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「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」 【第2回】 今の運用を知る上で重要な『今と昔の運用の違い』に触れてみよう
2008年12月10日 10:57

早くも今年残りわずか

長かった暑い夏が過ぎたと思ったら早くも暮れを感じる季節となりました。
光陰矢のごとし、ただでさえ月日の過ぎ去るのが速く感じるのに、その速さが一段と加速してるように感じられるのは気のせいでしょうか... 
そんな時候、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

日に日に寒さも増し風邪を引く方も多くなってきましたが、
日ごろ気を使い精神的にも辛い仕事をされてて、ちょっとした気の緩みや油断から体調を崩したりしても
立場によってはその方がいらっしゃらないと一日ばたばたしたり運用が回らないこととかを考えると、 
体調が多少悪くても無理して出社してしまうのが運用の方には多いのではないでしょうか。

なにやら最近の風邪は今までの風邪と違ってワクチンが効かない新型のウィルスだとか、
流行れば相当な猛威となるようですし、ただでさえ少ない人数で作業を遂行されてる運用の方は特に気をつけていただきたいものです。

そんな感染するウイルスのように昨年のアメリカから発せられたサブプライム問題の影響は世界経済に大きな打撃を与え、 その波紋はここ数ヶ月急速に日本にの襲い掛かり、暮れも間近だというのにニュースでは大企業の大量人員削減や 来年度はもちろん今年度予算の大幅削減などの話題がちらほら出始め、設備更改や増員、また、やりたかった改善も先延ばしなど、 長かった暑い夏の次は長く暗い冬の訪れか......(泣)

景気が良くても悪くても、どちらにしても運用は様々な影響を受け、社会や経済の暗いニュースを聞くたびにため息を ついているかたも多いのではないでしょうか。 こんな時世だからと悲観し何も手を付けないのではなく、こんな時世だからこそ運用のみなさんでできる改善は沢山あるはずですし、 いい運用のためにも少しでも積極的に取り組み、強い運用になってこの不況を乗り越えていただきたいと願うばかりです。
予算をかけない地道な改善は本来の改善の姿ですし、日ごろ手を付けられないところに手を入れるいい機会だとも思います。
この地道な改善を繰り返し続けることが運用を強くもするし、こんな時世でも生き延びらえる組織となってることを
いつかみなさんも実感できる時が必ずくると思います。

さて、前置きが長くなりましたが、暗い話はこのぐらいにしてそろそろ本題に移りましょう。
第二回のキーワードは今と昔です。
みなさんが感じられてる多くの問題がどうして出てくるのかはこれからお話する経緯でちょっとはご理解いただけることと思いますし、 逆を返せばいい点を取りいれることだと思います。
さて、どんな違いが・・・・・・

運用の昔と今

運用を初めて、あるいは最近見たり携わられた方にとっては、今見てる状態がごく当たり前の運用に見えることと思います。
でも、みなさんが携わってる運用は今動き始めたのではなく、だいぶ前に導入されてから様々な変化を繰り返しながら
今の姿になってきたはずです。
スタートは一緒でも、業種、システムの規模、ハード、メーカ、ソフト、ツール、システムの規模、運用の仕組み、要員、性格、スキル、管理、そして、世の中の変化やその時々の様々な決断が今日の運用の姿を作り上げてきました。

ここ最近の運用は図1【運用の昔と今】にあるように以前の運用の姿とはだいぶ様変わりしてきました。
もちろん運用は様々なのでこの通りではありませんが、今の運用になるまでには大きくは三つの変化を遂げてきました。
その時々で何を重視するかにもよりますが、生産性や効率化を追求し続けた結果の姿ですし、
その結果よくなったことも、また、失ったものも多かったと思います。

