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米国のサーバビジネスにおけるトレンドと聞いて、どのようなワードを皆さんは思い浮かべるでしょうか。今回は、以下の3つのキーワードに沿って、サーバビジネスを見ていきたいと思います。
● サーバの性能限界の観点の変化
●
仮想サーバの加速
● 新規ベンダーの参入
サーバの性能限界の観点の変化
かつて、サーバの性能限界はCPUの性能で決まる、と見られていた時代もありましたが、マルチコアなどによりCPUの性能が向上した結果、現在のサーバの性能限界は、CPUの性能というよりもむしろメモリとCPUの間の通信速度が鍵になる、という見方が出てきています。
実際に、x86サーバの購入検討において、65%の企業は8GB以上のメモリを搭載するサーバを選定しており、27%の企業は32GB以上のメモリを搭載するサーバを選定しているという調査結果があります。ちなみに、HPの新型ブレードサーバでは、メモリ18枚の搭載をサポートし、その場合の最大メモリ容量は288GBとなるそうです。
仮想サーバの加速
近年、サーバの性能向上のスピードは、以前の時代から比べると、多少緩やかになってきています。そのような状況でサーバを購入する際に重視される要素として、CPUやメモリといったサーバの性能はもちろんですが、「仮想サーバを稼働させる環境として適切か」というポイントが、同じくらい重視されるようになってきました。
今まで物理サーバで稼働させていた業務を仮想サーバに移行してしまえば、物理的なサーバの数を増やすことなく業務を維持できることになり、サーバへの追加投資や維持費を削減することができます。この流れはグリーンITの考え方ともマッチしています。
実際に、来年度のサーバ投資に関する米国企業アンケートでは、42%の企業が「サーバの入れ替えは計画しているが全体数は減らす」、26%の企業が「サーバ数の増減は特に行わず、一定のサイクルで入れ替える」と回答しています。「サーバの数も性能も増やしていく」と回答した企業は19%でした。
(579の技術系企業に対するアンケート結果(2010年2月):Information
Week 2010/06/14版)
この流れについて、企業の重要な業務を物理サーバではなく仮想サーバで稼働させてしまって大丈夫なのか、と懸念する方がいるかもしれません。しかし、米国企業の65%は、既に重要業務を仮想サーバで稼働させているという調査があります(下図の★印の合計)。上記の懸念があって重要業務を仮想サーバに乗せていないという企業もまだ存在していますが、重要業務であっても仮想サーバに移行していく流れが主流になってくるのではないかと考えられます。
(579の技術系企業に対するアンケート結果(2010年2月):Information
Week 2010/06/14版)
このとき「仮想サーバを稼働させるのに適切な環境」とは、CPUやメモリが仮想サーバを動作させるのに十分な性能を持っていることはもちろん必要ですが、仮想サーバの稼働の助けになるツールやアプリケーションが揃っていることもポイントの一つになると言えます。例えば、仮想サーバも含めてサーバ・ストレージ・ネットワークなどの状態を一元管理する統合監視ツールはその一例と言えるでしょう。IBMではTivoliやWebSphereが有名ですが、HPでは2007年に買収したOpsware社の製品を用いて「Business Service Automation(BSA)」ソリューションを展開したり、DellではSymantecの製品を用いて「Dell Management Console」を提供するなど、他のサーバ系ベンダーも追従しています。
新規ベンダーの参入
サーバ系ベンダーと言えば、Dell, IBM, HP,
Sun(※Oracle社によって買収済み)などが知られていました。2009年3月、このサーバ市場に、ネットワーク機器のベンダーとして名高いCisco社が参入してきました。Cisco社は、ネットワークベンダーならではのサーバの特色として、ストレージとネットワークのI/Oを強化し、仮想マシンがサーバ間をスムーズに移動できる環境を実現すると謳っています。
Cisco社がサーバ市場に参入した狙いとしては、以下のことが考えられます。
● サーバ仮想化とネットワーク技術をベースとした包括的なデータセンタ・インフラ・ソリューションを提供することで、全体的な付加価値を高めようとしている。
● これにより、通信市場のみではなく、IT市場全体を率いる先駆的企業となることを目指している。
上記Cisco社の新サーバについては、2010年2月の調査にて、23%の企業が「聞いたことがない」、36%の企業が「購入は考えていない」と回答しており、まだ存在を十分アピールできていないようですが、「仮想サーバの加速」の波に乗って、徐々に影響力を増していくのではないでしょうか。
以上、3つのキーワードに沿って、米国のサーバビジネストレンドを見てきましたが、どの話題も「仮想化」に密着したものであり、仮想化がますます加速していくことは間違いないでしょう。仮想化が普及しきったときに何が必要になるのか、そこに次世代のトレンドの鍵がありそうです。
参考:
"State of Servers"Information Week 2010/06/14版(電子版)
BBTODAY - HP、Opsware製品を統合したIT運用プロセス自動化ソリューション「Business Service
Automation」(日本語記事)
http://www.rbbtoday.com/article/2008/01/21/48018.html
クラウドwatch - Ciscoの勝算-サーバー市場進出の波紋 (日本語記事)
http://cloud.watch.impress.co.jp/epw/cda/infostand/2009/03/23/15188.html
米シスコ、サーバ市場でIBM・HPと競合へ(日本語記事)
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090317/31353.html
サーバ仮想化でネットワークに新たな役割シスコのサーバ市場参入、その真の狙いは何か(日本語記事)
品川港南口桟橋ちかく。
頑張れば東京湾を見渡せる、とある会社の会議室で、東京湾の向こうに広がる太平洋と世界に思いを馳せ、海外のビジネス市場でどのようなITシステムがトレンドとなっては廃れていくのか、またそれらを支える技術はどんなもので、私たちの生活やビジネス環境はどう変わっていくのかを、海外システムに興味を持つ営業やマーケティング、技術者が集まり、夜な夜な熱い論議を交わします。
たまにはビールを片手に。
その論議を経たレポートを、海外システム通信としてシステム管理者の会ポータルサイトで公開!
海外に出張しているシステム管理者の方が、「現地ではこうだよ。」なんてコメントしてくれたらいいなと期待しつつ、皆様にお届けいたします。
品川海外システム運用研究会
研究会メンバ:
・K谷リーダ
わが研究会の頼れるリーダ。
NYでの営業経験を持つ技術者。もうすぐ2歳になる息子にぞっこん。
・K玉
お客様のシステムを支えるサポート技術者。
スペイン留学時に学んだパエリア作りをメンバに教えてくれるなど、社内にスペインの風を運ぶ。
・U田
大学・院と情報システムを専攻した生粋の技術者。
在学時と就職後に海外プレゼン経験あり。
研究会での的確なアドバイスはさすがとメンバをうならせる。
・W田
アメリカ留学での語学を活かし、海外営業担当に。
興味深い記事や面白いニュースを研究会に持ってきてくれる。
たしなむお酒も国際派?
・N村
サポートから転部した新米マーケティング担当。
小さい頃から観ていたSound Of Music のビデオのおかげで発音だけはいいが、英語の記事を読むのにいつも一苦労。
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