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システム管理における人材育成 システム管理における人材育成 チームリーダーのリーダーシップ(6)
2006年10月11日 17:05

前回チーム作りとして、問題解決のステップを紹介しました。今回は、チームの人間関係面での凝集性を高めるチーム作りと、メンバーの行動様式上の悪いクセを改善するチーム作りを紹介したいと思います。これらの手法は問題解決のステップと並行して行うことができます。
先ず人間関係面でのアプローチですが、これは最近多くなってきている心のケアについての問題に対しても予防的効果があります。基本は、ミーティングなどの場で行います。自分について相手に語り、それを参考として互いに相手について普段思っていることを伝える場を作ることです。つまりチームで、一人一人を話題とする時間を持つわけです。しかしいきなり「あなたは・・・です」などと言い合うと、仲が悪くなったり、落ち込むメンバーがいるのではないかと不安を持たれる方もいらっしゃいますので、材料を使うとよいと思います。行動特性診断や性格診断などの材料です。もし入手が困難であれば、血液型や、星座、姓名判断でも構いません。「私はB型で自由奔放な面もありますが、実は気が小さく、初対面の人と話しできないんです」 という本人の発言に対して、「確かに、私もAさんは、口数が少ないと思っていました。しかし、少なくても発言は核心をついているので影響力は大きいと思います」「そう受け止められていると分かって安心しました」など一人(Aさん)について、ある程度の時間(一人につき10分程度)かけてみんなで話し合っていくわけです。10分間たったら次のBさんに移っていきます。一回の時間は1時間~1時間半ぐらいにして、残った人については日を改めて行うようにします。リーダーとしてのポイントは援助的な気持ちを持って臨むことです。それとその場、その場の相手に対する気持ち・感情(うれしい、悲しいつらい、楽しいなど)を表現するようにほんの少し意識して臨むことです。あまり鍛えてやろうなどと気負ったりすると雰囲気は重くなります。緊張感が高まって、話も弾みません。このようなチーム作りを行うと、終わったあと、各メンバーを非常に身近な存在として感じられるようになります。これがチーム作りの効果です。また、このような話し合いはそれ自体で治療的な効果もあります。滅入っている人、落ち込んでいる人も、その場の自分の気持ちを話すことにより自分を客観的に見る余裕ができるようになります。新しいメンバーがチームに加わったときなどに実施すると効果的です。少し話は横道にそれますが、チームである課題について討議しているときも、適宜その場の自分の気持ち、感情(フィーリング)を交えて討議する習慣がつくと、その話合いのエネルギーが高まってきます。例えば、「この問題に対するOOさんの発言を聴いてユーザーの視点に立つことがいかに視野を広げることになるか良く分かりました。何か心が晴れた様な気がします」とか、「さっき私が話しているとき、みんなは資料ばかり見て反応がないので、少し淋しい気持ちになりました」など、その場での気持ちも話すようにすることにより、討議への参画度合いは見違えるように高くなります。リーダーは、討議状況を見て、チームのエネルギーが下がってきたなと感じたら、この気持ちを話すことでエネルギーを取り戻すことができます。是非一度試みてください。その効果は実感として捉えられると思います。

次に、職場にある非効果的な行動上のクセを改善するチーム作りについて触れてみます。クレームや重大な問題が発生したとき、その対応や事態復旧を行いますが、それだけで終わらせず、その原因として職場メンバーの非効果的なクセにあることがありますので、チームメンバー全員で討議し、「もうそのクセはしない」と申し合わせをつくるチーム作りです。職場メンバーの非効果的なクセとは、例えば、よくミーティングが決めた時間の5分遅れで始まるクセがついているチームを見受けます。原因を探ってみると、数年も昔、チーム発足時の最初のミーティングが5分遅れて始まった。それ以来ずっとそのチームは5分遅れで始めている、などというものです。また別の例をあげると、仕事中、仕事に関係ないおしゃべりに時間を取られている職場もあります。第三者から見るとおしゃべりの多い職場だと気づくのですが、中に入っているメンバーには気づかないということがあります。個人的にはおしゃべりではない人たちなのですが、集まるといつもおしゃべりがはじまってしまう。これらはその集団が持っている行動上の「クセ」といえます。行動科学では「規範(Norm)」と呼ばれています。その集団で受容れられる行動、受容れられない行動が、(誰が決めた訳ではないのですが)決まってしまい、メンバーは誰もそれがいいとか、悪いとか改めて判断することなく従ってしまっている行動のパターンのことを言います。これについても、前回「力の場の分析」で紹介したクルト・レビンが研究したものです。良いクセについては大いに活用すべきだと思いますが、上の例のように効果的でないクセもあります。リーダーとしては、今、職場にどんなクセができているかを客観的に捉える必要があります。しかし職場の中にいる人には気づかないことも多いので、新しくメンバーになった人がいたら「何かこの職場について気づいたことはないか」を聞いて見るとか、ユーザーや他職場の人、上司から言ってもらうのも良い方法です。
このクセを直すには、自分達で「全員の申し合わせ」(「チーム運営のガイドライン」と呼んでいるところもあります)を作成するのが有効です。全員で集まって、直したいクセについて話し合いをし、「ミーティングは定刻に始めよう」とか「休憩時間以外、おしゃべりはしない」と申し合わせます。この話し合いはコンセンサスでやってください。そして紙に書いて見えるところに貼っておきます。その後、職場でこれら申し合わせに反する行動をしようとしているメンバーに対し、気づいた他メンバーが「OOさん、あれ」と言って貼り紙を指差す。これで充分、チームのクセは解消していくでしょう。クセが直ったら、その貼り紙は、「卒業」したことをメンバーに確認して、はがします。いつまでも貼っておかないこともポイントです。

以上のように、チーム作りとは、チームのさまざまな状況を改善(問題を見つけ改善する、人間関係の凝集性を高める、チームのクセを直すなど)するために、リーダーがメンバーと一緒に問題に取組んでいく「行動」によって成し遂げられるものです。是非、職場の状況に応じて取組んでみてください。職場が見違えるように変革されていくことを、実感してもらえると思います。

次回から数回に分けて、チームリーダーのコンピテンシーについて検討していきたいと思います。
運用研究レポート
システム管理における人材育成

システム管理における人材育成を、チームリーダーの役割、リーダーシップの視点、組織とコンピテンシーの関係から12回に渡って連載レポート。

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筆者紹介

株式会社 ビジネスコンサルタント

総研部長 岩澤誠

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