多分みなさんが抱えられてる多くの問題点の原点や解決するためのヒントはこの変化の中に隠れているはずです。
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図1 運用の昔と今
  1. (初期)開発しながらの運用
  2. コンピュータが普及し始めたころは運用や管理するという専門の仕事や言葉もなく、あくまでもデータを処理するための一つの道具や手段であり、 システムを開発した人が運用を受け持っていたのが運用の出発点であった。 自分で作り自分で運用すれば当然人は面倒とか大変さ、早く終わらせたい、楽になりたい、トラブルを出したくないという意識が働き、 限られた資源の中での効率化、品質向上を自らのために追及し始めたのが運用改善の原点でもあったよき時代でした。 初期のころはまだシステム規模は小さく、開発しながらの運用でもなんとか回っていたが、システムが増えれば当然掛け持ちも。 また、システムが人に依存していたため、作りや運用の仕方も人の特性が現れ、テクニックが技術者としての誇りでもあった時代でした。
    キーワード
    【システムと運用が分かる、人の意識が運用改善に、自然に運用設計、品質向上】
  3. (昔)運用を経験してから開発に
  4. システムの規模が膨らみ徐々に生産性向上への対応が求められるようになってきたが、現在のように開発者を増員するということはなく、 開発は運用が分からなければだめという時代でしたし、また、受け持つシステムも一人では休めないしローテーションもしにくいため、 複数体制で経験年数や先輩・後輩の関係から、運用が一通りできるようになってから開発させてもらえるという今でいうキャリアパスの原型ができあがった。 また、開発しながらの運用では人にシステムが依存することによるデメリットが出始め、人が作ったシステムはドキュメントがあっても分かりにくいし、 まして複雑なテクニックを使われたり、アセンブラー言語を多用されると後のメンテナンスが大変だという声が高まり、 開発言語や記述・構造などの標準化が騒がれた時代でした。
    キーワード
    【システムと運用が分かる、運用が分かってから開発、自分で運用設計、品質向上、ローテーション、開発の標準化】
  5. (従来)作業役割の分離
  6. ハード・ソフトの急激な進歩に伴い、世間ではなんでもかんでもコンピュータ化が進み、当然システム規模は急速に膨らみ、要求スピードも速まり、 開発しながら運用する体制ではもはや限界となっていた。 当然世の中は生産性を重視し泥臭い運用作業を分離することで、開発に注力した。 開発にはツールが導入されたり体制の増強や予算も付き、開発状況も社内の広報に出たりとか、華々しさの一方で 運用はというと、要員の増強はままならず、運用をやりたがる人はいないし、コスト削減は常日頃、 悔しい思いをされた方もこの中にはいらっしゃるのではないでしょうか? 最近になってやっと運用の重要性が問われ始めましたが、このころは運用はまだ雑用みたいな見方も多く、日の当たらない縁の下の力持ちと言われ続け、確かに生産性は格段と向上しましたが失ったものも多く、この時が今の運用の明暗を分けた大きな転機だったと思います。 
    キーワード
    【生産性や作業効率向上と引き換えに、運用を知らない人が開発、運用作業の増加、品質低下、運用設計力低下、モラル低下】
  7. (現在)増えるシステム、混在するシステム
  8. 従来の開発と運用が分離されてからは現在も主流としてこの体制が続けられているが、オープン系の出現や自動化によって運用作業もさらに変化してきた。 今までのメインフレームだけでなく、多くのサーバ群で構成されたシステムの監視をいきなり任され始め、ただ決められた通りに運用するだけだが、 構成もやることもサーバやOS、搭載ツールによって様々だし、管理や作業、また、トラブルも急激に増加。 せっかく築いてきたトラブル削減、安定化や効率化は一気に吹き飛ばされ、まして、従来のように運用が手出しできず、標準化やルール、 また運用設計もオープン系の世界ではまだこれから。 そのような状況で、叫ばれるITIL、BCP、JSOX。 運用や運用設計の重要性が問われているが、開発・運用の分け方だけで簡単にできるものではなく、日本で根付くにはまだまだ時間がかかりそうです。
    キーワード
    【ベンダー主体でますます運用不在、一方で運用の重要性、オープン系運用設計、標準化】

ヒントは見つかりましたか?

環境の変遷


運用の姿は前項で述べた【運用の昔と今】にあるように、その時々の状況により様々な変化を遂げながら今の運用にたどり着きました。 その中でも図2【環境の変遷】にあるように、ハードの進化も運用の変化に大きな影響を与えてきました。

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図2 環境の変遷

やはりハードの進化やシステムの規模、ネットワークの広がりに伴い、運用作業は増加したり自動化されることにより一時的には減ったが、 ここ最近のサーバ化でまた増加の一途をたどってるようです。 このように運用は絶えず環境や周りの状況に影響されながら様々な変化を繰り返しながら現在の運用の姿にたどり着いたわけですが、 言い換えれば、今後も環境の進化に伴い運用は日々変化していくということになります。 その一つとして、現在はメインフレームよりオープン系が主流となっていますが、逆にオープン系よりメインフレームに回帰されるユーザも時々見受けられ、 将来的にはメインフレームとオープン系が統合されるようなグローバルサーバ的な環境での運用も間近なのかも知れません。

ホストの運用とオープンの運用


運用という視点で見ればメインフレームもオープン系も使う道具が違うだけで一緒だといえますが、問題はそれらの道具の構成にあります。 次の図3【ホストの運用とオープン系の運用①】にもある通り、仮に同様なことをお互いにさせたとすれば、それらの開発や維持管理するために 必要となる労力は相当なものだと一目で分かると思います。 必ずしもそうとは言い切れませんが、開発や構築しやすいメリットはあるものの、いざ運用が始まると同じことをするにしても この構成の多さがオープン系としての弱点にもなります。

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図3 ホストの運用とオープン系の運用①

メインフレームとオープン系では特性が違うため単純比較はできないが、違いとしての比較を図4【ホストの運用とオープン系の運用②】に簡単にまとめた。

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図4 ホストの運用とオープン系の運用②

メインフレームの運用とオープン系の運用の違いのイメージを比較してみると分かるようにシステムごとの構成が異なり、 その分維持・管理も手間がかかるが、メインフレームのような基本の環境を構築すればオープン系もメインフレームと同様な運用が実現できる。

図5【ホストの運用とオープンの運用③】はオープン系での複数のシステムがバラバラの環境で構築されたケース
図6【ホストの運用とオープンの運用④】はメインフレーム的な構成で基本的な運用環境の基で構築するケース

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図5 ホストの運用とオープン系の運用③

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図6 ホストの運用とオープン系の運用④

次回は


第二回では運用の違いや変化についてまとめてみましたが、この中から問題点のきっかけや解決するヒントを少しでも感じていただけたら幸いです。 次回第三回では今回触れたオープン系での問題点、運用のポリシー、目指す運用の姿について考えてみたいと思います。


だいぶ朝晩冷えるようになりました。 運用は体が第一です。

どうか風邪など引かないよう、体調には気をつけて頑張ってください。

それではまた次回お会いしましょう。

運用テクニック
「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である"カイゼン活かす"サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

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筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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回答数:22019年11月12日

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