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システム運用を語る、ITILの活用 第7回  サービスデスクについて
2006年03月01日 13:51

ユーザからの一元的な窓口として定義されているサービスデスクについてご紹介します。サービスデスクは、サービスサポート、サービスデリバリの11項目の中で、唯一「機能」として定義されています。

サービスデスクとは?
サービスデスクとは、「顧客・ユーザ(利用者)からの一元的な問い合わせ窓口」として定義されています。
問い合わせ窓口であれば、ヘルプデスクやコールセンターを想像することが多いと思われますが、従来のヘルプデスクとの大きな違いは、「一元的な問い合わせ」と「双方向型」であるということです。
ヘルプデスクへの問い合わせでは、ユーザ側が問題の原因を推定し、どこに連絡すればよいかを考えることになります。
利用者にとっては、自ら問い合わせ先を考えねばならず、実際に問い合わせたところ、「たらいまわし」にされたという話をよく耳にします。
利用者にとって最も便利なのは、1箇所(サービスデスク)に問い合わせをすれば、すべてのITに関する「インシデント」の回答や回避策が得られるインタフェースということになります。
サービスデスクは、インシデントの発生からクローズまでの責任を負います。ヘルプデスクでは、利用者が問い合わせを行った場合、別の部門や専門家から連絡が入ることになり、コミュニケーションが煩雑になります。従来のヘルプデスクは、IT側すなわちシステム運用側の都合でサービスが提供されているといってもよいかもしれません。
ITILが提唱するサービスデスクでは、ユーザ側の立場にたったITサービスの一元窓口として、SPOC(Single Point Of Contact)として定義しています。
※インシデント(管理)については、第5回、第6回を参照ください。
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サービスデスクにおける問い合わせの受け付け
サービスデスクへの問い合わせは、電話、メール、FAXなどの方法で受け付けを行います。最近ではWebインタフェースによる問い合わせシステムなども可能になりました。
インタフェース、ロケーションに関わらず、ITサービスの問い合わせ窓口は「ひとつ」であり、かつ、サービスデスクによるサービスは、個人のスキルに依存せず、組織的に同じレベルのサービスを提供することが求められています。
問い合わせの受付において大事なことは、利用者による「指名」を許してはならないことです。「この人の対応がよいから」といった利用者からの指名要求を認めてしまうと組織での対応にならず、結果「人」に頼った対応になってしまいます。
例えば、「Aさんに頼んだらやってくれたのに」といった苦情、あるいは「Bさんから折り返し電話がほしい」といった要求を利用者から受けることになります。これでは属人化を促進し、組織での対応が困難になってしまいます。そのためには、利用者にも理解を求め、サービスデスクへの問い合わせを徹底する必要があります。

インシデント管理と同様、サービスデスクはすべての問い合わせを受け付けることを求めています。
当然、すべての問い合わせを記録することにより、傾向分析を行い、対策を立てることができるようになります。しかしながら、すべての問い合わせを受け付け、記録することは、担当者に多大な負担を強いることになります。
ITILに書いてあるからといって、全てその通りを目指すのではなく、当初はすべての問い合わせを受け付けるが、一定の期間を経過した後に傾向を分析し、対応する必要がないものは件数のみを記録し、詳細は記録しなくてもよいといった柔軟な対応を行ってもかまいません。
また、サービスデスクからの情報発信も重要なサービスとなります。
ITサービスに関するサービスデスクからの情報発信により、ユーザのITに対する興味づけ、啓蒙活動、FAQ利用による問い合わせ件数の削減などを図ります。さらに、問い合わせしてよい内容(サービスカタログ)を周知するのもサービスデスクの役割のひとつです。サービスレベル管理との連動も欠かせません。
サービスデスクへの問い合わせを減らし、結果として、利用者に快適にITサービスを利用してもらうことを目指すものです。
ヘルプデスクというリアクティヴな活動と異なり、サービスデスクは問い合わせを受けるというリアクティヴな活動に加え、情報を提供するというプロアクティヴな活動によるサービスの向上を目指すものとして捉えるべきです。


次回は、「サービスデスク その2」への取り組みについてご紹介します。

  サービスデスクの設置方法

  サービスデスクを支える仕組みの構築

  サービスデスク成功の秘訣
    • サービスデスクからの情報発信
    • サービスカタログとの連携
  他のプロセスとの連携
    • サービスレベル管理との連携による、品質向上
    • インシデント管理との協力

ITSM/ITIL
システム運用を語る、ITILの活用

ITシステム運用のベストプラクティスとされ、今話題の「ITIL」について、お客様の現状や取り組み、事例などを踏まえ、その活用のための各種情報をご提供します。

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筆者紹介

株式会社ビーエスピーソリューションズ 

運用コンサルテイングチーム 藤原達哉

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