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システム管理者のためのBookCafe vol26 Lean UX リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン
2014年05月21日 19:42

UXデザインはデザイナーのもの?

「UX(ユーザ・エクスペリエンス)デザイン」

最近、この言葉を耳にする機会が急激に増えています。
かつては「UI(ユーザ・インタフェース)デザイン」と混同する方も多かった様に思いますが、用語として浸透するにつれて「ユーザの体験をデザインすること」と「画面入出力をデザインすること」の違いについて、今では少なくともイメージはつかめるようになった、という方が多いのではないでしょうか。

では、良いUXをデザインするのは誰の仕事なのでしょうか。
「デザイン」とある以上、デザイナーの仕事なのでしょうか。
また、良いUXをデザインする為には何をすれば良いのでしょうか。
優れたUXを持つ既存のサイトを模倣すれば良いのでしょうか。
もしくは、UXを向上させるためのテクニックを学び、適用すれば良いのでしょうか。
答えはいずれも「No」なのです。

本書はデザイナーだけに向けられた本ではありません。開発プロジェクトに関わる(デザイナーを含めた)全ての人にとって、「デザイニング」に関する考え方を変える一冊になることでしょう。

LeanUX.jpg
内容紹介
『Lean UX リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン』
ジェフ・ゴーセルフ/著
ジョシュ・セイデン/編
坂田 一倫/監訳
児島 修/訳
オライリー・ジャパン社

本書はリーンスタートアップの手法をUX(ユーザエクスペリエンス)に応用させたものです。構築・計測・学習ループをUXデザインに応用することによって、最適なデザインに最短で到達する方法を解説します。開発者やプロダクトマネージャ、マーケティング担当者などデザイナーでない人と透明性のあるコラボレーションが可能になり、部門や領域横断的なチームでも大きな効果を発揮します。エクスペリエンスのデザインに重点を置くことで、プロジェクトの効率化を実現する本書は、デザイナーはもちろん、その他UXに関わるすべての人に必携の一冊です。(オライリー・ジャパン社紹介より)


TAKAHIRO's Review

LeanとUXの融合


これまでに、不確実なゴールを目指すための方法としていくつものLeanなプロセスが提唱されてきました。アジャイルやリーン・スタートアップがその代表例と言えますが、Lean UXもその流れの一つで、不確実性のある「UXデザイン」を対象にしています。私が思うに、UXデザインは不確実性の塊です。それは、以下の様な理由によります。

・UXデザインが求める「楽しい」「心地よい」といった体験が人間の感情に
 因っており、不確実
・以前よりビジネススピードが上がった事で、デザインに対するニーズの変化が
 早くなり、不確実

このことから、UXデザインこそLeanなプロセスを必要している分野なのかもしれません。


変化するのはプロセスだけではない


Lean UXはただのプロセス改善にとどまりません。本書を読み進めていると、「コラボレーション」や「コラボレーティブ」といった言葉が頻出します。

デザイナーという仕事はクリエイターやアーティストという側面が強く、どうしても「理想的な美しいデザイン」を強く求めてしまい、結果仕事を一人で長い時間かけてじっくり進めてしまう傾向があるそうです。これを本書では「デザイナーがヒーローを目指す」と表現しています。

しかし、「Lean」の名を冠するプロセスが目指すものは「美しいデザイン」ではなく、ユーザの増加、売り上げの増加といった「成果」です。そしてそれは一人のヒーローから生み出されるものでは無く、効率的な学習と成長、そして複数の視点のコラボレーションから生まれるものです。

故に、Lean UXではデザイナーだけでなく他のメンバーもデザインに参加し、共同でデザインに参加する事を強制します。デザイナーが持つ役割はそれらをまとめ上げ、自分の持つ専門性を生かしてMVP(必要最小限の製品)に繋げる事です。


ソフトウェア開発者の私が感じること


さて、本書を手に取った私はデザイナーではなく、ソフトウェア開発者です。私が常々思っていた事として、UXデザインが目指す「楽しさ」「心地よさ」といった体験は「見た目」だけから来るものでは無く、そこには「動き」が関与します。「見た目」は主にデザイナーが、「動き」は主に開発者が創る物ですので、UXデザインをする上で両者のコラボレーションは必須だと考えています。本書はアプローチこそ違えど、UXデザインにおけるコラボレーションの重要性を説くものでした。その点で、本書の内容には深い共感を得ることになりました。

先ほど「デザイナーがヒーローを目指す」という表現を取り上げましたが、我々が「ヒーローに頼り切っている」面もあるのではないかと思います。デザイナーと非デザイナーがお互い歩み寄る事こそ、良いUXデザインに結び付くのではないでしょうか。


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