論)
合:「そこで当委員会の目的は、ユーザ企業のベンダ・サービスに対する満足度調査を行うこととした。
サンプリング数は、統計分析可能な1000以上を収集することとした」

注意点としては、正では比較的広い範囲を論点とし、反と合ではより狭い特定の問題を論点にすることがあげられます。序論で書く正反合の論理は、「一般から個別へ」と展開します。
次の本論では「個別から一般へ」の展開になります。

本論
本論では、序論で設定した問題を受けて、読み手が検証可能な「方法」を説明します。
これは、データの収集方法、解析・分析方法、観測方法などで客観性が求められる部分です。
次に調査や分析、あるいは研究・開発の結果を書きます。これはビジネス文書の最も重要な部分です。
先に説明した「方法」によって得られた事実とそれが序論で提起した問題の解決に対応しているのかという論理を説明します。
この結果の記述は、論理の展開によって行います。読み手が納得できる解釈や推論、および意味付けを含むようにします。ここは、文書を書く上でもっとも頭を使う部分になります。
さらにここで書く「結果」は提起した問題の解決に直接必要なものの記述を中心に行い、その結果を踏まえてさらに生じる2次的な問題を「考察」で扱います。
「考察」で述べる論点の主要なものは以下の四つです。

      1. 調査・分析、研究結果の位置付け
      2. 他の同種の調査・分析、研究との比較
      3. 他の同種調査・分析、研究結果の再解釈
      4. 当該調査・分析、研究であり得る問題点と将来の課題
ビジネス文書を作成する上で、さらに細かい配慮が必要となるものがあります。
説明文や記述文、報告書などでは是非留意してください。

      1. 各部分を記述する順序
        各部分が分類可能であれば、その分類にしたがって書きます。分類には、機能別、性質別、順位別、および重要度別などがあります。
        分類が困難な場合は、空間的配列(上から下へ、左から右へ)、時間的配列(過去から未来へ)を原則とします。
      2. 考察や議論などの論理展開
        論理展開文は、論理の組み立て作業そのものです。書き手の論理展開方法によって記述の順序が決まります。従って、論理の順序の選び方や書き方を工夫する必要があります。
        論理の欠点を指摘しながら、自説を主張する
        自説を主張してから、規制の論理の欠点を主張する
        いくつかの事例から自説を導く帰納的展開をする
        自説を述べて、それを検証する
        普遍的で受け入れやすい論点から、自説の主張へ導く
        これらの方法からいずれを選択するかは、想定した読み手に応じて決めます。
結論
これまで、述べてきた「序論」と「本論」を踏まえて結論を述べる節です。
「まとめ」や「おわりに」とすることも多いですが、明快なビジネス文書を目指すなら、以下のような結論の内容を記載すべきです。

      1. 本論の主なポイントを簡明に列挙してまとめる
      2. それらの重要性を強調し、将来への発展への道を示唆する


次回以降は、以下の内容を予定しています。

      1. 構成案の具体的作成法
      2. わかりやすい文書とは
      3. 文書の内容を深めるためのテクニック、練習法
      4. 文書レビューの方法
      5. RFP(見積要求仕様書)の書き方、テクニック
      6. 社内企画書の書き方、テクニック
      7. 業務報告書の書き方、テクニック
      8. 詫び状の書き方、テクニック
      9. メールの書き方 テクニック
運用テクニック
現場で役立つ文書作成のポイント

現代人が社会生活を送るうえで(特にビジネス活動を実践する場面)、文書は「人と人とを繋ぐ重要なコミュニケーション手段」であり、時によっては、「意思決定手段」でもあります。
ビジネス文書を作成する際にも「文は人なり」と誤解し、自分の世界に埋没したような「文」を作成するケースが多々見受けられます。しかし、ビジネスの場面では、「文書」は上記のように重要な位置付けを担いますので、論理的に構成され、結論が明確に表記されたものを作成する必要があります。
当ページでは、社内現場で役立つ「文書作成」の基本をシリーズで掲載し、読者の皆さんが、ホンモノの文書作成力を身につけるポイントを提示いたします。

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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ

運用プロフェッショナルサービスグループ

佐藤陽一

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