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サポートサービスにおけるリモートツールの活用について より質が高く効果性の高いサポートサービスへ
2012年11月21日 11:44

 近年のIT活用によるサービスレベルの向上に伴い、更なる顧客満足度の向上を実現するためにはソフトウェアの機能面だけではなく、サポートサービスを充実させることが重要となってきています。

今回、サポートサービスにおいてリモートツールを活用することによって得られる効果について調査を行いました。

 

サポートサービスとリモートツール

 ITシステムやソフトウエアのサポートサービスでは、コールセンターなどの窓口を設け、システムに関する質問やトラブルの対応を行なっています。基幹業務やオンライン業務などのクリティカルなシステムの場合、24時間365日のサポートを行うこともあります。

このようなシステムにおいてトラブルが発生した場合、迅速な対応をして、業務影響を最小限に抑える必要があります。

サポートサービスにおいて、緊急対応が求められる場合や、遠隔地への訪問を要する場合には、従来のメールや電話では迅速な解決が困難となる場合があります。解決までの時間短縮に有効な手段として採用されるのは、対象となる環境にダイレクトに接続可能なリモートツールや設備などです。

 

リモートサポートツールを検討する

一般に、遠隔地へのサポート用アクセスを可能にするためには、VPNVirtual Private Network)や専用線などを使用したリモートツールが使われます。この方法は、リモートサポートを行う操作側およびサポートを受ける受信側双方に個別に環境を構築する必要があるため、大きなコスト負担が伴います。

 

低コストで簡単に使えるリモートツールとしては、オープンソースであるVNCVirtual Network Computing ※)などが挙げられますが、VNCは通信が暗号化されていないため、基幹システムに外部よりアクセスしてサポートする用途としては不向きと言えます。それに対してパッケージベンダーから提供されるリモートツールであれば、ライセンス費用は発生しますが、導入社数も多く、セキュリティ面や保守の面からも安心してサポートを受けることができます。

 

例えばリモートツールに関しては、「ファイル転送機能」や「録画機能」などの円滑なリモートサポート対応を行う上で必要な機能が実装されています。

「ファイル転送機能」は、トラブル発生時の調査資料の取得や、不具合改修済みのパッチモジュールをダイレクトに適用することができ、「録画機能」については、対象環境へのアクセス開始から終了までを録画することでリモート操作でありながら作業履歴を残すことが可能です。

 

オンプレミス型とSaaS型のリモートツールを比較する

リモートツールにおいては、オンプレミス型とSaaS型の2種類が提供されており、使用用途に応じて選定することができます。

 

オンプレミス型の場合、自社の業務システム環境内にリモートツール用の監視マネージャーを設置し、監視対象サーバ群へはイントラネットで接続します。特定の通信ポートを開放することで、外部から監視マネージャーへのリモート接続を行います。端末数(サーバ数)による課金体系となります。

一方、SaaS型の場合は、インターネットへ接続可能な環境さえあれば複数のサイトへのアクセスが可能となるので、通信ポートの開放や複雑なネットワーク設定が不要です。こちらの場合は同時接続数による課金体系となります。

 

これらの特性から、オンプレミス型は、自社のプライベート環境で稼働しているPCやサーバ群のリモートメンテナンス時において、SaaS型は不特定多数の顧客環境をサポートするコールセンター業務などにおいて、特にその効果を発揮すると言えます。

 

SaaS型リモートツールのアクセスの仕組み

SaaS型リモートツールのアクセス方法について簡単に説明をします。SaaS型リモートツールは、アクセス時にサポートを受ける受信側の認証行為を必要とし、操作側からの一方的な無断アクセスができない仕組みとなっており、セキュリティ上の考慮がなされています。(図参照)

■図:SaaS型リモートツールのアクセス方法

remoteaccess.jpg

なお、リモートツールを使用したサポートサービスについては、前提として、対象環境のセキュリティポリシーの遵守や、それぞれの環境に沿った運用ルールの策定を行う必要があります。そのため、操作側と受信側による秘密保持契約の締結や、SLAなどの詳細な運用ルール、サポート内容の取り決めなど、事前に決めておくべきことが数多くあります。

 

サポートサービスにおけるリモートツールの活用と効果

リモートツールを使用したサポート内容は、構築フェーズでは「スムーズな本番稼動に向けた構築作業」、保守フェーズでは「トラブルの未然防止に向けた定期保守」、トラブル時における「解決までの迅速な対応」などが挙げられます。

 

まず、構築フェーズにおいては、リモートツールにより構築環境への訪問スケジュールの調整時間や、現地への移動時間をそのまま構築作業の時間に割り当てることができ、また適宜に設定作業と確認作業も可能なため、スムーズな本番稼働に向けた構築作業を実現することができます。

その際の作業内容についても、担当者の作業を複数メンバーで確認することにより、現地での立会いや待機が不要となります。本番稼動時の切り替えの際も同様で、随時状況を確認でき、本番移行時の立会いは不要です。

 

次に、保守フェーズでは、担当者が定期的にリモートツールを使用してアクセスを行い、プロダクトの稼働状況を分析して、トラブルを防ぐためのパッチ適用やシステム設定値の変更などを行うことによって事前に手を打つことができます。

問題発生時においては、初回連絡時に原因が判明しない場合、リモートツールを使用して、復旧までの暫定対応を行うとともに問題発生時点の調査資料取得を行い、原因調査を進めてトラブル解決までの時間短縮をはかることができます。

 

このように、リモートツールを活用することで、より質の高いサポートサービスを行えるようになることが期待できます。

 

※Virtual Network Computing(ヴァーチャル・ネットワーク・コンピューティング、略称VNC)は、ネットワーク上の離れたコンピュータを遠隔操作するためのRFBプロトコルを利用する、リモートデスクトップソフト。VNCのオリジナル版のソースコードは、オープンソースとして公開されているため、現在では様々な派生ソフトが誕生している。

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