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ITシステム運用が貢献する地球温暖化問題 第6回 設備環境管理の構成とポイント
2010年05月26日 16:12

これまで環境問題からなぜシステム運用部門が設備環境管理まで行わなくてはならないのかを説明してきました。今回からはいよいよ実践編です。

■□ 設備環境管理の構成とポイント □■

設備環境管理のポイントは以下の2点に分別することができます。 
1.設備そのもの 
2.運用管理規定(手順制限禁止事項チェック方法) 
たとえばサーバー室の火災の対策には自動消火ガス設備や高感度煙センサーのような設備そのものと、「可燃物を置かない」等の管理ルールの両面からチェックしなくてはならないのです。

以下(1)~(11)に「構成とポイント」を具体的に提示します。
これは設備そのものと運用管理規定を織り交ぜた一例になります。(サーバー室内に限定して記述しており、建物立地や構造等建物そのものに帰属する部分は省略しています。)

(1)レイアウト

    • すっきりしている、整理整頓
    • 動線が確保されている
    • 運用スペース、保守スペースが確保されている
    • 機器や資材の搬出入に支障がない
    • 防災を意識している
    • 資機材保管庫との分離
    • 安全性の確保 など
(2)フリアク、床高、建物躯体(床天井)

    • フリアク有無、製品特性、強度
    • 床下状態、寸法
    • 天井裏状態、寸法
    • 天井材特性、強度 など
(3)電源

    • 供給側(電源設備)と利用側(サーバー機器類)両面から
    • 利用可能種類、量
    • 電源設備、回路仕様、使用状況
    • 現在の全体定格及び実使用量、個別機器の定格及び実使用量
    • 余裕量、種類
    • 追加可能容量(場所、配線ルート、停電有無等含む)
    • 品質(電圧、周波数、位相、高調波、ノイズ) など
(4)空調

    • 設備側(空調機)と利用側(サーバー機器類等)両面から
    • 利用可能容量
    • 追加可能容量(場所、配管ルート等含む)
    • 風流(ホットアイルコールドアイル等)
    • 熱負荷(個別機器容量、配置、建物特性、人員配置等) など
(5)物理セキュリティ

    • 必要性有効性評価
    • 入退室規制
    • 進入経路
    • 保護対象物の仕分けと現状分析
    • 画像、音声
    • ログ記録、扱い など
(6)火災対策

    • 防火、早期発見、延焼防止、消火に分類
    • それぞれサーバー室内と室外(建物側)に分類
    • 建物の設備と能力
    • サーバー室の設備 など
(7)地震対策

    • 建物の設備と能力
    • 保護対象機器の仕分けと現状分析 など
(8)水対策

    • 建物側図面(配管ルート、ポンプ、止水栓等)
    • 壁面状態
    • 天井裏配管、床下配管、隣接室内配管 など
(9)雷、サージ

    • 建物の設備と能力
    • 保護現状
    • 保護方法の検討 など
(10)埃、ガス

    • 建物の設備と能力
    • 発生の可能性評価
    • 保護現状
    • 保護方法の検討 など
(11)監視制御

    • 監視対象
    • 監視方法(運用との連関整理)
    • 制御の必要性
    • 制御ルーチン など
 

■□ 自動車部品メーカーのM社の事例 □■

自動車部品メーカーのM社では上述した構成要素全てにおいて、iDC以外の1ユーザーとしてはかなり高度に対策されています。その一部をご紹介いたします。
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ホットアイル・コールドアイルを意識したレイアウト
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情報表示器によりサーバ室全体を一元管理
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整理された配線
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UPSに加えて発電機による電源バックアップ
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静脈認証による入室管理で物理セキュリティ強化
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免震装置の設置による地震対策

 

点検保守はもちろん、運用管理ルールや教育、試運転(定期機能確認)なども実施されています。他社では発電機があっても、停電したとき動かず役に立たなかったなどという例も実際にあります。用意した設備が必要な時に稼動するか日々点検することも必要です。 
設備・環境異常についても24時間弊社で信号を受けており、対処や確認が必要なときはすぐに連絡して運用支援しています。また設備絡みの懸案があるときは、システム運用面から設備環境管理をサポートできる専門家が運用部門の一員として設備関連業者との打合せに出ています。設備運用コンサル兼監視サービスを上手に利用し、サポートサービスを導入してから設備系の障害は皆無で、業務や計画に支障を出したことはありません。このようなサポートはシステム運用担当者にとって次のような効果があります。

    • 適切な設備を選定できる。
    • 根拠を確認して妥当性を評価できる。
    • 予兆を掌握することで、障害を予防できる。
    • 不意の障害には自動制御で応急対応し、影響を極小化できる。
    • 障害が発生した場合は、ログから正確な状況と原因解析が容易である。
    • 障害後の対策が立てやすい。
    • 結果的に無駄な投資がない。
 

次回は連載最終回です。運用しやすい設備環境管理の実践方法について、また新しい設備環境管理方法をご紹介します。


株式会社ビーエスピーソリューションズ
「IT部門の環境管理」検討グループ
笠井 麻衣
運用研究レポート
ITシステム運用が貢献する地球温暖化問題

現代は、環境革命の時代である。
20世紀は、産業革命後の地球環境資源利用の加速やその後の情報革命による情報通信技術の飛躍的な発展等で人類の生活は先進国を中心に成長をとげた。しかし、その反面、地球環境は加速度的に悪化し、地球温暖化は深刻な事態を招く状況となった。2008年の洞爺湖サミットの開催や2009年の鳩山首相の国連での演説、デンマークでCOP15の開催等があり、既存媒体のニュースやインターネット配信等でこの問題は報道され、世界が注目する状況にある。
地球上の大気や海洋の温度は上昇を続け、地球温暖化による水面の上昇、異常気象が観測され、人類や生態系そのものにとって大きな脅威となっている。現在、温暖化が将来の人類や環境へ与える悪影響を考慮して、国際的にさまざまな対策が立てられている。
ITの世界でも大きな課題として注目され、「グリーンIT」というキーワードでくくられるようになった。しかし、「グリーンIT」は実施の範囲はひろくポイントがつかみにくいのが実態である。 本連載では、IT部門の視点で「環境問題」を考えると題し、
 ① 環境問題の背景
 ② 環境問題とグリーンIT概要
 ③ グリーンITの取り組み事例
 ④ IT部門としての環境問題解決の重要ポイント
 ⑤ 設備環境管理の推進
を順次掲載する。
掲載にあたっては、ビーエスピーソリューションズ内に「IT部門の環境管理」検討グループを立ちあげ、このグループメンバを中心に情報収集と資料作成にあたった。

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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ

「IT部門の環境管理」検討グループ 荷軽部 学

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回答数:22019年11月12日

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